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交通事故よりも多い!不慮の事故死が最も多いのは「自宅」って本当?その実情と対策方法

家庭内でおきる事故と聞いて、何を連想しますか?
火災や地震など、天災が原因の家庭内事故が多い?と感じている方は多いと思います。
しかし、年間におきる家庭内事故は、家庭内での転倒や転落など、身近な原因が多く、その死亡者数は、交通事故による死亡者数より多いのです。
 
今回は、身近で危険な家庭内事故の実態についてお話しいたします。
 
 

・不慮の事故死が最も多いのは自宅!
 

不慮の事故内訳

厚生労働省がまとめている「人口動態統計」によると、平成27年の1年間に、交通事故などの「不慮の事故」で亡くなった方は約38000人。
その内訳は、「不慮の窒息」が24.4%と最も多く、ついで「転倒・転落」20.9%、「不慮の溺死・溺水」19.5%、「交通事故」14.7%と続きます。


不慮の事故発生場所

一方、「交通事故」以外の不慮の事故が、起こる場所として「家や庭」が42.7%と最も多く、家庭内事故の多さに驚かされます。
 

・家庭内の事故は、家のつくりや暮らし方が原因?


家庭内事故の内訳としては、「食べ物をのどに詰まらせる」「おう吐物で窒息する」「異物を飲み込む」「階段から転落する」「ベランダから転落する」「段差につまずき転倒する」「浴槽内で溺死する」「家の中の温度差で、ヒートショックを起こす」「火傷する」などがあり、家のつくりや暮らし方が、原因になっているものも多くあります。
古民家などの古い住宅は、手すりのないものや、手すりが傷んで壊れやすくなっているものも多く、階段から転落する原因となっています。
また、脚の弱くなっている高齢者にとっては、カーペットなどの小さな段差でも、つまずきやすく、転倒し骨折など事故の原因となります。
そのほか、日本の多くの住宅は、家の断熱性能が良くないため、リビングや個室、洗面浴室・トイレなど、自宅内での温度差が生じやすく、ヒートショックなど、心臓に負担をかけやすい原因をつくっています。
ヒートショックとは、温度の急激な変化による血圧の急上昇や急下降、脈拍の変動などが、からだに及ぼす悪影響のことです。
とくに12月から1月の寒い季節では、入浴前後や入浴中、トイレへの移動や使用中に心肺停止をきたす人の数が激増します。
ヒートショックは、失神やめまいが起こし、浴槽で怪我をしたり、おぼれて死亡するなどの事故を引き起こしやすく、とくに高齢者や、高血圧、糖尿病、肥満、動脈硬化症などの疾患をもつ人は、注意が必要です。
屋外については、鉢植えや、屋内に収納できないものを、ベランダやバルコニー置く家庭も多く、それを足がかりとした幼児の転落事故が増えています。
 

・家庭内事故を防ぐには、何といっても日頃の対策が有効!


そこで家の中や暮らし方を工夫することで、家庭内事故を減らせるよう、対応策をまとめてみました。
 

転倒や転落を防ぐために

・階段に手すりはありますか?手すりに、ぐらつきはありませんか?
階段には頑丈な手すりを、床面には足を滑らせないよう、滑り止めをつけましょう
・床に敷いてあるカーペットなどは、端がめくれて、つまずきやすくなっていませんか?
端がめくれたカーペットは、つまずきやすいので、新しいものに取り換えましょう。とくに高齢者は、転倒による骨折から寝たきりになることが多いので、注意が必要です。
・電気の配線コードなどが、床にありませんか?
配線コードは足をひっかけやすく、転倒につながります。ゴムやひもなどでまとめて、壁や家具に簡易固定しましょう。
・ベランダ・バルコニーに、足がかりとなる物を置いていませんか?
足がかりとなる物があると、それを踏み台にして、手すりから落下する危険があります。
とくに小さいお子さんのいるご家庭では、ベランダやバルコニーに物を置かないようにしましょう。
 

ヒートショックによる溺死を防ぐために

・廊下やトイレ・洗面浴室は寒くありませんか?
窓などの開口部は、断熱カーテンや断熱フィルム・スタイロフォームなどの断熱材を貼り、窓から熱が逃げるのを防ぎましょう。浴室は熱めのシャワーで浴槽にお湯をはると、湯気で浴室の温度があがり、ヒートショックの危険を防いでくれます。
 

火災の危険を防ぐために

・火災報知器は、台所・寝室・階段・LDK・書斎などの個室に設置されていますか?
火災報知器は、火災の初期消火を可能にするだけでなく、火災による逃げ遅れも防いでくれます。
・電球やストーブなどの熱源のそばに、物を置いていませんか?
天井に埋め込まれたダウンライトの熱でも、近くに物があれば発火します。熱源のそばに物を置かないようにしましょう。
 

自宅の敷地を安全に保つために

・壊れそうな塀やよう壁、倒れそうな木はありませんか?
地震などで塀や擁壁、木が倒れると、家族はもちろん、通行人にも危険が及びます。
自宅の塀やよう壁、木などは適宜、点検・補修することが大切です。
 
 
 
いかがでしたか?
せっかくのマイホームで、悲しい事故が起こるのは、何としてでも避けたいものです。
そのためにも、日頃から自宅の安全をチェックしておくことは欠かせません。
悲しい思いをしないためにも、自宅の危険個所を総チェックしてみてはいかがでしょうか?

 
(しかまのりこ)
 
 
参考:
厚生労働省/人口動態調査
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei15/

2017年12月07日 17:47