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健やかな成長を願うとともに、親としてはどうしても“子どもの勉強”も気になるもの。
子ども部屋アドバイザーの筆者は、有名国立大学に通う学生に、自分の子ども部屋について聞き取り調査を行っています。
その調査から見える、子ども部屋について、お話したいと思います。
筆者が聞き取り調査した学生の1人・Mさんは、筑波大学医学科に現役合格した、女医さんの卵。
ご両親が共働きのため、自分と妹さんのお弁当を3年間も作っていたという、しっかり者です。
「子どもの頃から、家族のいるダイニングで勉強するのが好きでした」と語るMさん。
ダイニングテーブルは幅1m×奥行2.5mもある大きなものだそうです。
子ども部屋にも自習室という勉強スペースがあったそうですが、ダイニングテーブルの隅を勉強や宿題するスペースにしていたため、あまり使わなかったそうです。
では、子ども部屋はMさんにとってどのような場所だったのでしょうか?
「教科書や部活の道具、また洋服や漫画や雑貨など、自分達の大切な物を置いていました。収納ケースやカラーボックスを組み合わせて、片づけやすいように妹と工夫しました」と語るMさん。
「妹と共用のクローゼットだったので、お互いの服を貸したり借りたりして使っていましたね。制服を交換して出かけることもあったかな?」と、楽しそうに思い出を語ってくれました。
Mさんにとって、子ども部屋は他にも重要な意味があったそうです。
「妹と一緒の部屋だったので、毎日、学校のことや勉強のことなど話していました。また忙しい一日の終わりに、安心して就寝できる大切な場所でした」
妹さんと同じ部屋で、自分の個室がないことに抵抗はなかったのでしょうか?
「小さい頃から妹と同じ部屋だったので、そのことに抵抗を感じたことはありません。
ケンカすることもありましたが、協力したりシェアする気持ちがお互い育ったのではないかと思います」
国立医学部生と聞くと、部屋に一人籠って勉強をしているというイメージですが、東大生の半数近くが、子どもの頃リビングで勉強していたというデータもありますから、Mさんのように、家族を近くに感じながらダイニングで勉強をする子は珍しくないようです。
しかし、勉強はリビングでも、子ども部屋は「大切な物を置く場所」「1日の終りに安心して眠れる場所」という大切な空間とのこと。
個室でなく姉妹で一緒に使っているということも、協調性や分かち合うこころの成長を助けてくれるのかもしれません。
いかがでしたか?
筆者が実際に聞き取りを行ったこのケース、子ども部屋づくりの参考にされてはいかがでしょうか。
平成28年熊本地震と命名された、今回の地震。
身体が竦みそうな強い揺れは1回に留まらず、断続的に続いたのが大きな特徴でした。
筑波大学の境有紀教授によると「平成28年4月16日におきた熊本地震本震は、4月14日に起きた前震の1.6~1.7倍の破壊力のある地震動だった」との見解を示しています。
また16日の本震は、東日本大震災の約5倍、阪神・淡路大震災の7割程度の強さをもつ地震動だったとも発表されています。
地震大国日本に住む以上、このような大地震がいつどこに起こっても不思議ではない状況の中、私たち一人ひとりが地震対策で今できることは何なのか、改めて考えてみましょう。
自宅の敷地内の建物などは、その持ち主が安全に保たないといけません。これは、建築基準法第19条により規定されています。
敷地内の“建物”とは、自宅はもちろん、物置、塀・擁壁なども含まれます(樹木・生け垣などは含まれません)。
また、自宅敷地内のブロック塀の高さが、低いほうから1.2mを超えている場合は倒れないよう、控え壁などを設けて補強するか、倒れても危険でない高さ(1.2m以下)まで塀をカットすることが必要になります(建築基準法施行令第62条の8)。
特に道路に面するブロック塀は危険ですので、必ず守りましょう。
地震で歩行者がブロック塀の倒壊に巻き込まれて死亡するケースが増えており、その場合は塀や擁壁の所有者が敷地の建築物の安全性の維持を怠った責任を問われてしまいます。
地震では、想像以上のエネルギーが生まれます。
