インテリア/家具レイアウトのCOLLINO

マンションや狭い間取りの、リビング学習/子ども部屋などにお困りの方へ
書籍『家具配置のルール』著者/各種メディア出演/記事執筆多数の
しかまのりこ(模様替え作家/一級建築士)がインテリア~家具レイアウトをサポートします!

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狭い部屋を広くするテクニック

家が狭いと、困っていませんか?

でもよく考えてみてください。

引越し当初から、すでに狭かったですか?

 

家が狭いのは、じつは間違った家具配置や、間違った家具選択、動線のせいだったりするんです。

 

ですから、

家具を見直して、動線を整理すれば

自然と、暮らしやすい住まいに戻ります。

今回は、いまのお部屋を広く使いやすくする!
お部屋の模様替え方法について、相談実例を使ってお話しいたします。
 

① 人の動く「動線」には、家具を置かない

ビフォー間取り図_コピー 

ご相談にいらしたAさんは、40代女性、家族構成は、ご夫婦と中学生の息子さんがいらっしゃいます。
家の間取りは、LDK+和室・洋室・寝室の4LDK。
都心に近い、木造3階建て/築15年の戸建て住宅です。
 
「リビングダイニングが狭いので何とかしたい!」という、お悩みでした。
 
都心の戸建て住宅は、土地が狭小になりやすく、そのため、各階の面積が小さくなりがちです。
 
Aさんのご自宅も例外ではなく、
2階リビングが小さく、また約2.45m×5.25mと細長いため、たいへん使いにくい形をしています。
 
ビフォー動線の説明_コピー

LD間取り図を見てください。
 
赤の矢印で示したものは、人が動く「動線」です。
この動線ですが、動線同士がぶつかったり、またはなにか障害物が置いてあると、当然ですが不便です。
そして、お部屋の印象を、実際以上に狭くします。
 
階段からリビングダイニングへ、またリビングダイニングから階段へ移動する赤い動線に、1人掛けチェアやマガジンラックがぶつかります。
こちらを通る際は、常に1人掛けチェアをダイニングテーブルにしまわないといけないため、とても不便です。
またマガジンラックを移動しても、1人掛けチェアとキッチン壁が近いため、たいへん窮屈です。
 
 

②出窓には、物を置かない

 
出窓の部分に、物を置いているご家庭も多いと思います。
 
しかし、出窓は外壁から飛び出して取り付けられているため、外気温の影響をまともに受けます。
そのため寒い日は、室内側に結露を起こします。
 
結露水はガラスを伝わり、サッシ枠にたまり、ダニ・カビの発生源となります。
出窓に物を置けば、この結露の被害を受けます。
 
出窓の結露は、サッシを断熱性能の高いものに交換しないと、完全には防げません。
しかし、少しでも軽くするためには、出窓の手前に断熱カーテンまたは内窓(2重サッシ)をつけ、ガラス面に暖かく湿った空気が触れるのを防ぐのが効果的です。
 
ビフォー空間の説明_コピー

LD間取り図を見てください。
 
こちらのケースでは、赤○で示した出窓の部分に物を置いています。
結露の被害はもちろんですが、出窓の手前には家具もあり、物を取り出しにくい状況でもあります。
 
 

③収納量の多い家具を、配置する

 
収納家具の選択を間違えると、面積ばかりとられて、思ったような収納量を確保できません。
収納量が足りないと、物がうまく片付けられません。

 
ビフォー収納の説明①_コピー

LD間取り図を見てください。
 
リビングチェストやシェルフなどの収納家具を、きちんと壁に配して並べられていらっしゃいます。
しかし、どの収納も窓に向かって配置しているため、背の低い収納家具になっています。
そのため、設置面積をしめているのに、十分な収納量が確保できていない状況です。


 ビフォー収納の説明②_コピー

また、こちらの緑○で示した家具は、壁に向かって配置しているため、背の高い棚を置くことができています。
しかし、幅が57㎝と狭いため、おなじく、十分な収納量が確保できていません。
 
 

④お部屋の動線を確認し、家具の種類・配置を見直そう

 
こちらのお部屋は、形が細長く、また窓や動線など、家具を置きにくい間取りが、狭さの原因になっていました。そこで家具の種類・配置を見直し、問題点を改善してみました。
 
・背の低いこまごました収納家具は、高さのある収納にまとめ、空間をスッキリさせる。
・ダイニングテーブルは、壁際に寄せ、スムーズな動線を確保する。
・神棚下の収納家具は、背の高いものを用意し、収納量を確保する。
・テレビは位置を変え、高さがミドルタイプのAVボード上に設置。
・出窓に置いてあったものは、別の収納に動かし、またカーテンは分割して取り付け、断熱効果を高め、結露を軽くする。
 
ビフォー真上から_コピー
ビフォー
アフター真上から_コピー
アフター

ビフォーアフターのようすです。
お部屋がスッキリ広く、使いやすくなりました。
 
 
いかがでしたか?
 
今のお部屋が狭いと感じる人は、動線や、家具の種類・配置を見直してみてください。
いままであきらめていたお部屋の可能性に、気づくことができますよ。
 
(しかまのりこ)
 
 

 

2019年02月20日 19:22

衝撃・・・栃木県の死亡率が第一位!これからの住まいに本当に必要なものは?

冬になると、寒さが身体にこたえますね。

 

一年で、冬の死亡率が一番高いのは、寒さのせいでもあるようです。

じゃあ、寒い北海道は、たくさんの方が健康を害している?

 

いえいえ、北海道の冬の死亡率は、47都道府県で最下位なんです。

 

北海道だけでなく、秋田や青森も、家の断熱が進んだ地域のため、
住宅内の温度差が少なく、
血管系の死亡リスクが低くなる傾向があるんです。


今回は、住宅の寒さが人に与える健康被害と、その対策方法についてのお話しです。 
 
 

・比較的温暖な県ほど冬季死亡増加率が高い!

