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マンションや狭い間取りの、リビング学習/子ども部屋などにお困りの方へ
書籍『家具配置のルール』著者/各種メディア出演/記事執筆多数の
しかまのりこ(模様替え作家/一級建築士)がインテリア~家具レイアウトをサポートします!

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GWは住宅展示場に行こう!プロが教えるハウスメーカーの選び方(前編)

ゴールデンウィークはどのように過ごす予定ですか?

家を建てたいと考えている方にとって、まとまった休みが取れるゴールデンウィークは、家づくりを勉強するチャンスです。

今回は、家づくりの勉強に欠かせない住宅展示場でのハウスメーカーの選び方についてお話しいたします。

 

■ハウスメーカーは大きく分けて3つのタイプがある

住宅展示場の規模には大小ありますが、平均して20棟程度のモデルハウスがあります。

1棟あたり1時間かけて見学したとしても、とても1日ではまわりきれません。

そこで最初に押さえておきたい項目が、その建物の構造です。

 

ハウスメーカーにはそれぞれ得意としている構造があり、大きく分けて、鉄骨系・コンクリート系・木造系(木質系)の3種類のタイプに分かれています。

それぞれの構造は、地震や火災、耐久性や可変性(間取りの変えやすさ)などにおいて、それぞれ細かな特徴や若干の違いはありますが、家の基本性能はほぼ同じです。

木造は火に弱い」「鉄骨系は寒い」などという概念は昔のものなので、感覚的に好きな構造タイプをあらかじめ選んでモデルハウスを見学しましょう。

 

■ずばり!大手ハウスメーカーの特徴は?

住宅展示場を1日かけて回っても、「どこもいいことばかり言うので、違いがわからない」と迷うことも多いと思います。

そこで住宅検査を行っている筆者が、検査を通じて感じた主要ハウスメーカーのおもな特徴をまとめてみました(敬称略)。

大和ハウス・・・鉄骨系住宅が主流。木造在来工法の商品もある。ZEVOシリーズでは外張り断熱を採用している。

セキスイハイム・・・鉄骨系住宅。「あったかハイム」で宣伝しているように、高断熱な建物に全館空調を採用しているのが特徴。

積水ハウス・・・鉄骨系・木造系、どちらも得意。インテリアの標準仕様が高く、住宅のバリエーションも多い。

パナホーム・・・鉄骨系住宅。都会の狭小な宅地に建てる多層階住宅が得意。

三井ホーム・・・木造系住宅ツーバイフォー工法(枠組み壁工法)を採用。デザインに存在感がある。

ミサワホーム・・・木造系木質パネル工法が主流。大容量収納「蔵」が特徴的。普遍的なデザインを志向している。

 

気になるハウスメーカーは見つかりましたか?

ほかにもたくさんのハウスメーカーがあるので、収納、断熱、省エネ、間取り、可変性(間取りの変えやすさ)など、なにが得意なのか、どこが特徴なのかを営業担当者に聞きながら、モデルハウスを見学しましょう。


 

いかがでしたか?

ハウスメーカーはたくさんあって、一見しただけでは違いや特徴がわかりにくいと思います。

しかし日本のハウスメーカーはとても優秀で、基本性能もほぼ同じなので、自分の好きな構造や特徴で選んでも、失敗することはまずありません。

それでも客観的にハウスメーカーを比較して選びたい場合は、基準となる物差しも存在します。

次回は、ハウスメーカーを客観的に比較し、選ぶ方法についてお話しいたします。

(しかまのりこ)

2017年04月30日 22:56

未来の住宅はこうなる!? 「3Dプリンター」が24時間でつくった驚きの住宅とは?

3Dプリンターと聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?

写真などの情報を読み取り、フィギュアや人体模型など、比較的小さなものを精巧につくることができる3Dプリンター。

しかし、大きな家やビルを簡単に3Dプリンターによってつくることができたなら、私たちはいまより早く安く、簡単に住宅を買えるはずですよね。

今回は、夢の近未来住宅、3Dプリンターでつくった住宅についてお話ししたいと思います。

 

■プリンターの稼働時間は、わずか24時間!

