家具を置くスペースがない?家を選ぶときには避けたい・・・部屋が片づかない間取りとその解決方法
家を建てるとき、意外と後回しにされるもの・・・なにかわかりますか?
意外には意外、収納スペースなのです。
住んでから困ることは十分わかっているはずなのに、
なぜ?と思われるかもしれませんが、建築段階では、みなさん
「より広い リビング ダイニング」
「より広い 寝室」
「多くの子ども部屋」
を求めるため、収納スペースを削ってしまうのです。
「LDKが16畳より18畳のほうが、広くてよさそう」と思ってしまうのは、仕方のないことですよね。。
造り付けの収納スペースがなくても、収納を増やすには、あとから家具を置けば良いわけですから。
しかし、あとから家具を増やすことができない間取りがあるって、知っていますか?
家具を増やすことができないと、収納に困ることは目に見えています。
今回は、部屋が片付かない・収納ができない「部屋が片づかない間取り」についてのお話しです。
・窓が多く、壁が少ない間取り
「窓が多く、壁が少ない間取り」は、家具の配置が難しく収納が困難になりやすいため、片付かない間取りとなります。
窓が多いということは、開放的になりますが、一方で、壁が少ないということです。
当然ですが、壁が少ないということは、収納家具などが置けないということです。
収納家具が置けないと、物を片づけることは物理的に不可能ですよね。
そこで、「窓が多く、壁が少ない間取り」の場合は、使える壁を最大限利用するように、家具を配置しなおします。
こちらの図面は、都内の高級タワーマンションの図面です。
角部屋に当たるため、窓が多く開放的な空間に設計されています。
赤○で囲った部分は、窓や襖のため家具を置くことができません
オレンジ○で囲った部分は、腰窓のため、腰窓下までの収納しか確保できません
緑○で囲った部分には壁があります。
しかしこの壁の部分は、「廊下からリビングに入る」または「ダイニングからリビングに移動する」という「動線」とぶつかるため、家具を置かないほうが良いゾーンです。
つまり、このプランの場合、青○で囲った壁の部分にしか、家具は置けないということになります。
しかし、TVアンテナの位置からTVはバルコニー側に固定されてしまい、それに伴いソファーは壁に沿って置かれていました。
壁のスペースがソファーによって奪われてしまっていたため、収納家具が十分に置けず、片づけにくい空間になっていました。
そこで、TVとソファーの位置をいれ変え、収納家具を、青○で囲った壁に沿って置きました。
これでリビングに、収納家具をプラスすることができますね。
またダイニングにある青○の壁の部分には、いまある収納だけでなく、天井方向への高さのある収納をプラスして、収納面積を増やします。
このことにより、収納量は以前より大幅に増やすことができます
・各部屋や廊下ごとに、適正サイズの収納がない間取り
「各部屋や廊下ごとに、適正サイズの収納がない間取り」も、片付けに困る間取りです。
各部屋に収納があっても、それが適正なサイズでなくてはいけません。
適正なサイズとは、「その部屋で収納予定しているものが、きちんと納まるサイズ」のことです。
例えば、子ども部屋には、教科書・参考書などの勉強道具をはじめ、部活道具や制服・洋服などを収納します。その他、かさばる布団類や、漫画・雑誌、趣味のコレクションなども収納しますよね。
これらのものがすべて納まるのは難しいかもしれませんが、少なくとも布団類や洋服はこの部屋の中で収納できないといけません。
子供部屋には、お部屋の広さには関係なく、1畳程度(幅169cm・奥行き78cm)のクロゼット・押入れなどの収納スペースをお勧めしています。
こちらの図面は、大手ハウスメーカーで新築計画中の戸建て住宅です。
各部屋に収納もあり、また2階に「納戸」も配置され、きちんと収納を確保しているように見えます。
赤○で囲ったクロゼット部分は、奥行寸法が78cmあるため、ハンガーパイプが前後2本かけられます。
しかし幅の寸法が120cmのため、洋服や布団は納まったとしても、雑誌や漫画・本などは収納できない可能性があります。
そのためには、扉の位置をずらして収納の幅を広げます。
オレンジ○で囲ったクロゼット部分は、幅の寸法が169cm確保されていますが、奥行きが55cmです。
ハンガーパイプにかけた洋服の幅は45cm~55cmですので、このクロゼットは洋服がなんとか納まる寸法です。
洋服がしわにならないためには、奥行き65cmは確保しましょう。
また、このプランでは、緑○で表示した廊下の部分に収納がありません。
廊下には、小さくても収納を設置すると、「廊下掃除用のクイックルワイパー」などの掃除グッズや物干しグッズなどが収納できて、大変便利です。
納戸の一部を削って廊下からアクセスできる奥行40~45㎝ほどの収納をつくりましょう。
いかがでしたか?
今住んでいる間取りを見直せば、収納量は確実に増やせます。
またこれから家を建てる人は、収納予定にあわせた適正サイズの収納を、プランに盛り込むと、収納で後悔することがなくなりますよ。
(しかまのりこ)