 
下のグラフは、毎年厚生労働省が発表する人口動態統計(2014年)を、都道府県別・月別・死因別にグラフ化したものです。

 都道府県別冬の死者
 
寒いはずの北海道ですが、冬季死亡増加率は10%と、47都道府県で一番低い値となっています。
一方、比較的温暖な栃木県の冬季死亡増加率は25%と、北海道の冬季死亡増加率より2倍以上も高く、また全国平均17.5%に対しても、高い数値となっており、不名誉な全国一位を獲得しています。
 その他、冬季死亡増加率の低い県は、秋田・青森・新潟など、寒い県が多く、冬季死亡増加率の高い県は山梨・愛媛・三重など温暖な地域が続きます。
 
また死因については「心臓疾患」が一番多く、次いで「脳疾患」「呼吸器疾患」と続き、血管系の疾患が多いことがわかります。
 
では、なぜ寒い冬に、寒い地域の死亡率が低くなり、暖かい地域の死亡率が高くなるのでしょうか?
 
 

・高断熱住宅は健康効果に大きな影響がある!

 

 高断熱住宅と死亡率の関連
上のグラフを見てください。
 
むかって左側が、先ほどの冬季死亡増加率を、色別に分けたものです。
赤や黄色で塗られた県は、冬季死亡増加率が高く、反対に、緑で塗られた県は、冬季死亡増加率の低い県です。北海道や日本海側の寒い県で、冬季死亡率が低くなっているのが理解できます。
また、温暖な県のなかでは、広島も緑に塗られていて、冬季死亡率が低くなっていることがわかります。
一方、むかって右側のグラフは、「高断熱住宅(断熱材をしっかり入れて造った住宅のこと)」の普及率を、都道府県別に色分けしてあります。
赤や黄色で塗られた県は、高断熱住宅の普及率が低く、反対に、緑で塗られた県は、高断熱住宅の普及率が高い県です。北海道や日本海側の寒い県で、高断熱住宅の普及率が高くなっているのが理解できます。また、広島も緑に塗られていて、高断熱住宅の普及率が高くなっていることがわかります。
 
もう、おわかりですね。
つまり、断熱材をしっかり入れて造った高断熱住宅では、冬の死亡率が低くなるのです。
家の断熱化が、部屋同士の温度差を少なくし、また一定気温で暖かくすごせることから、血圧を一定に保ち、心臓や血管などの循環器疾患を引き起こしにくくするわけです。


 
高断熱住宅と病気の減少率

高断熱住宅の健康効果は、これだけにとどまりません。
上のグラフは、高断熱住宅に転居する前と後に分け、どれだけ患者数が減ったかを表したものです。
とくに、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎など、アレルギー疾患が減っています。
これは、断熱化によって結露が改善し、アレルギーの原因であるカビやダニなどの室内環境が改善した効果の表れと、判断できます。

 

 ・断熱化にはプラス100万円。それでも費用対効果はある!

 
高断熱住宅の費用対効果
では、住宅断熱化の費用対効果は、どのくらいになるのでしょうか?
上のグラフは、「住宅断熱化の投資回収年数」と、「健康利益」をあらわしたもの(慶應義塾大学理工学部/伊香賀俊治教授、建築環境・省エネルギー機構/村上周三理事長)です。
 
一般的な新築戸建て住宅(35~40坪)を断熱化した場合、プラスする費用は、およそ100万円です。
その100万円を「断熱化による光熱費の削減」という視点からのみ見ると、回収には29年かかります。しかし、断熱化による「疾病予防」や「個人が負担する医療費の削減」という観点からみれば、その投資回収は16年に短縮されます。さらに、行政庁が負担する医療費の削減という観点も加味すれば、投資回収は11年に短縮されます。
高断熱住宅の普及により、社会全体の総医療費が減れば、健康保険料や税金の減額にもつながり、結果として、健康面・金銭面のメリットを受けられるということになり、その費用対効果が高くなります。
なによりも、服薬や長期入院して手術や点滴をするのは嫌ですよね?
 
 
 
いかがでしたか?
 
壁や天井・床に入っている断熱材ですが、目に見えない部分だけに、軽く考えがちです。
しかし、断熱材がきちんと施工されていない住宅は、ときに命の危険をもたらす重大な疾病をも引き起こします。
住宅を新築・改築するときは、目には見えない「家の断熱化」にお金をかけることが大切です。
 
(しかまのりこ)
 
 
*一般財団法人/建築環境・省エネルギー機構
http://www.ibec.or.jp/GBF/doc/sem_05th_16.pdf 
*論文「健康維持がもたらす間接的便益を考慮した住宅断熱の投資評価」/伊香賀俊治教授ほか
https://www.jstage.jst.go.jp/article/aije/76/666/76_666_735/_pdf
*挿入したグラフはグリーン建築促進フォーラム月例セミナーによる

 

 

2019年02月12日 15:42

イライラするのは住まいが原因!狭い賃貸でもできる・・・ストレスフリーな部屋づくりのポイント

 

インテリア/模様替えのお悩みで多い項目の一つに

 

「リビングがくつろげない」

「なにをするのもストレスフル」

 

というものがあります。

 

くつろぐためのリビングなのに、ストレスフルなんて悲しいですね。

 

でも、動線の整理と家具は位置を見直すことで、意外と簡単に、ストレスフルな間取りは変えることができます。

今回は、間取り相談によせられた事例をもとに「ストレスフリーで生活しやすい、快適部屋づくり」についてお話しいたします。
 

・人の動く「動線」の間違い

 
ご相談にいらした方は、30代女性、家族構成は、ご夫婦と1歳になる赤ちゃんがいらっしゃいます。
家の間取りは、LDK+洋室・寝室の2LDK賃貸マンションです。
 
「LDKでは、何をするにもストレスフル。ご飯を食べるのも、動くことも、赤ちゃんのお世話をするのも、イライラして疲れてしまう。何か良い方法はないか」というご相談でした。

 
ビフォー( 動線の間違い)_コピー

LDK間取り図を見てください。
 
人が動くラインを「動線」といいます。
この動線ですが、動線同士がぶつかったり、またはなにか障害物にぶつかると、当然ですが不便です。
イライラのもとですね。
こちらのLDKの動線を見てみましょう。
 
廊下からお部屋に入って、リビングへ移動する①の動線が、ソファーにぶつかっています。
つまり、このソファーをよけて、リビングへ入らないといけません。
 
また、リビングから寝室へ移動する②の動線ですが、テーブルやオットマンがあるため、寝室へは大変入りずらくなっています。
 
キッチンからリビングへ移動する③の動線ですが、この動線自体は問題ありません。
しかし、広くないキッチンに、リビングへ向かう①と③の2本の動線があることによって、キッチンを狭くしてしまいます。
 