米国・サンフランシスコにあるベンチャー企業のアピスコー社が、2017年2月に3Dプリンターによるコンクリート住宅の施工を実現したと発表しました。

驚きの3Dプリンター住宅は、2016年12月にロシアのスタピノという場所に建設されたコンクリート住宅です。

 

この3Dプリンターによるコンクリート住宅は、延べ床面積38平米の平屋。

3Dプリンター本体を現地に設置し、8.5mまで延ばせるアームの先端からコンクリートを吐出、アームを動かしながら建物の形をつくっていきます。

またコンクリート製の壁には、鉄筋の代わりに棒状の繊維でできた材料を水平方向に入れて強度を高めています。

外壁や床などの構造体をつくり、屋根や窓、断熱材などの施工は後から人が施工しています。

 

建設費用は1万134ドル、日本円で約115万円

またプリンターの稼動や制御に必要な人員は2人で足りるうえに、躯体を構築するプリンターの稼動時間はわずか24時間でした。

 

これまでも3Dプリンターで屋根や壁、柱などの建築部材を製作し、それを建設現場に搬入して組み立てる建物などはありましたが、3Dプリンターを現場に直接設置して、実際の住宅を建設したのは驚きです。

いつかは職人さんもいらなくなる? 近未来住宅の完成ですね。

 

■日本での実現には多くの課題が?

早くて安くて、しかも火災に強く、頑丈なコンクリート住宅。

しかし、日本での実現には多くの課題がありそうです。

その一つが、法律の問題です。

日本には建築基準法という建物と敷地の安全に関する法律がありますが、この3Dプリンターでつくった構造体ではいまの建築基準法に合致しません。

その結果、今のままでは建築の許可が下りないことが予想されます。

 

2つ目は、基礎の問題です。

地震大国の日本では、地震時の地盤の液状化対策などから基礎工事は必須です。

しかし、3Dプリンター住宅では、鉄筋などを組み立てる基礎工事は施工されていません。

 

3つ目は、電気やガス、給水・排水などの住宅設備の問題です。

住宅ですから、多くの住宅設備が細かく施工されますが、今回の3Dプリンターでは配管用の穴の作成や配管・配線の取り付けなどは施工されていません。

住宅設備は手間とお金のかかる部分なので、この部分も人がつくるとなると、住宅の価格も工期も、現状のようにはおさまりません。

また、3Dプリンターが住宅やビルをつくるとなると、失業者が増えるという問題も生まれそうです。


 

いかがでしたか?

日本での3Dプリンター住宅の実現には、まだまだ課題が多いのが実情です。

しかし、認定住宅や規格住宅に限れば、法律などのハードルも超えやすく、安くて早くて丈夫なコンクリート住宅が実現しそうです。

プリンターが家をつくる時代は、すぐそこまで来ているのかもしれませんね。

(しかまのりこ)

 

【参考】

※ Apis Cor

2017年04月24日 22:52

中古住宅は不安・汚いというイメージが変わる!? 国が認める「安心R住宅」

あなたは中古住宅と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

地震の時、壊れないかしら?という「不安」や、設備や内装が古くて「汚い」、今までどのように管理・修繕されてきたのか「分からない」といったネガティブなイメージを持つ方も多いかもしれません。

でも、この「不安」「汚い」「分からない」の部分が解消されたら、手頃な価格で購入できる中古住宅を検討したくなるかもしれませんよね。

今回ご紹介するは、これから中古住宅を購入したいと思っている人には良いニュースです。

 

■中古住宅の流通が、日本でなかなか進まない理由

以前も、「どうして日本は「新築」天国なの?プロが教える、中古住宅3つの見極めポイント」という記事でご紹介しましたが、日本の中古住宅の取引割合は15%程度。

中古住宅の売買が活発な欧米は、アメリカ(83%)、イギリス(87%)、フランス(68%)であることを考えると、とても低い水準と言えます。

戦後、焼け野原となった日本では、住宅不足から「質より量」が求められ、「住宅は建て替えるもの」という意識から、新築重視の木造文化が根付きました。

 

さらに、中古住宅に対する負のイメージ「不安」「汚い」「分からない」が強く、「家を買うなら新築」という意識がなかなか消えません。

しかし、日本は今後、急速な少子高齢化・人口減少という構造的な転換点を迎えており、新築を増やすのではなく、今ある中古住宅を有効に活用することが環境にもやさしく、重要になってきています。

中古住宅の流通を増やすことが、今後の日本の課題となっているのです。

 

■高品質の中古住宅を対象にした認定制度「安心R住宅」

この中古住宅に対する「不安」「汚い」「分からない」イメージを払拭すべく、国土交通省は、新たな認定制度を新設する方針を明らかにしました。

それが「安心R住宅」です。

建築士による建物検査(インスペクション)の実施や、建物情報の開示、基準に適合したリフォームの実施などをおこなった中古住宅に「安心R住宅」という認定マークを与えます。