「まさか」と思う重いものでも、落ちたり、飛んだり、倒れたりすることは珍しくありません。
造りつけでない家具は、地震による衝撃で倒れたり動かないよう、突っ張り棒などで天井か壁に固定しましょう。
また棚に収納している食器などは、地震時に扉が開いて危険です。
地震時の衝撃を感知して、扉が開かなくなる「耐震ラッチ」という特殊金物がありますので、棚や食器棚などにつけて自宅内の安全を図りましょう。
また、重いものや飛んでくると危ないものは、高いところに置かないようにしましょう。
不安があれば、自宅の耐震性能を調べましょう。
まず、建物を新築した時に、公的機関から発行される「検査済証」というものがあるので、その交付年月日を確認します。検査済証の交付年月日が1981年6月以前/以降で耐震性能が大幅に違ってきます。
1981年6月以前の建物であれば、旧耐震で建てられた建物である可能性が大きいので、市町村などの耐震診断を受け、耐震補強をしなくては地震により倒壊の危険があります。
1981年6月以降の新耐震基準をクリアした建物であれば、新耐震基準で建てられた建物であるのでひとまず安心ですが、万全とはいえません。
壁のバランス配置や金物・基礎などの安全性の検討が必要です。
検査済証の交付年月日が2000年6月以降であれば、木造建物について構造強度の規定が追加され耐震性能が大きく上がった建物なので安心です。
いかがでしたか?
活断層に囲まれた日本で、大地震はじつはとても身近な問題です。いざというときに被害を拡げないためにも、自宅の安全性を確保することの大切さを考えてみてはいかがでしょうか。
熊本地震による犠牲者の方々、遺族の方々に心よりお悔やみを申し上げます。
参考
※ 建築プレミアム
消費税率の引き上げが現実味を帯びてきた今日この頃、そろそろ自分の家がほしいと思っている人も多いのではないでしょうか?
住宅の成約価格もここ数年右肩上がりで、成約件数も好調です。
今日は、住宅購入を考えるときの永遠のテーマである「一戸建てとマンション、どちらが良いの?」について、少し違ったデータから検証してみたいと思います。
一戸建てとマンションの一般的なメリット・デメリットは、次のようなものです。
<一戸建ての主なメリット・デメリット>
<マンションの主なメリット・デメリット>
では、一戸建て・マンション購入後に起こる欠陥工事や欠陥住宅などの住宅トラブルは、どちらが多いのでしょうか?
住宅トラブルの電話相談を行う公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターに寄せられた住宅トラブル相談では、新築・リフォームともに「一戸建て」の相談が80%を超えています。
相談内容は一戸建て・マンションとも雨漏り・ひび割れ・漏水が多く、全体の約40%となっています。
次に家族構成の変化や様々な事情で住み替えを希望した時の、売却のしやすさを見てみましょう。
全国宅地建物取引業協会が、全国の不動産業者にむけたアンケート結果によると、一戸建ては売り出しから売却するまで1年近くかかることが多い反面、マンションは約50%近くが3か月以内に売却しています。
また、売却時の平均価格は、マンション・一戸建てとも2,000万円から5,000万円が多く、両者の価格差がそれほどありません。
このことから、一戸建てのほうが購入時の価格より値段が下がりやすいことを意味しています。
いかがでしたか?
一般的な一戸建て・マンションのメリット・デメリットとともに、入居後の住宅トラブルや売却しやすさというデータも参考にすると、より満足いく住宅選びになるかもしれませんね。
【参考】
※ 住宅形式別住宅トラブル – 公益財団法人リフォーム・住宅紛争処理支援センター(PDF)
※ 中古売買契約成立までの期間 – 全国宅地建物取引業協会連合会(PDF)
春から新学期ですね。
小学校入学や中学入学をきっかけに、そろそろ「子ども部屋を用意してあげたい」と思う親は多いようです。
しかし一方で、「リビング学習のすすめ」など、巷では「子ども部屋不要論」もささやかれています。
子ども部屋って、ほんとうに必要なのでしょうか?
今回は、たくさんのデータから「子ども部屋の必要性」を考えてみたいと思います。
あなたは、いつから「子ども部屋は必要」だと思いますか?