 

・家具の間違い


家具の配置や寸法を間違えると、何をするにも不便で、イライラがたまります。
また、動きにくくいため身体を家具にぶつけたり、危険なこともあります。

 ビフォー(家具の配置の間違い)_コピー
 
LDK間取り図を見てください。
 
キッチンカウンターの背面に設置された①分別ストッカー(ごみ箱)ですが、キッチン台でのお料理で出たごみを、捨てるにはとても不便です。
また、ソファーとキッチンカウンターの間も、この分別ストッカーがあるため、狭くなっています。そのため、身体がソファーか分別ストッカーに、ぶつかりやすくなっています。
 
②でしめしたソファーとテーブルの関係も、大きな問題でした。
スペース的にダイニングテーブルが置けないため、ソファーにリビングテーブルでお食事をされていらっしゃいました。
しかし、ソファーの高さに対し、テーブルの高さが高かったため、お食事がしずらいという状況でした。
 
お食事のしやすい椅子座面とテーブルトップの高さの関係は、その差が27~30㎝です。
しかし、この数値は椅子が硬めの場合でして、ソファーの場合は座面の沈み込みが3~6㎝以上ありますので、数値は22~25㎝と変わってきます。
 
こちらのお宅では、ソファーの座面の高さは、座ってないときは38㎝。
一方、テーブルトップの高さは65㎝。
その差は 65㎝-38㎝=27㎝ ですが、
ソファーの沈み込みを考えると、その差は沈み込んだぶん増えます。
沈み込みを、約5㎝ とすると、ソファー座面とテーブルトップの差は
27㎝+5㎝=32㎝ となります。理想的な27~30㎝に比べ、テーブルが高いということがわかります。
テーブルが高いと、腕を上げて食事をすることになり、食事の度に、たいへん疲れやすくなるわけです。
 
③のスペースは、お父様がTVをみながら、赤ちゃんを遊ばせていらっしゃいました。
しかし幅2m×奥行1.2m程度しかなく、また、テーブルやベビーベッドがあるため、赤ちゃんにはケガのしやすい危険な環境でもあります。
 
 

・収納の間違い

 
収納家具の選択を間違えると、収納に面積ばかりとられて、思ったような収納量を確保できません。収納量が足りないと、物が片付かないばかりでなく、散らかっている状況はメンタルにストレスをうけます。


ビフォー(収納量の間違い)_コピー 
LDK間取り図を見てください。
 
キッチンワゴンやカラーボックスなどの収納家具を、きちんと壁に配して並べられていらっしゃいます。
しかし、どの収納も高さがないため、面積をしめているわりには、十分な収納量が確保できていない状況です。
 
 

まとめ:動線の整理と、家具の種類・配置を見直そう
 

キャプチャ_コピー
動線の整理と、家具の種類・配置を見直し、以上のような問題点を、改善してみました
 
①高さのあるキッチン収納棚やリビング収納を採用し、収納量を確保するとともに、こまごました家具を整理整頓
 
②家具を右側のみに配置し、スムーズな動線を確保
 
③家具の配置を変えたことにより、赤ちゃんのための広くて安全なスペースを確保
 
④キッチンカウンターはL字に配し、動きやすさを実現。また邪魔だった分別ストッカーは、キッチン台背面にあるキッチン収納棚の最下部に設置。
 
⑤テーブルの高さにあったソファーを選び、食事のしやすい環境を確保
 
収納ビフォー全体_コピー
ビフォー
収納アフター全体_コピー 
アフター 
 

いかがでしたか?
 
今の住まいに、何らかのストレスを感じているようであれば、
動線や、家具の種類・配置を見直してみてください。
きっと、ストレスフリーで快適なお部屋にすることができますよ。
 
(しかまのりこ)



 

2019年01月08日 22:06

家具を置くスペースがない?家を選ぶときには避けたい・・・部屋が片づかない間取りとその解決方法

家を建てるとき、意外と後回しにされるもの・・・なにかわかりますか?

 

意外には意外、収納スペースなのです。

住んでから困ることは十分わかっているはずなのに、

 

なぜ?と思われるかもしれませんが、建築段階では、みなさん

 

「より広い リビング ダイニング」

「より広い 寝室」

「多くの子ども部屋」

 

を求めるため、収納スペースを削ってしまうのです。

「LDKが16畳より18畳のほうが、広くてよさそう」と思ってしまうのは、仕方のないことですよね。。

 

造り付けの収納スペースがなくても、収納を増やすには、あとから家具を置けば良いわけですから。


しかし、あとから家具を増やすことができない間取りがあるって、知っていますか?

家具を増やすことができないと、収納に困ることは目に見えています。

 

 

今回は、部屋が片付かない・収納ができない「部屋が片づかない間取り」についてのお話しです。
 
 

・窓が多く、壁が少ない間取り

 
 
窓が多く、壁が少ない間取り」は、家具の配置が難しく収納が困難になりやすいため、片付かない間取りとなります。
窓が多いということは、開放的になりますが、一方で、壁が少ないということです。
当然ですが、壁が少ないということは、収納家具などが置けないということです。
 
収納家具が置けないと、物を片づけることは物理的に不可能ですよね。
そこで、「窓が多く、壁が少ない間取り」の場合は、使える壁を最大限利用するように、家具を配置しなおします。


 SUMAI記事用3ビフォー平面図_コピー

こちらの図面は、都内の高級タワーマンションの図面です。
角部屋に当たるため、窓が多く開放的な空間に設計されています。
 
赤○で囲った部分は、窓や襖のため家具を置くことができません
 
オレンジ○で囲った部分は、腰窓のため、腰窓下までの収納しか確保できません
 
緑○で囲った部分には壁があります。
しかしこの壁の部分は、「廊下からリビングに入る」または「ダイニングからリビングに移動する」という「動線」とぶつかるため、家具を置かないほうが良いゾーンです。
 
つまり、このプランの場合、青○で囲った壁の部分にしか、家具は置けないということになります。
 
しかし、TVアンテナの位置からTVはバルコニー側に固定されてしまい、それに伴いソファーは壁に沿って置かれていました。
壁のスペースがソファーによって奪われてしまっていたため、収納家具が十分に置けず、片づけにくい空間になっていました。

