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広い部屋のつくり方。カーテンや家具の色が変わると、感じ方がここまで違う

狭い部屋が広く見える、家具の選び方
12月になり、大掃除と同時に、部屋の断捨離や模様替えを計画している人は多いと思います。その家具の買い替えなどの際に、注意してほしいことがあります。それは「家具の色」です。この「家具の色」ですが、好き嫌いだけで選んでしまうと、部屋が狭く見えたり、また反対に、ぼやけて見えたりします。
今回は、狭い部屋が広く見える!失敗しない、家具の「色選び」ついてのお話です。
 
色の与える視覚効果
部屋が狭く見える原因は、第一に、間違った家具レイアウトによることが挙げられます。
しかし、部屋が狭く見えるのは、家具レイアウト以外にも原因があります。
それは壁紙や家具、カーテンなどの“色”です。
一般的に白など明るく薄い色は「膨張色」であり、黒など暗く濃い色は「収縮色」になります。つまり、部屋の空間に白などの「膨張色」を使えば、部屋は広く膨らんで見え、逆に黒などの「収縮色」を使えば、部屋は狭く締まって見えるのです。
住宅の壁や天井の壁紙に白や薄い色が多いのは、この「膨張=広く見える」効果を狙っているのです。逆に、ホテルなどの商業施設の壁や天井に茶色や濃い色が多いのは、「収縮=締まって見える」効果を狙い、広い空間がぼやけないようにしているのです。
家具の色を間違えると、部屋が狭く感じる?
このように、壁や天井に使う壁紙の「色」により、部屋を広くも狭くも見せることができますが、同じように、レイアウトする家具の「色」により、部屋のイメージが変わります。つまり、白やベージュなどの明るく薄い色の家具を使えば、部屋は広く見え、逆に黒やグレーなどの暗く濃い色の家具を使えば、部屋は狭く見えます。
濃い色の家具を使ったインテリアは、高級感や重厚感があって格好良いイメージにすることができますが、「収縮色」ですので、部屋は狭く見えてしまうのです。特に、広くない部屋の場合、家具の色を黒やグレーなどの暗く濃い色の「収縮色」にしてしまうと、広くない部屋がより狭くなってしまいますので、注意が必要です。
 
ビフォー
それでは、家具の色使いでどれだけ部屋のイメージが変わるか、実際の事例で見てみましょう。

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こちらの部屋は都心戸建て1ⅬⅮKのリビングダイニング部分です。ひとり暮らしをされていらっしゃるご相談者は、色の濃い高級感のある家具に憧れがあり、建物新築時にお気に入りの家具を購入されました。

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しかし、実際に家具を置いて生活してみると
「部屋が暗く、狭く感じる」ため、元気が出るような明るい部屋への模様替えを、ご希望でした。
チェストや本棚、TⅤボードやテーブル・ソファなどの家具はもちろんカーテンまでも暗く濃い色に統一されています。このような暗く濃い「収縮色」のコーディネートは、広い部屋では高級感を演出できます。しかし、ご相談の間取りのような広くない部屋では、高級感よりも暗く狭いイメージの印象を受けてしまいます。
 
アフター
 
そこで、部屋を明るく広く感じるように、家具やカーテンなどの「色」を変えてみました。

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チェストや本棚、テーブルやソファなどの家具やカーテンを、大きさはそのまま、色だけをベージュや白などの薄い色に変えました。
またTⅤボードは高さが1m50㎝もあるため、白いものにするだけでは多少圧迫感が残ります。そのため、家具本体は壁と同じ白のものにし、さらに収納扉が透明ガラスのものを選び、軽さを出しました。
ここで大切なことがあります。

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家具やカーテンなど、部屋のすべての色をベージュや白などの「膨張色」にしてしまうと、部屋は明るくなるのですが、全体が膨らみすぎて、すこしぼやけてしまいます。そこでリビングチェアとソファクッションを、ベージュと同じ暖色系の黄色やオレンジにして、空間にポイントを置きました。
リビングチェアを部屋奥に移動したことで、チェストは壁際に寄せ、本棚は冷蔵庫側面を隠すようにレイアウトしました。
最後に、少し背のあるフロアランプを、部屋入口から対角の隅に置くことで、空間に奥行きをだしました。
 
同じ部屋、同じ大きさの家具でも、色の違いだけで、これほどイメージを変えることができました。
 
 
いかがでしたか?
家具やカーテンの色選びで、部屋は狭くも広くも変わります。部屋が狭いと感じている場合は、模様替えと一緒に、家具の色を見直してみてはいかがでしょうか。
 
 
2020年12月10日 23:32