マイナビニュースが2013年にファミリー世代を対象に行ったアンケートでは、81.2%の親が、「子ども部屋は必要」と答えています。
また、「いつから子ども部屋は必要か?」という問いには、小学生(低学年~高学年)からが69.7%で圧倒的に多く、次いで中学生の20%と続きます。
小学校低学年と答えた人は、「学校の勉強が始まるので子ども部屋を用意したい」と考えているようです。
また、教科書やランドセルなど“自分の持ち物”ができるこの時期から、専用の部屋を持たせ、物の管理や自立心を養わせたいと考えている人もいるようです。
「勉強や宿題のために子ども部屋を用意してあげたい」と思う親が多い現状ですが、実際に子どもたちは、どこで勉強しているのでしょうか?
「東京ガス都市生活研究所」が自分の部屋を持っている小学生から高校生までの子どもたちに行った調査では、以下のグラフのような結果が出ています。
小学生では約70%、中学生でも約40%の子どもが、実際に勉強している場所としてリビングダイニングをあげています。
また「どこの部屋がくつろぐか?」というアンケートでは、子どもの約60%~90%がリビングダイニングと答えています。
大半の子どもたちは、自分の部屋があっても、リビングダイニングで勉強したり、くつろぐことが好きなようです。
多くの子ども達にとって、勉強をするのも、くつろぐのも、リビングダイニング。
では、子どもにとって「子ども部屋」はどのような存在なのでしょうか?
同じく「東京ガス都市生活研究所」の調べでは、自分の部屋があって良かったことの問いに対して「一人になれる場所がある」「親に見られずに好きなことができる」と答えています。
この傾向は学齢が高くなるほど強く、子ども部屋によって、子どもの大切なプライバシーが守られているように思えます。
また、「誰と一緒に就寝したいか?」という問いには、小学校低学年では約70%の子どもたちが「母親」と答えていますが、高校生では約70%以上の子どもが一人で就寝することを希望しています。
子ども部屋は、自立心の形成に役立っているようです。
いかがでしたか?
たくさんの調査結果から見えてきたのは「大学受験期を除く大半の子どもたちは、自分の部屋でなく、リビングダイニングでくつろぎ、勉強している」ということです。
“勉強部屋”としての子ども部屋は、学齢が低いうちは必ずしも必要ではないよう。
しかし、一人になれる場所、寝室として子ども部屋は重要な意味を持っており、また学齢の高い子どもたちには、集中して勉強する場所として必要なようですね。
【参考】
※ 子どもが勉強を行う時間が長い場所 – 東京ガス都市生活研究所
※ 自分の部屋があって良かった点 – 東京ガス都市生活研究所
やっと買った、念願のマイホーム。
新築であれ、中古であれ、リノベ住宅であれ、マイホームというのは大きな買い物ですから、欠陥住宅には出会いたくないものですよね。
しかし一方で、住宅紛争機関によせられた住宅相談は、2014年度は2万6,000件を超え、年々増加の一途をたどっています。
相談の内容は、雨漏り・変形・はがれなど、すでに住宅に不具合が発生しているものが6割を超えています。
では、実際にトラブルに遭ったら、どう対応したらよいのでしょうか?
