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2階からでも重篤に…子どもの落下事故「窓やベランダの手すり」法律規制はほとんど無い!?

8月に入り、暑さが一段と増しましたね。子どもたちが家にいる時間が長くなりがちな夏休みですが、家の中には、子どもにとって事故に繋がる危険がいくつも潜んでいます。
なかでも死亡事故に直結するのが、ベランダや窓からの転落事故です。
今日は、相次ぐ幼児の転落事故について、その現状と対策についてお話ししたいと思います。
 

・転落時の状況は、重症以上が45.6%、2階からの転落も30%が重症化


年齢別救急搬送人員(人)
重症度
階別重症度


 

東京消防庁の発表によると、平成23年から平成27年までの5年間に都内で発生した、5歳以下の子供の住宅等の窓やベランダからの墜落事故は114人に上ります。

4歳男児がマンション3階のベランダから転落したり、2歳男児がベッドで遊んでいたところベッド脇の窓から転落したりなど、家具や植木鉢などを踏み台にして窓やベランダから転落する事故が後を絶ちません。

なかでも2歳児の事故がいちばん多く、また生命の危険が強いとされる重症以上の症状が45.6%にもなっています。
また2階からの転落も、22人が重症以上と診断され、また階数の違いによる転落事故数は2階からの転落が64%と最も多くなっています。
低層階という気のゆるみが、多くの事故につながっているようです。

 

・安全対策のための細かい規定は、手すりにはないの?

これだけ多い転落事故ですが、法律はどのようになっているのでしょうか?
現在の建築基準法では、3階以上の建物やマンションなどのベランダの手すりについて、その高さを1.1m以上とする規定があります。
2階建ての戸建て住宅の場合は、ベランダの手すりの規定はありません。このように、ベランダの手すりについては高さ以外のこまかな規定は一切ありません。
ですから設計者や販売業者のほうで自主的に安全対策を取っているのが現状なのです。
マンションや3階建て以上の戸建て住宅を購入するときは、ベランダやバルコニーの安全性をしっかり自分でチェックする必要があります。
また、2階以上の窓ですが、こちらも落下防止のための手すりを付ける規定はありません。
手すりの基準

しかし、品確法という任意の法律があり、そこで窓における落下防止のための効果的な手すりの設置方法を規定しています。
窓に手すりをつけたい場合は、こちらの数値を参考にするとよいでしょう。
 

・今すぐ確認して!わが家の安全対策

法律にも規定がない落下防止策。子どもの事故防止のためには、自分で自宅の安全対策を取らないといけないようです。
では、具体的な落下防止策を見ていきましょう。
 
・2階以上の窓や、ベランダへの出入りの窓には子どもの手が届かない位置に補助鍵を付けたり、一定以上窓が開かないようにするロックをつける。ホームセンターには様々な補助鍵が販売されています。
・窓際にはベビーベッドやソファー、家具を置かない。
・子供たちだけにして外出したり、子どもを一人にしない。夕食の支度時など少しでも子どもと離れるときは、窓の鍵をかける。
・ベランダには植木鉢や段ボールなど、足がかりになるものを置かない。
・子どもにベランダの危険を教え、ベランダで遊ぶことをさせない。
・足がかりにならないよう、室外機などの設備機器の位置を考えて配置する。
・ベランダには屋外用の椅子やテーブルを置かない
・手すりがぐらついていないか、確認する。
・手すりの柵と柵の間が10㎝以下か確認する(子供の頭が通れば、落下してしまう)
・ベランダに不要なものを置かない
 
 
 
 
いかがでしたか?
 
子どもは日々成長し、好奇心とともに行動範囲も日々広がっていきます。昨日まで上れなかった場所に、今日は上がっているかもしれません。
子どもの安全対策に「やりすぎ」ということはありません。自宅に潜む危険を回避し、楽しい夏休みにしたいものですね。
 
参考:
子どもの事故/東京消防庁
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/201603/veranda.html
品確法/ホームズ君
http://jutaku.homeskun.com/static/seino_hyoji/koureisya/description_04.html

 

2016年08月07日 14:48