 
SUMAI記事用3平面図_コピー
そこで、TVとソファーの位置をいれ変え、収納家具を、青○で囲った壁に沿って置きました。
これでリビングに、収納家具をプラスすることができますね。
 
またダイニングにある青○の壁の部分には、いまある収納だけでなく、天井方向への高さのある収納をプラスして、収納面積を増やします。
このことにより、収納量は以前より大幅に増やすことができます
 
 

・各部屋や廊下ごとに、適正サイズの収納がない間取り

 
 
「各部屋や廊下ごとに、適正サイズの収納がない間取り」も、片付けに困る間取りです。
各部屋に収納があっても、それが適正なサイズでなくてはいけません。
適正なサイズとは、「その部屋で収納予定しているものが、きちんと納まるサイズ」のことです。
 
例えば、子ども部屋には、教科書・参考書などの勉強道具をはじめ、部活道具や制服・洋服などを収納します。その他、かさばる布団類や、漫画・雑誌、趣味のコレクションなども収納しますよね。
これらのものがすべて納まるのは難しいかもしれませんが、少なくとも布団類や洋服はこの部屋の中で収納できないといけません。
子供部屋には、お部屋の広さには関係なく、1畳程度(幅169cm・奥行き78cm)のクロゼット・押入れなどの収納スペースをお勧めしています。

SUMAI記事(収納)平面_コピー 
こちらの図面は、大手ハウスメーカーで新築計画中の戸建て住宅です。
各部屋に収納もあり、また2階に「納戸」も配置され、きちんと収納を確保しているように見えます。
 
 
赤○で囲ったクロゼット部分は、奥行寸法が78cmあるため、ハンガーパイプが前後2本かけられます。
しかし幅の寸法が120cmのため、洋服や布団は納まったとしても、雑誌や漫画・本などは収納できない可能性があります。
そのためには、扉の位置をずらして収納の幅を広げます。
 
オレンジ○で囲ったクロゼット部分は、幅の寸法が169cm確保されていますが、奥行きが55cmです。
ハンガーパイプにかけた洋服の幅は45cm~55cmですので、このクロゼットは洋服がなんとか納まる寸法です。
洋服がしわにならないためには、奥行き65cmは確保しましょう。
 
また、このプランでは、緑○で表示した廊下の部分に収納がありません。
廊下には、小さくても収納を設置すると、「廊下掃除用のクイックルワイパー」などの掃除グッズや物干しグッズなどが収納できて、大変便利です。
納戸の一部を削って廊下からアクセスできる奥行40~45㎝ほどの収納をつくりましょう。
 
 
いかがでしたか?
今住んでいる間取りを見直せば、収納量は確実に増やせます。
またこれから家を建てる人は、収納予定にあわせた適正サイズの収納を、プランに盛り込むと、収納で後悔することがなくなりますよ。
 
(しかまのりこ)
 
 

2018年12月26日 16:50

子育てしやすい、子供の成長に合わせた住まいの整え方

住宅を購入する場合、10年後20年後までの生活を考えて選んでいますか?
いまは小さい子どもですが、成長に合わせ、住まい方や間取りを、いまの住いで工夫する必要があります。
今回は子どもの成長、家族の変化にあわせて間取りを工夫する方法について、一般的な3LDKを想定してお話しいたします。

 

・乳児~幼児期
 

子どもが乳児から幼児の時期は、とくにスキンシップの大切な時期です。
また、上の子、下の子それぞれに一部屋といった年齢ではないので、生活の主体はLDKと寝室が主体となってきます。
マンションの3LDKなどでは、LDKに洋室または和室が隣接している場合が多いので、その場合は、
LDKにベビーベッドを置き、洋室または和室に布団を敷いて親子3人で就寝することになります。 
お父さんお母さんは、夜泣きなど大変ですが、少しの間と割り切って一緒のお部屋で休みましょう。
 

・ 小学生

 
子どもが二人とも小学生の時期は、まだそれぞれに個室を与えず、一部屋を兄弟姉妹の就寝スペースとして利用します。
また、学習スペースは、LDKの周囲など、両親の目が届くところに設ければ、家事や雑用の合間に、子どもの様子を見ることができます。
学習スペース・就寝スペースを二人で使うことにより、思いやりや協調精神をはぐくみ、子どもの成長につながります。
工夫の一つとして、二段ベッドは、シングルベッドを2段に重ねたタイプの物を購入しましょう。後で、子ども部屋を分けたときに、買い替える必要がなくなります。
同じ理由で、学習スペースに置く勉強机や椅子も、長く使えるよう、成長に合わせて高さが変えられるシンプルなものを選びましょう。大学生・社会人まで使えるものが、ベストです。
 
 

思春期~受験期


 小さな頃には、両親のそばにいる時間が長かった子どもも、思春期になれば、それぞれのプライバシーに配慮しなくてはなりません。また受験に備え、集中して勉強できる体制を整えてあげましょう。
兄弟姉妹それぞれの洋室に、机とベッドを整え、勉強と就寝を一室で出来るようにしましょう。
工夫の一つとして、子ども部屋のカーテンは、派手なキャラクターなど、子どもデザインのものは避けた方が無難です。
後でこの部屋を、別の家族が使ってもおかしくないよう、オーソドックスで丈夫なカーテンをお勧めいたします。
 
また、住宅購入後、15年近くになっているので、マンションの場合は大規模修繕、戸建ての場合は第一回目の住宅補修・設備交換時期に来ています。
見た目はだいじょうぶだからといって、この時期にきちんとメンテナンスしないと、後で雨漏りなど取り返しのつかない事態になりがちです。
教育費もかかる時期ですが、きちんと修繕・交換・補修費用を、早いうちから積み立てておきましょう。
 
 

大学生~社会人

 
 子どもの成長は早く、受験や就活を終えると、大学生や社会人になります。入学や就職先により、早い子では大学生になると家をでてしまいます。
子ども部屋だった部屋は、フリースペースとして、ほかの家族の書斎や趣味のお部屋として、自由に使うことができます。
 
 