新築住宅を供給する事業者は、構造部分と雨漏りに対する欠陥(瑕疵)について、10年間責任を負うことになっています。
また、その責任を確実に履行するため、「保険への加入」、または「保証金の供託」をするよう、法律で義務付けられています。
これにより、新築住宅は、引き渡しから10年以内の欠陥については、保険金や保証金で修理費用をカバーしてもらえます。
一方、注意しなくてはならないのが、中古住宅や、リノベ住宅です。
中古住宅では、売り主が個人である場合は欠陥(瑕疵)の責任を負わないことが多く、また売り主が不動産会社(宅建業者)の場合でも、欠陥の保証は一般的に「2年間」とされています。
そのため、中古住宅を購入する際には、不具合や欠陥がないかを、きちんとチェックすることが重要になってきます。
「ホームインスペクション(住宅検査)」を依頼して、不具合や欠陥がないかを事前に確認するといった事例も増えてきていますが、この住宅検査で欠陥が見つかるとは限りません。
リフォーム工事については、リフォーム事業者との契約内容などの取り決めによって、欠陥があった場合の責任や保証が決められています。
ただし、リフォーム工事による欠陥や不具合であることを明確にすることは難しく、欠陥の補修に対して新たな追加工事を請求されてしまうこともあるんです。
このような、中古住宅やリフォーム時の欠陥やトラブルに対処するため、中古住宅では「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」、リフォームの場合は「リフォーム瑕疵(かし)保険」という制度が創設されました。
中古住宅の売り主やリフォーム事業者が、これらの保険に加入していれば最長「5年間」、欠陥や補修等の費用が保険でカバーされることになっています。
また保険の引受けにあたり、専門家による検査が実施されるため、住宅の品質が確認できるというメリットもあります。
しかし、「既存住宅売買瑕疵保険」、「リフォーム瑕疵保険」は法律で決められた義務ではなく任意の加入制度であるため、中古物件やリフォーム事業者を選ぶ際、これらの保険への加入の有無が重要なポイントになってきます。
新築住宅は、お引き渡しから10年以内の欠陥については、保険金でカバーしてもらえます。
しかし中古住宅やリフォームの場合は、必ずしも欠陥(瑕疵)の責任が約束されていません。
万一の時に慌てないためにも、中古住宅購入やリフォームの際には、契約書の内容により保証の範囲を細かくチェックするとともに、保険加入の有無についても確認しましょう。
また、なるべく早い段階で専門家に相談することも大切です。
住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、住まいに対する電話相談(すまいるダイアル0570‐016‐100)を無料で受け付けています。
もし、念願のマイホームに欠陥が見つかったら……相談してみることも1つの手ですよ。
【参考】
※ 住まいるダイヤル – 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター
※ 「中古住宅・リフォームトータルプラン」の策定について – 国土交通省
今日、3月11日は東日本大震災の起きた日です。
5年が経ち、時間の経過とともに、あの日の震災のことを忘れてしまいがちです。
しかし、南海トラフ地震や首都直下型地震がいつ起きても不思議ではない現在、今一度、我が家の耐震について考えてみましょう。
日本の住宅で、“耐震化”を済ませた家って、どれくらいあるのでしょうか?
国土交通省が発表した2013年の調査では、日本の住宅の“耐震化率”は82%。
ここで言う「耐震化率」とは、1981年にできた「新耐震基準」に基づいて設計された建物と、その基準に適合するよう建物の補強を済ませた建物の割合のこと。
つまり、「震度6」程度の地震に耐えられる建物が、現在どのくらいあるか?ということです。
また政府は、東京オリンピックの開催される2020年度までに、耐震化率を95%に引き上げる数値目標を掲げています。
古くに建てられた家に住む人は「うちは大丈夫なのかしら……」と心配になるかもしれませんね。
そんな時に必要なのが「耐震診断」です。
主に、1981年以前に建てられた建物が、現行の新耐震基準をもとに耐震性の有無を確認することですが、1981年以降に建てられた建物でも、劣化等が気になる場合、耐震性能を確認することもあります。
耐震診断料金は、床面積にもよりますが、木造一戸建てで、約5万円〜20万円程度と比較的高額です。
住宅の耐震化を促進するため、各自治体は耐震診断・耐震改修を行った場合に、補助金を出す制度を設けています。
(※編集部:この補助制度を利用して、一戸建てをリノベしている連載シリーズ「リノベ奮闘記」も人気です!)