国が認定マークという一定のお墨付きを与えることで、買い手が安心して中古住宅を購入できるようにしようという狙いがあります。

「安心R住宅」の認定マークが与えられるのは、下記の要件をクリアした中古住宅です。

 

また、中古住宅の情報に関しては「開示が必要な項目」として、下記のような詳細情報の開示を行うこととされています。

 

 

■画期的な制度だが、手間やコストなどの課題も

1戸1戸コンディションが違う中古住宅において、インスペクションの実施や情報開示は、買い手にはありがたいお話しですが、

不動産業者にとっては手間やコストがかかるため、小規模な業者は対応不可能になる場合も出てくると思われます。

また「開示が必要な項目」とされている中古住宅の情報に関しては、すべてが「不明」であっても「安心R住宅」の認定マークを取ることは可能です。

こうした運用面での課題も残っていますが、少なくとも私たち消費者は「安心R住宅」以上の中古住宅を選ぶという基準も持てることから、今までにない画期的な制度となることが期待されています。

 

 

いかがでしたか?

この夏をめどに告示化し、運用を開始する予定の「安心R住宅」。

本格的な実現にはまだ課題はありますが、インスペクションの実施や、建物の情報開示など、消費者が安心して中古住宅を購入できるはじめの一歩となるのは間違いないようです。

 

(しかまのりこ)

 

【参考】

国土交通省『新しいイメージの既存住宅』の情報提供制度について

2017年04月17日 22:42

再配達率が49%→8%に!恐るべし「宅配ボックス」の威力!!

突然ですが、皆さんは「宅配ボックス」を利用したことはありますか?

留守でも荷物を受け取れる、とても便利な宅配ボックス。
宅配ボックスは、その利用者の利便性や宅配業者の過重労働からも、今後さらに活躍の期待が寄せられています。

今回は、宅配ボックスがもたらす、さまざまな効果についてのお話です。

 

■宅配ボックス設置で、再配達率が49%から8%に減少

いまや社会問題になっている宅配業者の加重労働。

その一因として、再配達の多さがあげられています。

この再配達、宅配ボックスを設置することによりどのくらい減少するのでしょうか?


パナソニック株式会社 エコソリューションズ社は、福井県あわら市で共働き世帯を対象として「宅配ボックス実証実験」を行っています。

この実証実験の中間報告で、宅配ボックス設置により荷物の再配達率が49%から8%に減少したと発表しました。

しかも再配達が減少したおかげで、約65.8時間の労働時間の削減と、約137.5kgの二酸化炭素削減ができたそうです。

 

宅配ボックスを設置するなど、再配達を減らす努力が、人にも環境にも優しいことを示した結果となっています。

ちなみに、福井県は全国のなかでも共働き世帯が多い県です。

 

■戸建てでの宅配ボックス設置率は「わずか1%」

人にも環境にも優しい宅配ボックスですが、その設置率はどのくらいなのでしょうか?

 

新築分譲マンションの宅配ボックスは、今ではほぼ標準装備となっており、設置率は100%に近い現状です。

一方、戸建て住宅に限っては、宅配ボックスの設置率はわずか1%

また、設置率の高い分譲マンションでも、1棟あたりの宅配ボックス数が不足しています。

実際、筆者の仕事場であるマンションでも、宅配ボックスの数は全戸数の2割弱なので、宅配物が多い日の午前中には全ロッカーが埋まってしまい、書類の発送や受け取りに困ることもあります。

 

■宅配ボックスつきの戸建て分譲住宅も登場!

国土交通省は、2017年4月から駅やスーパー、コンビニなどの公共的性格を持つ場所に、宅配ボックスを設置する費用の半額を助成する制度を新設しています。

こうした取り組みが広がっていけば、不在時でも自宅以外に荷物を受け取れる場所が増えていきます。

しかし、いまのところマンションや戸建て住宅への補助金は予定されていないようです。

そのような状況のなか、株式会社ナスタ、日本郵便株式会社、大和ハウス工業株式会社は3社で協力し「セキュレアシティ レイクタウン美来(みく)の杜」において、宅配ボックス付きの分譲住宅の販売を開始しました。

この分譲住宅の宅配ボックスでは、荷物の受け取りはもちろん、荷物の発送や「書留郵便物」を受け取ることも可能です。



 

いかがでしたか?

ネット通販や共働き世帯の増加により、激増する宅配物の増加は今後も大きな社会問題となっていきます。

戸建て住宅用の宅配ボックスは30,000円前後(施工費別)からありますので、宅配便を頻繁に利用される方は、検討してみてはいかがでしょうか?