・独立~夫婦二人の生活
 

 子どもが社会人になり、それぞれの伴侶を見つけ世帯を持つと、夫婦二人の生活が待っています。
また、ご主人・奥様も定年を迎え、ゆっくりとした第二の人生を始める方も多いでしょう。
子ども部屋だったすべての部屋が空くことにより、フリースペースとして、書斎や趣味のお部屋にすることはもちろん、サロンや個人オフィスなどとして、お仕事をすることも可能です。
また、住宅購入後、30年近くになっているので、マンションの場合は大規模修繕、戸建ての場合は第二回目の住宅補修・設備交換時期に来ています。
今後も住み続けられるよう、退職金などを計画的に使い、住宅の修繕・交換・補修を行いましょう。
 
いかがでしたか?
家族の成長とともに、お部屋の使用目的を変化させるだけで、
家具の買い替えを少なく、今ある間取りで対応することができます。
当事務では、「部屋をおしゃれにしたい」「2LDKの間取りに3人の子ども部屋をつくりたい」「勉強に集中できる子ども部屋をつくりたい」「健康的で快適な住まいにしたい」など、住まいの問題の解決プランをご提案しております。
詳しくはHPをご覧くださいませ。

2018年10月12日 16:47

3LDKをどう使う?子どもの成長/独立、家族の変化にあわせた間取りの使い方

住宅を購入する場合、10年後20年後までの生活を考えて選んでいますか?
住まいは、子どもの成長に合わせ、使い方を工夫すれば、高額な住まいの買い替えをしなくても暮らすことができます。
今回は子どもの成長、家族の変化にあわせた間取りの工夫について、一般的な3LDKマンションの間取りをもとに、お話ししたいと思います。
 
 

 1、子どもが誕生:マンション購入
 

 日刊sumai間取りビフォーアフター1_コピー

新築マンションを購入したと仮定します。物件概要と購入者の設定は、以下のようになります。
 
・3LDK 71.30㎡ 新築マンション
・夫33歳 妻31歳 長女3歳 長男1歳
 
洋室(1)は、夫婦の主寝室として、ずっと使います。
使い方が変わっていくのは、洋室(2)と和室になります。
 
子どもが乳児から幼児の時期は、とくにスキンシップの大切な時期です。
また、上の子、下の子それぞれに一部屋といった年齢ではないので、生活の主体はLDKと寝室が主体となってきます。
赤ちゃんの様子を、いつも確認できるように、LDKにベビーベッドを置きます。
またLDK横の和室に布団を敷いて、長女と夫婦、親子3人で就寝します。
ぐっすり休みたいときは、夫婦のどちらかが主寝室(洋室(1))で休めば、疲れも取れやすいでしょう。
 
この期間の注意点としては、洋室(2)など、まだ未使用なお部屋があることです。
未使用なお部屋があると、その部屋を収納部屋として使ってしまい、物が増えていく傾向になります。
いざお部屋を使うとなったときに、それまで収納していた物の行き場がなくなりますので、気を付けてください。
 

 2、子どもが小学校入学:マンション購入7年後~14年後
 

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左の間取りは、マンション購入から7年後、子どもたち二人が小学生の時期です。
子どもが二人とも小学生の時期は、まだそれぞれに個室を与える必要がありません。
1つのお部屋を兄弟姉妹で使わせることにより、我慢することや協調性・思いやりといった感情を幼いころから自然に育みます。
洋室(2)は、兄弟姉妹の寝室として使います。
ベッドは、上下に分けられるタイプの2段ベッドを使用し、後で子ども部屋でも使えるようにすれば、買い替えなどの無駄が省けます。
また、洋室(2)のカーテンは、後でこの部屋を、別の家族が使ってもおかしくないよう、シンプルな柄で丈夫なカーテンをお勧めいたします。
 
兄弟姉妹の洋服は、クロゼット(足りない場合はチェストなどをプラス)を使い、子ども達に収納方法などのルールを決めさせ、任せてみましょう。
 
和室は、間仕切り扉を開放し、リビング学習スペースとして使います。
LDKに隣接しているため、両親の目が良く届き、家事や雑用の合間に、子どもの様子を見ることができます。
 
和室に置く勉強机や椅子は、長く使えるよう、成長に合わせて高さが変えられるシンプルなものを選びましょう。大学生・社会人まで使えます。
 
和室には、勉強机のほか本棚・収納などを置きます。押入れが少しでも開いていたら、カラーボックスなどを置き、学校用品の収納場所として利用するのも良いでしょう。
 

一方、右の間取りは、マンション購入から14年後、子どもたち二人が受験の時期です。
 
子どもが中学生・高校生の、思春期になれば、それぞれのプライバシーに配慮する時期です。また受験に備え、集中して勉強できる体制を整えてあげましょう。
いままで一緒に使っていた和室および洋室(2)を、兄弟姉妹それぞれにあたえます。机とベッド・チェストなどを移動し、勉強と就寝・収納などを一室で出来るようにしましょう。
 
この期間の注意点としては、住宅購入後、15年近くになっているので、住宅の補修・修繕時期に来ているということです。
補修・修繕のための修繕積立金は、計画的に積み立てられているはずですが、滞納者や災害など、想定外の臨時徴収をされることがあります。
教育費もかかる時期ですが、住宅も修繕時期にかかるということを念頭に、子どもが幼いうちから「住宅準備金」などの積立を行っておくと、ゆくゆく困りません。
 
 

 3、子どもが独立:マンション購入20年後~30年後
 

 日刊sumai間取りビフォーアフター3_コピー

左の間取りは、マンション購入から21年後、子どもたち二人が大学生~社会人の時期です。
 
この時期になると、子どもたちのどちらかは家を出ている場合が多く、子ども部屋だった部屋が、フリースペースとして使えるようになります。
夫婦趣味のお部屋や書斎として、使っても良いですね。
この間取りでは、長女が社会人になり家をでたため、LDKに面した和室をフリースペースとして使い、洋室(2)は、大学生である長男の部屋として使っています。
 

一方、右の間取りは、マンション購入から28年後、子どもたち二人が完全に独立し、夫婦二人だけの生活がはじまった間取りです。
ご主人・奥様も定年を迎え、ゆっくりとした趣味を満喫する生活を送る方、または自宅で起業する方など、第二の人生を始める方も多いでしょう。
子供たちが全員独立したため、子ども部屋であったすべての部屋がフリースペースとして使えるようになります。
書斎や趣味のお部屋にすることはもちろん、サロンや個人オフィスなどとして、お仕事をすることも可能です。
この間取りでは、長男が使用していた洋室(2)をご主人のオフィスとして、和室は奥様の趣味のお部屋として使っています。
 