しかし、この制度を悪用して、耐震診断や改修工事の費用を騙し取る詐欺も多発しています。
「古い住宅を改修しなければいけない努力義務が法律で決まりました。すぐに改修しないと法律違反で罰せられます」
「改修工事代金全額が自治体から補助金で返ってくる」
このような言葉で耐震改修を焦らせ、通常より高い費用で工事を進めてきます。
耐震診断を受けたい場合は、各自治体が設けている相談窓口で紹介してもらうことができます。
また補助金などを受けたい場合も事前に自治体に確認することが大切です。
耐震診断は敷居が高いという方には、自分でできる耐震診断もあります。「一般財団法人 日本建築防災協会」が自身のHP内で公開しているので、気になる人はぜひ見てみると良いでしょう。
方法は簡単、専用のチェックシートに記入していくだけです。
などのチェック表に答えて、合計点数を確認します。7点以下なら、専門家に診てもらったほうがいいでしょう。
「天災は、忘れたころにやってくる」ということわざがありますが、震災も忘れたころにやってきます。
いずれやってくる災害に備えるためにも、日ごろから自宅の耐震化や食料の備蓄など震災に備えることが、大切ですよ。
【参考】
※ 誰でもできるわが家の耐震診断 – 一般財団法人 日本建築防災協会
寝る時間も含め、毎日たくさんの時間を過ごす住宅。
でも、住まい方によっては、シックハウス症候群やアレルギーなど深刻な病気を引き起こしてしまいます。
今日は、健康に子育てをするうえで欠かせない住宅アイテムについてご紹介していきましょう!
新築やリフォームした住宅において、壁・床などの接着剤や、建材・塗料などから放出される化学物質が原因となり起こる健康障害を、総称して「シックハウス症候群」といいます。
ホルムアルデヒドや、揮発性物質(VOC)などの化学物質が、めまいや吐き気、頭痛や皮膚疾患・のどの痛みや鼻の障害などを引き起こします。
「国民生活センター」によると、原因物質を含んだ建材の普及と、住宅の気密性が高まった平成8年(1996年)ごろから症状を訴える人が急増。
その後、建築基準法の改正や建材の規制・品確法の制定などさまざまな法規制がされましたが、いまだ相談件数は横ばいで減っていません。
これは、法規制が新建材や新素材への対応に追いついていないことを表しています。
「シックハウス症候群」というと、建材からの化学物質だけが原因と思いがちですが、そうではありません。
カーテンやじゅうたん、家具などから揮発する化学物質や、衣類や日常生活用品、ダニやカビなど、様々なものによる“室内空気汚染”が原因になっています。
また、住宅の高気密・高断熱化により、省エネで住みやすい住宅が実現する反面、自然換気不足による室内空気汚染や、高湿度でダニやカビの温床となる結露を起こしやすくなっています。
「国民生活センター」によると、シックハウス症候群の発症年齢は30代〜40代の、しかも女性に圧倒的に多いのです。
また、ダニやカビなどが原因となるアレルギー疾患はすべての年代で発症しますが、小児に多いとの報告があります。
「厚生労働科学研究所」によると、1980年代に欧米で問題になった「シックハウスビル(高気密・高断熱ビルにおけるシックハウス) 症候群」では、発生原因の53%が不適切な換気にありました。
現在の日本の住宅も、高気密・高断熱化が進み1980年代のシックビルと似た環境にあると言えます。
グラフからわかるように、シックハウス症候群の予防や軽減には、部屋の換気が1番大切だということ。
リビングや寝室など、長時間滞在する部屋は、5分から10分の換気を1日2〜3回行うだけでもシックハウス対策に効果があります。
また、これから中古住宅を購入される方は、改正建築基準法により24時間換気が義務付けられた、平成15年7月確認済み以降の建物を購入しましょう。
スイッチを入れておけば、家中の空気が2時間で入れ替わります。
また、24時間換気は結露を防ぎ、カビやダニを防ぐこともできます。この24時間換気設備は、いまでは健康住宅には欠かせないマストアイテムとなっています。
20年前以上から問題にされているシックハウス症候群ですが、国の様々な法規制にもかかわらず、新建材や家具・日用品などによりいまだ解決していないのが現状です。
しかし、私たちの「こまめに換気をする」ことにより、シックハウスの大部分は解決してしまうのも事実です。
住宅を手に入れたら終わりではなく、その後も少しの手間をかけ、快適で健康な住環境を保っていくことが大切ですよ。
【参考】
※ シックハウス年代性別患者数 – 国民生活センター(PDF)
※ シックビル症候群の原因調査 – 厚生労働科学研究所(PDF)
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