 

(しかまのりこ)

 

【参考】

「宅配便の再配達がない」まちをつくろう。宅配ボックス実証実験

福井県あわら市、パナソニック株式会社による「宅配ボックス実証実験」中間報告

ナスタ、日本郵便、大和ハウス工業の3社は 戸建住宅へ新型宅配ボックス普及促進の取り組みを開始

2017年04月10日 22:48

補助金がもらえる?コスパのいい「エコリフォーム」ベスト3は?

国が進める「住宅ストック循環支援事業」の1つで、エコなリフォームをすると、補助金が国から支払われる「エコリフォーム」制度。

前回は、住宅をそろそろリフォームしたい!

または、中古住宅を購入して住宅性能をUPしたい!

という人にオススメのエコリフォームについてご紹介いたしました。

今回は、比較的少額でできる「補助金を使った、コスパ満足、お得なエコリフォーム」についてお伝えしたいと思います。

 

■エコリフォーム対象のエコ住宅設備は5つ!

補助金が支払われるエコリフォームのなかで、比較的簡易にできるものは、エコ住宅設備の設置です。

つまり、給湯器やトイレなどの設備をエコなものにリフォームするものです。

エコ住宅設備にはおもに下表のような種類があり、それぞれに補助金の額が決められています。

 

補助金エコ設備

この5種類のエコ住宅設備を、補助金を使って設置した場合、どのエコ住宅設備がお得なのでしょう?

 

■堂々の第1位は 節水トイレ!

従来のトイレ(13リットル型)を節水トイレ(3.8リットル)に変えただけで、年間1万5,000円もの水道代が節約できます(4人家族の場合/TOTO調べ)。

節水トイレは激安店などでは工事費込みで7万円程度で購入できますので、補助金を差し引いた実質負担は約4万6,000円。

 

年間1万5,000円もの水道代が節約できるのですから、約3年でリフォーム代金の元が取れてしまいます。

3年目以降は毎年1万5,000円もの水道代が節約されるのですから、とってもおトクですね!

 

■第2位:意外と知らない節湯水栓

節湯水栓とは、無駄な給湯や水道を自動でカットしてくれる混合水栓のことです。
キッチンの混合水栓を節湯水栓に取り換えただけで、年間で109㎏のCo2を削減でき、また水道代とガス代合わせて年間1万円程度の節約になります。

節湯水栓は工事費込みで約5万円程度から設置できますので、補助金を差し引いた場合、約5年程度で元が取れてしまいます。

 

■第3位:ひそかに人気!太陽熱利用システム

太陽熱利用システムとは、太陽のエネルギーを使ってお風呂やキッチンの給湯をしたり、冷暖房するシステムのことで、太陽光発電とは違います。

一般的な都市ガス給湯器から太陽熱利用温水器にリフォームした場合、年間で454㎏のCo2を削減でき、また年間3万5,000円程度の節約になります。

 

太陽熱利用温水器は工事費込みで、約30万円弱で設置できます。

補助金を差し引いた場合、8年程度で元が取れてしまいます。

地球とお財布、双方にやさしいエコリフォームですね。

 

■どのエコ住宅設備の組み合わせが、一番おトク?

エコ住宅設備には、その他に断熱浴槽やエコキュートやエコジョーズなどの高効率給湯器がありますが、設置コストがかなり高額になるため、補助金を利用してもあまりおトク感はありません。

また、補助金を受け取るためには3種類以上のエコ住宅設備の設置が必要で、かつ補助金額の合計が5万円以上でなくてはなりません。

つまり、節水トイレと節湯水栓、太陽熱利用システムの組み合わせが、補助金の支給要件もクリアし、かつ地球にもお財布にもやさしい、ベストなエコリフォームとなります。

 



いかがでしたか?

エコ住宅設備にも、いろいろな種類があり、またコストパフォーマンスも違います。

補助金がおりるこの機会は、おトクなエコリフォームをして、住宅性能をUPするチャンスです。

お得なエコリフォームの申し込みは平成29年6月30日締め切りですので、早めの検討をオススメします。

(しかま のりこ)

2017年02月22日 22:26

これだけはおさえたい!築年数別オススメ「エコリフォーム」

「エコリフォーム」って知っていますか?

国が進める「住宅ストック循環支援事業」の1つで、簡単に言うとエコ(環境や地球にやさしい)なリフォームをすると、補助金が国から支払われる制度です。

つまりおトクに、かつエコなリフォームできてしまうのです。

そこで今回は、今住んでいる住宅をそろそろリフォームしたい!

または、中古住宅を購入して住宅性能をUPしたい!

