インテリア/家具レイアウトのCOLLINO

マンションや狭い間取りの、リビング学習/子ども部屋などにお困りの方へ
書籍『家具配置のルール』著者/各種メディア出演/記事執筆多数の
しかまのりこ(模様替え作家/一級建築士)がインテリア~家具レイアウトをサポートします!

HOMEブログページ ≫ 50万円以下は「工事してもらえない」?リフォームトラブ... ≫

50万円以下は「工事してもらえない」?リフォームトラブルが起きる背景とは

住宅も新築から数年たってくると、壁紙やフローリングが汚れてきたり、給湯器や蛇口などの設備が壊れてきたり、あるいは部屋の間取りを変えたくなったりしますよね。

そんな時、お世話になるのがリフォーム会社です。

しかし近年は、いい加減なリフォーム工事にまつわるトラブルが激増しています。

どうしてこのようなトラブルが増えているのでしょうか?

今回は、リフォーム工事の現状やトラブルと、その回避法について、2回にわけてお話しいたします。

 

■リフォームの平均金額は戸建てが782万円、マンションが663万円

みなさん、リフォームには大体どのくらいの予算をかけて行いたいと思っていますか?

住宅関連商品を販売するLIXILが2015年に調査した結果によると、リフォーム工事を希望する人の約40%は、50万円以下の小規模リフォームを希望しているのにもかかわらず、その半分は、業者が請け負ってくれない等、工事のミスマッチが起きているようです。

 

では、実際に工事契約が成立したリフォーム金額はいくらなのでしょうか?

(社)住宅リフォーム推進協議会が2014年に実施した調査によると、リフォーム工事の平均金額は戸建て782万円(中央値 500万円)、マンションが663万円(中央値 526万円)と、かなり高額になっています。

 

■リフォーム相談件数は近年増加傾向にある。リフォームトラブルの第1位は?

このように、高額なリフォーム代金を支払って工事したにもかかわらず、工事後に不具合が起き、トラブルになるケースも増えています。

 

住宅トラブル相談を行う(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターが、2015年に発表した調査によると、財団に寄せられたリフォーム相談件数は近年増加傾向にあり、2014年度で9,305件。

そのうち、約半数にあたる4,544件(48.8%)が、リフォームにより住宅に不具合が生じているという結果に。

マンションの場合は、床や建具の変形やクロスのはがれ、給排水管からの漏水などが多く、比較的原因の特定しやすく修繕のしやすい内容。

しかし戸建ては、屋根・外壁などからの雨漏りが1位、次いで屋根・外壁のはがれやひび割れとなっており、マンションのリフォームトラブルに比べると、解決の難しい大きなトラブルが多いようです。

 

■リフォームトラブルの原因は「深刻な職人不足」?

このような住宅トラブルはリフォームに限らず、新築でも増えており、建設業界全体の大きな問題となっております。

では、なぜこのような事態になってきているのでしょうか?

背景には建設業界の構造的な様々な問題がありますが、中でも深刻なのが職人の不足です。

(社)住宅リフォーム推進協議会が建設事業者におこなったアンケートによると、63%の事業者が職人不足を感じています。

 

なかでも大工の減少が最も多く、建設現場のプロである大工の減少が工事の質に影響を与えている結果となっています。

腕の良い職人は高齢化を迎え、その技術を受け継ぐ若手の育成も進んでいません。

また多くの新建材なども開発され、職人に求められる技術は、より高度化しています。

今後は大学でも職人養成学科を創るなど、大規模な職人養成改革が必要なのかもしれません。

 

いかがでしたか?

私たちの生活の基盤である住宅は、安全で安心できるものでなくてはなりません。

その安心を脅かす住宅トラブルは、何としてでも回避しなくては、健康で幸せな日常生活は送れません。

次回は、リフォームトラブルを防ぐ具体的な方法についてお話ししたいと思います。

 

(しかまのりこ)

 

【参考】

リフォームコンタクト申し込みデータ – LIXIL

住宅リフォーム実例調査 – (社)住宅リフォーム推進協議会(PDF)

住宅相談統計年報2015 – 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(PDF)

2016年10月26日 21:07