また、住宅購入後、30年近くになっているので、マンションの場合は2回目の大規模修繕時期に来ています。退職金などを計画的に使い、室内をシックにリフォームするなどをして気分を変えてみるのも良いですね。
 
 
いかがでしたか?
住まいを工夫し、適切なメンテナンスをすれば、家族の成長や変化にも対応でき、いつまでも快適に暮らすことができます。
また、家を大切に使い続けることは、地球にも優しい、究極のエコにもなります。
 
子どもの成長、家族の変化にあわせた、効果的な住まいの工夫、取り組んでみてくださいね。
 
 当事務では、「部屋をおしゃれにしたい」「2LDKの間取りに3人の子ども部屋をつくりたい」「勉強に集中できる子ども部屋をつくりたい」「健康的で快適な住まいにしたい」など、住まいの問題の解決プランをご提案しております。
詳しくはHPをご覧くださいませ。

 

2018年10月07日 16:39

あと付けできて、劇的に暮らしやすくなる!お役立ち住宅設備ベスト3

毎日の生活で、住まいに関する不便や不満って、必ずありますよね。

不便や不満は多少ガマンするとしても、場合によっては火事など災害の危険性も。

今回は、コストもそれほどかからずあと付けできて、劇的に暮らしやすくなる住宅設備のベスト3をご紹介します。
 

1位 「自動照明」なら消し忘れなしで省エネにも!

人が近づくと作動する「人感センサー付き自動照明」は、玄関やトイレ、洗面室やクローゼットなど、照明を短時間点灯させる場所や、消し忘れが多い場所に適しています。

 

玄関など、ドアを開けると自動で照明がつくのは便利で安全ですし、トイレや洗面室など、その部屋に入っただけで照明がつくのは、とても快適です。

またスイッチも触らず衛生的で、照明の消し忘れもありません。LEDなので、光熱費も経済的です。

もちろん明暗センサーもついていますので、日中の明るいときに人を感知しても点灯しないため省エネです。

 

この自動照明には以下のように、4つのタイプがあります。

  1. 照明器具にセンサーが内蔵されたタイプ
  2. 照明スイッチにセンサーが内蔵されたタイプ
  3. 天井や壁にセンサーが別に設置されたタイプ
  4. 電球にセンサーが内蔵されたタイプ

人感センサーを壁や天井に設置するのは配線工事もありますから難しいですし、照明器具や照明スイッチの交換は、コスト的にもお手軽ではありません。

そこで活躍するのが電球にセンサーが内蔵されたタイプです。

このタイプは、照明器具の電球を交換するだけで、人感センサー付きの照明に早変わりします。

お値段もLEDタイプで1500円~3000円台と、普通のLEDランプと変わりません。

 

2位 「自動水栓」は節水できて衛生的

手を近づけるだけで、水や温水が出る「自動水栓」はとても便利です。

洗顔時や手を洗うときの無駄な水の出しっぱなしをなくし、蛇口の閉め忘れも防げます。

汚れた手で水栓を触ることもなくなりますので、細菌や汚れの付着も防げるため、たいへん衛生的です。

またお年寄りや小さいお子様など、手の力が弱い方の操作にも有効です。

 

この自動水栓には以下のように、2つのタイプがあります。

  • 水栓(蛇口)にセンサーが内蔵されたタイプ
  • 水栓(蛇口)にセンサーを取り付けるタイプ

水栓(蛇口)にセンサーが内蔵されたタイプのものは、美観も良く性能も良いのですが、水栓ごと交換する必要があるため、高額かつ専門の水道業者に依頼しなければいけません。

しかし、水栓(蛇口)にセンサーを取り付ける後付けタイプであれば、簡単に今お使いの水栓が、自動水栓に早変わりします。

洗面台やトイレ、キッチンや浴室など、水を出しっぱなしにしやすい水栓に検討する価値がありますね。

 

3位 トラッキング火災予防に!「タイトラキャップ」

テレビやビデオ・パソコン、また冷蔵庫・電子レンジなどの電化製品は、コンセントを差しっぱなしにしていますよね。

コンセントにほこりがたまるとトラッキング現象が起こり、火災が発生します。

トラッキング現象とは、差しっぱなしにしたコンセントにほこりが付着し、そこにわずかな電流が流れることにより、突然コンセントから発火する現象です。

発火したコンセントは、周りに引火物があればトラッキング火災を引き起こします。

 

この怖いトラッキング火災を防げるものとして有効なものが、「タイトラキャップ」です。

タイトラキャップをコンセントにかぶせるだけで、ほこりが入ってもショートしないようプラグを絶縁させるので、トラッキング火災を未然に防ぐことができます。

使い方は簡単で、タイトラキャップをコンセントに装着するだけです。このひと手間で、火災という不安から解放される優れものです。

 

いかがでしたか?

生活を便利にしたくても、リフォームまでは、予算の関係もあってなかなか踏み切れませんよね。

今日ご紹介した住宅設備なら、お手軽でコスパも最強です!

もうすぐお盆休み。この機会に、自宅を少し快適にしてみませんか。
 

(しかまのりこ)

 

【参考】

※ パナソニック(自動照明)

※ IDEX(自動水栓)

※ サンワサプライ(タイトラキャップ)

2018年07月26日 20:52

光熱費がかかりすぎる、雨漏りした…など、絶対に避けたい!失敗間取りのNGポイント4つ

自宅を計画する際に、一番最初に悩むのが間取りだと思います。
「広くて明るいリビングがほしい」「家事のしやすい間取りにしたい」・・・希望はつきないと思います。
しかし、家を建ててから、「失敗した!」「欠陥住宅では?」と後悔する住宅は、間取りが原因になっていることが多いのです。
今回は、筆者に寄せられる相談のなかで特に多い、「失敗間取り」についてのお話しです。
 

・光熱費がかかりすぎの間取り


間取りのミスで多いのが、「光熱費がかかりすぎる」間取りです。
吹き抜け、リビング内部の階段室、出窓、は、そこに空間/気積があるので、余計に光熱費がかかります。
「うちは高断熱だから、光熱費は、さほどかかりませんよ!」というメーカーの言葉を信じて、吹き抜けを造ったけれど、寒いし暑いしで困っているという声をよく聞きます。
また、モデルルームなどでよく見かける、階段室や廊下に面した「フリールーム」は、広々として憧れますが、空間を広く見せるためのものであって現実的ではありません。