という人にオススメのエコリフォームについてご紹介いたします。

 

■エコリフォームには、大きく分けて3つのタイプがある

補助金が支払われるエコリフォームには、下記の3つのタイプがあります。

  1. 窓や扉の断熱リフォーム
  2. 壁、屋根・天井、床の断熱リフォーム
  3. 給湯器などの設備をエコなものにリフォーム(3種類以上の設備)

それぞれの工事に関して既定の補助金が支払われ、その補助金は最大30万円/戸(耐震改修を行う場合は45万円/戸)です。

また1~3のいずれかのエコリフォームにプラスして手すりを設置したり、建物の劣化を防ぐ工事や耐震改修などにも補助金が支払われます。

詳しくはエコリフォーム/住宅ストック循環支援事業事務局のサイトをご覧ください。
 

 

■築年数別に分けると、どの組み合わせがおトクでエコ?

補助金が下りるのはとても嬉しいことですが、いろいろなエコリフォームに、それぞれ補助金が決められていて、どのリフォームをすれば結局おトクでエコなのか迷いますよね?

そこで、建築士で家計を預かる筆者がオススメする「築年数別エコリフォーム」の組み合わせを考えてみました。


【1:築10年~築20年未満の中古住宅に住んでいる(または購入して)しっかりエコリフォームしたい人】

まだ築年数も比較的新しいのですが、設備関係が交換時期に来ているので、

補助金がおりるこの機会に給湯器やトイレなどの設備をエコなものにリフォームするのがベスト!

値段も比較的、安く済みます。詳しいお話しは次回。

 

【2:築20年~築30年未満の中古住宅に住んでいる(または購入して)しっかりエコリフォームしたい人】

壁、天井、床の断熱リフォームをしましょう。

住宅性能がグンとUPし、夏は涼しく冬は暖かく快適になります。

まだ家を建ててから一度も給湯器などの設備を交換していなければ、あわせてエコなものにリフォームしましょう。

 

【3:築30年以上の中古住宅に住んでいる(または購入して)しっかりエコリフォームしたい人】

壁、天井、床の断熱リフォームにプラスして耐震改修をしましょう。

昭和56年以降に建てた建物であっても、築年数が経っているので耐震基準は満たしていたとしても、耐震補強は必要です。

断熱リフォームの際に壁や天井も壊すので、耐震工事も比較的割安に済みます。

また、昭和56年以前の建物は、耐震補強をすることが補助金を受け取るための必須条件になるので注意してください。

また、高齢者がいるお宅では、壁、天井、床の断熱リフォームをする際に、手すりの設置や車いすが通れるように廊下を広くする工事も併せて行うと、工事が2度にならなくておトクですよ。

 

■さらに余裕のある人は、窓のリフォームをプラスしよう!

壁、天井、床の断熱リフォームをすると、家は魔法瓶のような状態になります。

つまり、家の中の温度を保とうとするため、冬の暖房・夏の冷房が少ない電力などでよく効くということです。

しかし、窓を断熱していなければ、そこから熱が出入りしてしまいます。

 

窓からはなんと壁の5倍以上もの熱が出入りしているのです。

これでは壁、天井、床の断熱リフォームをしても、窓が多い家だとあまり意味をなさなくなります。

しかし、家全体の窓の断熱リフォームはとても高額になります。

そこでオススメなのは、家族が集まるリビングダイニングや寝室・子ども部屋だけでも、補助金を利用して窓をリフォームすることです!

少ない出費で快適性能がさらにUPしますよ。


いかがでしたか?

住んでいる住宅をリフォームしたい、または中古住宅を購入してリフォームしたい人にも大いに使えるエコリフォーム補助金制度!

このおトクなエコリフォームの申し込みは平成29年6月30日締め切りですので、検討している方はお早めに。

次回は、比較的少額でできる「補助金を使った、簡易でお得なエコリフォーム」についてお伝えしたいと思います。

 

2017年02月19日 22:19

マストチェック!現役検査員が教える「欠陥住宅を防ぐ」3つのポイント

金利も安い今、そろそろマイホームを購入したいと思っている人は多いのではないでしょうか?

 

しかし「欠陥住宅は怖いし……」と思うと、思わずマイホーム購入を足踏みしてしまいますよね。

でも意外と簡単なことで、欠陥住宅は防げるって知っていましたか?

今回は、「必ず成功する欠陥住宅を防ぐ裏ワザ」について、建築現場を基礎から完成まで検査する筆者がお伝えいたします。

 

■そもそも欠陥住宅の定義とは? 増えているの? 減っているの?

