死亡者の過半数が「逃げ遅れ」という事実…住宅火災から身を守るポイントとは
災害の1つである住宅火災によって、毎年約1,000人以上の方が亡くなっております。
住宅火災の死亡原因は、なんだと思いますか?
「逃げ遅れ」
なんです。
でも、原因がわかっていれば、防ぐことも可能
住宅を新築・リフォームする際には、ぜひ、火災のことも考えて計画してください。
今回は住宅火災から命を守るために、今すぐできる防災ポイントについてお話しいたします。
・42分に1件の住宅火災、被害者の7割は高齢者
平成26年に起きた住宅火災の件数は約1万2,000件にも上り、死亡者の数は1,000人を超えています。
また死亡者の約70%にあたる699人が65歳以上の高齢者となっています。
「たばこ」「ストーブ」「電気器具」が、死者を伴う住宅火災の3大原因となっており、死亡理由をみると、病気や体が不自由なために逃げ遅れたり、就寝していたために逃げ遅れたりするなど、「逃げ遅れ」が全体の半分を超えています。
・住宅用火災報知器や消火器・避難はしごなどの設置
平成16年の消防法改正により、新築・中古住宅などすべての住宅に火災報知器の設置が義務付けられました。この住宅用火災報知器の普及により、住宅火災の件数は年々減少してきています。住宅用火災報知器の設置場所は寝室や階段ですが、都道府県の条例により台所やリビングなども設置対象になる場合があります。また住宅用火災報知器には熱を感知して警報するもの・煙を感知して警報するものと、大きく分けて2種類のタイプがあります。一般的に台所には熱感知型を設置し、寝室には煙感知型を設置します。火災時の警報には、2つのタイプがあり、火災を感知した各部屋だけで警報が鳴る「単独型」と、火災を感知した部屋だけでなくすべての部屋が連動し警報が鳴る「連動型」の2つのタイプがあります。「逃げ遅れ」をしないためにも、部屋の火災を他の部屋にもいち早く伝える「連動型」の設置をお勧めします。
住宅用火災警報器のほかにも、火災に有効な設備として消火器や避難はしごがあります。消火器は火災の初期消火に、また避難はしごは、災害で階段が使えなくなった場合に2階以上の階から地上への脱出に有効です。
・火がついても燃え広がりにくい防炎品の使用
住宅火災の多くは、たばこやストーブなどの火種が布製品などに燃え広がることにより起こっています。このような火災を防ぐために活用したいのが、特殊加工し燃えにくい性質を持った「防炎品」です。
防炎品には、パジャマやシーツ、エプロン、カーテン・ブラインド、じゅうたん、枕や布団など、さまざまなものがあり、「防炎マーク」が表示されています。
身の回りの物を、少しずつ用意できるものから、防炎品に変えていきましょう。
・不用品をおかないよう整理整頓
多くの家庭で起こる火災は、たばこやストーブ・電気コードなどの火種が、近くの衣類や布団、新聞や雑誌などに燃え広がり発生します。
火災を未然に防ぐには火種の管理とともに、部屋に燃えやすい不用品を置かないように、日頃から整理整頓する習慣をつけましょう。
特に寝室は就寝の場所として余計なものはおかないようにしましょう。整理整頓された家は、緊急避難もスムーズに行えます。
いかがでしたか?
住宅などの財産や家財だけでなく、命をも奪う恐ろしい火災。その火災から命を守り被害を最小限にするために、今すぐできることを少しずつ始めてみませんか?
参考:
・逃げ遅れを防ぐために/政府広報オンライン
http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201603/3.html