日刊sumaiビフォー(フリールーム)間取り図1_コピー


間取り図1をご覧ください。
こちらはご相談に持ち込まれた間取り図です。リビングに流行りのスケルトン階段が配置されています。
1階LDKは19畳、階段室の気積は4畳、それに隣接して2階フリースペースが5.5畳と廊下2畳と空間はつながっています。
つまり1階LDK19畳を冷暖房するのに、実際には30.5畳の冷暖房を行っているということになります。11.5畳もの光熱費が余計にかかることになります。
 

・玄関ホールや廊下が広すぎる間取り
 

光熱費に続いて多いのが、「玄関ホールや廊下が広すぎる間取り」です。
玄関ホールは、ある程度の広さがないと、家自体がみすぼらしく見えます。
また廊下も、プライバシーの確保という点で、最低限は必要です。
しかし、間取りの取り方によって、玄関を広く見せ、また廊下の必要最低限は変えられます。

日刊sumai①ビフォーアフター( ホールが広い)_コピー
こちらの間取りは、間取り相談に持ち込まれたものです。
家の延べ床面積に比べ玄関ホールが大きいため、リビングが小さくなっていました。

そこで、全く同じ床面積で、間取りを変えてみました。
広すぎるホールが4.2畳から、ホール・廊下合わせて3畳になりました。
またホールを狭くしたぶん、リビングを広くし、配置も変えたためLDKは16.2畳から21.2畳と広くなり、
家族のちょっとしたワーキングスペース(家事や仕事、勉強・工作をする場)を作ることが出来ました。
 

・耐震的に問題のある間取り
 

家の耐震性は、構造計算上は筋交いや金物・壁量などによって決まってきます。
しかし、建物の形によっては、その構造計算に影響を与え、また想定外の地震力に対し耐力を失いやすくなります。
一般的には、上下階が全く同じ形の正方形や、短辺と長辺のさがあまりない長方形が地震には強く、凹凸のある間取りは力の偏心が起こりやすく、地震に弱いです。
・雨漏りしやすい間取り
雨漏りは、一度発生すると、がん細胞のように、その被害が建物に広がっていきます。大工事になる前に早めに止めることが、とても大切です。
雨漏りの原因場所として多いのが「トップライト(天窓)」「出窓」「バルコニー」です。
トップライトは、普通の窓に比べ3倍もの明るさを確保できるため、狭少住宅や隣地との空きがない住宅密集地には人気の窓ですが、本来は屋根であるべき場所に設置しているため、当然ですが雨漏りリスクが高くなります。
また、バルコニーは、壁との取り合い部分や、床の防水納まりなどのミスから雨漏りのリスクが発生します。
「トップライト(天窓)」「出窓」「バルコニー」を間取りに組み入れるときは、施工実績の豊富な工務店に施工してもらうことが大切です。
 
 
いかがでしたか?
住宅は、一生で一番高いお買い物であるだけでなく、家族を幸せに育み守るための住まいでもあります。
建ててから後悔のないように、間取りは熟慮を重ね、判断してくださいね。
 
(しかまのりこ)
 

2018年07月19日 16:24

リノベーションで後悔しないために!「優良中古物件」の簡単な見分け方

中古住宅を買って、自分好みにリノベーションする人が増加傾向にあります。
また、2016年の首都圏では、新築マンションの供給戸数より中古マンションの成約戸数が多くなりました。

人気のリノベーションですが、無知なまま中古住宅を購入すると、あとで痛い目に合うことも……。

今回は、リノベーションに向く「優良中古物件の見分け方」についてのお話しです。

 

まずは知っておきたい!リノベーションの基礎知識

リノベーション向きの中古住宅をえらぶ前に、リノベーションの基礎知識をおさえておきましょう。

  • リノベーションの費用の相場

中古住宅を買って、リフォーム・リノベーションする場合、その費用の相場はどのくらいでしょうか?

構造や工事の内容にもよりますが、戸建てで500万円から1,500万円、マンションで300万円から1,000万円程度といわれています。

この金額に、中古住宅の購入資金が加算されるわけです。

ですから、適正な中古住宅を慎重に選ばないと、新築住宅より高くなってしまうことがあります。

 

  • 物件によっては、工事の内容に制約がある

大手ハウスメーカーの住宅は、工法によってはリノベーションが難しい場合も。

もし、大手ハウスメーカーの住宅を購入してリノベーションをしたいときは、一般的な工務店で対応するのが難しい場合も。

そのハウスメーカーにリノベーションを依頼するのが無難ですが、費用は割高になるかもしれません。

 

  • リノベーションにも補助金・減税制度がある

新築には、すまい給付金や長期優良住宅減税など、さまざまな減税や補助金制度がありますが、リノベーションにも、多くの補助金や減税制度があります。

補助金や減税制度には、それぞれ適用条件がありますので、お住まいの自治体などで必ずチェックしましょう。

 

リノベーション向き「中古戸建て」のポイント

では、どのような中古の戸建てがリノベーションに向いているのか、そのポイントをご紹介します。
 

・敷地は、巾4m以上の道路に2m以上接していること
「再建築不可」という格安の中古住宅、よく見かけませんか?

住宅の敷地が、接道条件を満たしていないため、その敷地には新しく家を新築することができないというものです。

接道条件とは、住宅の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接しなければいけないという都市計画地域に制定された建築基準法の制約です。

リノベーションは新築ではないため、道路に敷地が接していなくても工事を行うことは可能です。

しかし道路に接していないということは、工事もしづらく、工事費もかさみます。

給排水の配管なども、他人の敷地を通っている場合も多く、工事に隣家の許可が必要などのトラブルも発生します。

また、地震時や火災時の消火活動も消防車や救急車が入れなく、避難・救助にも支障がでます。

 

 

・軟弱地盤はぜったいNG!