欠陥住宅とは、一般的に「建築基準法や関連法規を満たしていない住宅」や「契約設計図書通りに建てられていない住宅」「安全性や使用性・快適性などの観点から通常の生活に支障を来たす住宅」などのことを言います。

 

平成21年10月にスタートした「住宅かし担保履行法」により、建築工事中に第三者の検査員が住宅検査をすることが義務付けられました。

この検査が義務付けられたにもかかわらず、欠陥住宅は減少していません。

また法律や検査の対象ではありませんが、トイレがうまく流れない、断熱材がきちんと入っていなくて結露する・寒い、水の出が悪いなど、使用性や快適性から生活に支障をきたす欠陥も増えています。

 

公益財団法人「住宅リフォーム・紛争処理支援センター」によると、同センターの住まいるダイヤルに寄せられる住宅のトラブルに関する相談は、年々増加しています。

では、我が家を欠陥住宅にしないためにはどうすればよいのでしょうか?

 

■ポイント1:実力のある営業マンを選ぶ

有名な建築家や工務店、大手ハウスメーカーを選ぶなど、漠然と考えている人も多いと思います。

 

しかし、どんな住宅でも担当する営業マンの実力がなければ家づくりは成功しません。

実力のある営業マンは、家づくりに精通していて豊富な知識も持ち合わせています。

そして、施主の細かな要望なども設計士や現場監督・大工などの職人に伝えてくれます。

また、実力のある経験豊富な現場監督や設計士を家づくりの担当に選んでくれます。

家づくりのはじめの一歩は、まさに実力のある営業マンに出会うことから始まるといっても過言ではありません。

 

■ポイント2:経験豊富な現場監督に担当してもらう

現場の工程、材料の発注、職人の手配等を指揮する現場監督は、とても重要です。

経験や知識が豊富なベテラン現場監督でなければ、大工などの職人はなかなか言うことを聞いてくれませんし、家づくりはスムーズに進みません。

欠陥住宅を防ぐためには、現場を把握し適切なマネージメントを行うことができる有能な現場監督に担当してもらうことが大切です。

 

■ポイント3:実力のある職人を手配してもらう

いくら現場監督が優秀でも、指示通りに動いてくれる職人がいなくては、家づくりは成功しません。

 

実力のある職人は、現場がきれいに片付いていることが多いため仕事の段取りが良く、また欠陥となる施工ミスもしません。

しかし最近は高齢化が進み、経験豊かな実力のある大工や職人が不足しています。

欠陥住宅を防ぐためには、実力のある職人を手配してもらいましょう。

 



いかがでしたか?

欠陥住宅を防ぐためには、意外ですが担当営業マン、現場監督、職人の三者がとても大切になってきます。

また、こまめに現場に通って工事関係者とコミュニケーションをとることも必要です。

家を新築する機会には、参考にしてくださいね。

2017年01月19日 22:11

伝達ミスが原因!? 家を建てるときに「最も起こりやすい」トラブルとその対策法4つ

せっかくの夢のマイホーム高いお金を支払うのですから

間違いなく施工してもらいたいと思うのは、当然です

 

しかし、思ってもいなかったミスも起こるのが、住宅工事の現状です

その原因の一つが伝達ミスって知っていました?

 

この初歩的だけれど、なくならないミスを減らせば、理想のマイホームに近づくはずですよ。
今回は、新築時に起こりやすいトラブルと、その対策方法についてお話しいたします。
 

・建物の位置(配置)のミスは致命傷に!

住宅の新築中には、実に様々なトラブルが起こります。トラブルの中でも多いものを列記してみました。
・大切な木を勝手に切られてしまった
・リビングの窓の形、大きさが希望通りに変更されていない
・リビングのコンセントが希望通りの位置、希望の数ではない
・勝手口からの通路が狭く、ごみ箱を置けない
・洗面台や便器の色が希望通りでない
トラブルの中でも、敷地の中における建物の位置(配置)のミスは基礎を壊さなければやり直せないので、致命的なものとなります。
希望通りの台数分の駐車スペースが取れない、勝手口周りのスペースが狭く不便、などのトラブルにつながります。
 

・なぜ、初歩的なトラブルが起こるの?

設計者や施工者とたくさん打ち合わせをして工事にのぞんだはずなのに、どうしてトラブルはなくならないのでしょうか?
トラブルの多くは、施主の細かい要望が設計・施工者に伝わっていない「伝達ミス」によることが多いのです。
どんなに多くの時間を割いて打ち合わせをしたとしても、施主の住宅への要望は100%設計・施工者には伝わりません。
また設計・施工者は限られた時間・条件の中で一般的な設計や施工で工事を進めてしまいます。
ですから、施主が住宅に対してこだわりを持った部分があればあるほど、そのことをメモなり契約書に添付するなりして設計・施工者に伝えないと、住宅トラブルやミスはなくならないのです。
 

・住宅トラブルにならないための対応策とは?

では、住宅トラブルにならないためには、施主としてどうすればよいのでしょうか?
それは工事前・工事開始後も積極的に設計・施工者に書面などで希望を伝え、また変更点がきちんと伝わっているか担当者立会いのもと現場にてこまめに確認することが大切です。

トラブルにならないため、施主としてしたほうが良い対策方法は

1.近隣住民へのあいさつは、解体工事前に工事関係者と一緒に済ませましょう
2.解体工事まえに、解体工事範囲(この庭木や塀は残すなど)を設計・施工者に指示しましょう
3.地縄張り当日には、建物の位置(配置)を目視で確認して、駐車スペース、玄関・勝手口などの出入りスペースの位置や隣家との距離・設備機器の位置など確認しましょう
4.工事中は設計・施工者と一緒に窓の位置や大きさ、コンセントや照明の数や位置、キッチン・トイレ・洗面台の色や仕様などを確認しましょう
 

 
いかがでしたか?住宅を新築するのはお金もかかりますが、打ち合わせやショウルーム見学などかなりの体力が必要です。
そのため工事が始まると、ついついすべてを設計・施工者まかせにしてしまいになりますよね。
しかし失敗しない住宅にするためには、工事が始まっても業者任せにしないで、自分で要望など伝達・確認することが大切です。
あなたも住宅新築時には、ぜひ参考にしてみてくださいね。
 
 
(しかま のりこ)
 

 

2017年01月13日 15:15

頭の良い子は受験期に、どこで勉強していたの?【賢く育てたい!国立医学部生の住まい】

子育て世代にとって、わが子を優秀に育てるのは一つの目標ではないでしょうか?

なかでも医師や弁護士は社会的地位や収入も高く、仕事にやりがいがあり定年もありません。

そんな職業に就いてくれたら、親としては嬉しいものです。

筆者は現役国立医学部生にアンケート調査を行い、どのような家でどのように育ったのかを調査いたしました。

そこには親が考えていないような子どもたちの意外な本音がありました。

前回は、頭の良い子どもたちの中学生までの勉強場所についてお届けいたしました。

今回は、国立医学部受験を控えた高校生のとき、頭の良い子どもたちはどこで勉強していたかについてのお話しです。

 

■受験期は、リビングで勉強はしなかった!?

大事な大学受験を控えた高校生の時、頭の良い子どもたちはどこで勉強していたのでしょうか?

アンケートの結果、約6割の学生が塾や図書館で勉強しており、約3割の学生が子ども部屋、そして飲食店・リビングダイニングと続きます。

小学生の時にリビング学習を支持していた学生たちも、難関大学への受験期となるとほぼ全員が塾や図書館、子ども部屋と勉強場所を変えていったことがわかります。

 

 

■一番、集中できた勉強場所は、どこ?

また、一番集中できた勉強場所について聞いたところ、

1位が塾や図書館で66.7%、2位が子ども部屋で20.3%、3位が飲食店で11.1%と続きリビングは1.9%となりました。

約7割の学生たちが塾や図書館を支持しており、子ども部屋やその他の勉強場所を大きく引き離して今す。

一方、マクドナルドやデニーズなどの飲食店を支持している学生たちもおり、その理由として「自宅では誘惑が多いから」や「飲み物が飲めるから」などの理由をあげて今す。

このように塾や図書館・飲食店など、自宅以外での勉強が一番集中できたと答える学生たちの合計は、全体の8割を超える結果となって今す。

驚きですね。
 

 

■頭の良い子どもたちの、一番好きな場所はリビング

最後に、今は一人暮らししている学生たちに、自宅で一番好きな場所をアンケートしてみました。

その結果、約7割以上の学生が自分の部屋でなく、リビングと答えました。

理由として「家族がみんな集まるから」「話を聞いてもらえるから」「明るくて暖かくて安らぐから」などでした。

 


いかがでしたか?