建物の乗る敷地の地盤は、最も大切です。

新築であれば、地盤を強く改良する工事ができますが、リノベーションの場合は地盤を改良することができません。

建物をいくら耐震補強しても、地盤が軟弱であれば、地震の力で建物は壊れます。

 

・周辺環境や防犯性の良さ

線路や幹線道路などに住宅が面している場合、交通騒音や排気ガスなどの影響が大きくなります。

健康被害が出るようなものかどうか、隣家や周囲の人に聞くなどして判断しましょう。

また、周辺に荒らされた空き地や空き家などがあると、犯罪の危険性が高くなります。

周辺環境や防犯性の良さが確保されている地域がオススメです。

 

リノベーション向き「中古マンション」のポイント

次は、どのような中古のマンションがリノベーションに向いているのか、そのポイントをご紹介します。
 

・定期的に大規模修繕・補修がされている

マンションは、規模も大きいことから、建物の修繕や補修などの管理が大切になります。

一般的に新築から12年程度の周期で、防水工事・外壁塗装・鉄部塗装などの大規模修繕が行われます。

これらの工事がきちんと行われているかは、大規模修繕記録などで確認します。仲介業者に入手してもらいましょう。

 

・修繕積立金や管理費の滞納がないこと

マンションに住むためには、共用部分やエレベーター設備などの管理費や、大規模修繕のための積立金を納める必要があります。

しかし、マンションの所有者の中には、この管理費や修繕積立金を滞納している人がいます。

その滞納があまりに多くなると、管理に支障がでるだけでなく修繕積立金不足から、建物の十分な修繕ができなくなります。

修繕積立金や管理費の滞納状況は、マンションの管理組合が管理しています。仲介業者に、閲覧または入手をお願いしましょう。

 

ごみ置き場、自転車置き場、メールボックスなどがきちんと清掃、整頓されている

ごみ置き場・自転車置き場・メールボックスなどは、マンションの管理状態がわかるだけでなく、マンション住人のマナーの良しあしもわかる場所です。

きちんと仕分けしてごみが出されている・メールが郵便受けからあふれていないなど、清掃・整頓状況を確認しましょう。



 

いかがでしたか?

リノベーション向き中古物件を選ぶためには、このようにたくさんの注意ポイントがあります。

あせらず、細心の注意を払って、良い物件を選んでくださいね。
 

(しかまのりこ)
 

2018年05月01日 21:27

「住宅展示場」ではどこを見ればいい?超カンタンで効果的な比較ポイント5つ

ハウスメーカーの自慢の商品が、住宅展示場にあるモデルハウスです。どのハウスメーカーも標準以上で豪華に造ってあるので、一瞬で魅了されてしまいますよね
でも、モデルハウスを比較するための確認するポイントをおさえておけば、冷静に自分にあったハウスメーカーを簡単に判断できます。
今回は、モデルハウスを比較するための、見るべきポイントについてのお話しです。
 
 

  • 標準仕様の部分と特別仕様(オプション)の部分を見よう!

住宅展示場のモデルハウスは、部屋の広さや間取りから、食器洗浄機や床暖房・太陽光発電などの設備まで、特別仕様(オプション)で造っているものがほとんどです。つまり、モデルハウスの仕様が、そのまま自宅の仕様になるわけではありません。モデルハウスのどこからどこまでが標準仕様なのか、聞いてみましょう。ハウスメーカーによっては、サッシが断熱性能の高い樹脂サッシや、断熱浴槽が標準仕様のところもあります。標準仕様で建てても、理想の家になるかはとても大事です。
 
  • モデルハウスの坪単価と、標準仕様の坪単価を聞こう!

標準仕様と特別仕様の違いは、住まいの満足度にも影響しますが、建築費用にも反映されてきます。
建築費用は、そのまま予算にも関係してきます。
建築費用を大まかにつかむためには、坪単価というものを使うとよいです。
「このモデルハウスの坪単価と、標準仕様の坪単価はどのくらいですか?」と聞いてみましょう。
その際、建物本体工事のみでなく、建築設備まで含めた坪単価を、聞いてみましょう。
 
例えば、モデルハウスの坪単価が150万円、標準仕様の坪単価が100万円で、
計画している自宅が40坪の場合、
 
自宅をこのモデルハウスと同じ仕様で建てるには
150万円×40坪=6,000万円
自宅を標準仕様で建てるには
100万円×40坪=4,000万円
 
この値段の差が大きいほど、標準仕様の住宅は、モデルハウスとは程遠いものとなってきます。
ざっくりとした計算ですが、イメージは付きやすいと思います。
 
  • モデルハウスの構造を聞こう!

モデルハウスが、RC造や鉄骨造、または木造かなどの構造は確認しておきます。構造の違いは、耐久性や居住性能にも影響してきますが、地震保険や火災保険料にも影響してきます。
一般的な木造は、火災保険料や地震保険料の割引が受けられません。そのため、火災保険などの保険料が木造と非木造(鉄筋コンクリート造または鉄骨造など)とでは、30年で100万円以上保険料が違ってくる場合があります。
もし木造を選びたい場合は、省令準耐火構造など、火災保険などの割引がされる構造を選びましょう。
 
  • 天井高を見よう!

意外と見落としがちですが、各ハウスメーカーによって標準天井高が違っています。
2400㎜から2600㎜が一般的ですが、特別仕様で3000㎜確保しているハウスメーカーもあります。天井高は開放感を生みますが、その分光熱費もかかります。また高い天井は、暖かい空気がたまりやすく、ファンなどで空気をまわす必要も出てきます。
天井高は好き嫌いによるところが大きいので、自分好みの天井高を見つけましょう。
 
  • 断熱材の厚さを見よう!

断熱材とは、壁や床や天井に入っているもので、家の中の温度を一定に保つことができる、すぐれた建築材料です。温度が保てるということで、光熱費の軽減にもなりますし、高血圧や心臓などの循環器系の疾患も防げるという報告もあります。断熱材がきちんと入っていれば、結露も防げ、アレルギー疾患の予防にもなります。
この断熱材ですが、ハウスメーカーによって厚みや種類が違っています。どの断熱材が良いかは、簡単には比べられませんが、最低でも「断熱性能等級4」という住宅性能評価を獲得しているものをお勧めいたします。
 
 
いかがでしたか?
 
GWは住宅展示場のイベントもおおく、おでかけするには良い時期ですね。
自宅を検討中の方は、今回お話ししたポイントを参考に、モデルハウス巡りを楽しんでください。
 
 
(しかまのりこ)

 

 

 

2018年04月28日 16:16