3回にわけてお届けしました学生たちのアンケート結果から、

小学生はリビング学習、中学生は子ども部屋や塾や図書館などの外部勉強空間、高校生は塾や図書館などの外部勉強空間が、勉強空間として大切になってくることがわかりました。

また、一番好きな場所として、家族が集まるリビングと答えた学生が多かったのも印象的でした。

「勉強のため・自立のため、子ども部屋を用意したい」という理由で、多くの人が30年近いローンを組んで生活をやりくりし、夢のマイホームを購入します。

しかし、頭の良い子どもたちは高校生になってもリビングでの家族との交流を求め、また勉強は塾や図書館などの外部空間を使う子どもが多く、勉強部屋としての子ども部屋は必ずしも必要ないのが現状のようです。

頭の良い子どもが育つ家にするためは、家族が集まるリビングを充実させ、また住居費と教育費のバランスをよく考えた無理のない住宅購入を行うことが、大切なようです。

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2016年12月22日 22:03

「ダウンライト」で火災に!? 乾燥する冬こそ気を付けたい、身近な照明による火災の恐怖

​​​​​年末年始も近づき、寒さが本格的になってきました。

空気が乾燥する冬は、火災の多い季節です。

ストーブやコンロなどが出火原因になることはもちろんですが、「ダウンライト」などの照明器具も出火原因になることがあります。

今回は、見落としがちなダウンライトが引き起こす火災についてのお話です。

 

■「白熱電球」が出火原因で死亡事故も

11月初旬に開かれたデザインイベント「TOKYO DESIGN WEEK2016」で、木製ジャングルジムの展示作品が燃えるという事故がありました。

この火災で、ジャングルジムで遊んでいた5歳の男児1人が死亡し、2人が怪我をしたという報道、記憶にある方も多いかと思います。

消防と警察によると、木製ジャングルジム内部に敷き詰められた「かんなくず」に、演出用の照明器具の熱が引火し出火となったようです。

照明器具には白熱電球を用いた大型投光器が用いられていました。

「かんなくず」などの木くずは、紙や布・木製家具と同じく極めて燃えやすい性質を持っています。

消防法においても「木材加工品及び木くず」は、火災が発生した場合にその拡大が急速であり、消火の活動が著しく困難となるものとした「指定可燃物」になっています。

 

また、かんなくずに引火したとみられる白熱電球は通電後、短時間でガラス球の表面温度が100度以上になります。

白熱電球によって熱せられたかんなくずが発火して、木製ジャングルジムに燃え広がった可能性が指摘されているのです。

 

■「ダウンライト」のすぐ下に燃えやすい物を置くのは絶対にNG!

この白熱電球を使った照明器具による火災は住宅でも起きています。

なかでも見落としがちなのは、天井に設置した白熱電球を使ったダウンライトによる火災です。

 

押し入れや納戸、室内や洗面所などに設置されているダウンライトの直下まで布団や衣類、段ボール等の収納物を積み重ねて置いた状態でダウンライトを使用すると、ダウンライトの電球の熱が布団や衣類、段ボール等に着火して火災になります。

東京消防庁によれば、住宅の押し入れなどに設置されているダウンライトによる火災が、平成23年から平成27年までに47件発生しており、そのうちダウンライトの直下に置かれた布団や衣類などから出火した事案が26件に上っています。

同じく東京消防庁が白熱電球100Wのダウンライト直下に真綿布団を置いて実験したところ、点灯後10分で真綿布団から発煙し、約1時間で発火したというデータも発表されています。

ダウンライトが設置されている付近に物を収納する際は、注意が必要です。

 

■「ダウンライト」による火災を防ぐにはどうすればいいの?

このダウンライト火災を防ぐために、東京消防庁では以下のような注意点をあげています。

  • 室内や物置、納戸、洗濯機設置場等の収納スペース内のダウンライトの設置箇所をよく確認しましょう。
  • ダウンライトを使用する際は、メーカーの説明書やホームページにある安全上の注意事項をよく確認し、ダウンライトから収納物まで適正な距離(メーカー等不明な場合でも50㎝以上)を取りましょう。
  • 室内や収納スペースを出入りする際は、照明器具の点灯状況をよく確認しましょう。
  • ダウンライトのスイッチの押し間違えや、体や物にスイッチが接触することによる誤点灯に注意しましょう。

 

いかがでしたか?

火災の発生は、大気が乾燥する秋や冬に多くなるという傾向にあります。

衣類や布団の入れ替えをするときには、ダウンライト付近まで無理に積み上げないようにするなど、ご家庭のダウンライト付近の収納物などの確認をして、火災を未然に防ぐことが大切ですね。

 

【参考】

※ 指定可燃物/東京消防庁

※ ダウンライトにより収納物に発火した火災の状況・着火物の状況/東京消防庁

※ ダウンライトによる火災を防ぐために/東京消防庁

2016年12月19日 22:07