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頼んじゃダメ!リフォーム・リノベーション会社選びのNGポイント5つ

中古住宅を買って、自分好みにリフォームやリノベーションする人が増えています。

うまくいけば新築よりも手頃な価格で間取りや内装を自分好みに変えられる点が魅力のリフォーム・リノベーションですが、工事を依頼する業者を間違えると、取り返しのつかないことになることも……。

今回は、リフォームやリノベーションで後悔しないために、「こんな業者に頼んじゃダメ!」5つのNGポイントについてご紹介します。

 

NGポイント1.建築士などの資格者がいない

木造2階建てやマンションのリノベーションの場合、増築をしなければ、多くの場合確認申請が要りません。

確認申請がないということは、第三者の検査やチェックがないということです。

 

行おうとしているリフォーム・リノベーションが構造・設備的にも適切なものか、判断しようがありません。

建築士がリフォーム・リノベーションプランを設計し、きちんと監理を行う会社を選ぶことをオススメします。

 

NGポイント2.サービスの有料、無料についての説明が曖昧

最初の打ち合わせで、どの相談から有料になるのかを説明してくれない営業マンがいます。

何度かプランを提示されたあと、お断りをするとします。

 

そのときに、今までかかった経費を請求される場合があります。もちろん経費を請求してくること自体は悪いことではないのですが、「本プラン以降は有料になります」など事前の説明は必要です。

どこまでが無料で、どこからが有料になるかの説明を、事前にきちんと説明してくれる会社を選びましょう。

 

NGポイント3.実績と経験が少なく施工レベルが低い

業者を決める前に、どれぐらいの施工レベルなのかは、ぜひ知りたいところです。

施工業者のホームページには、たいてい過去の施工事例などが掲載されていますが、写真だけではわからない部分もあります。

 

現在施工中の現場があれば、見学できないか確認してみましょう。

モデルルームなどがあれば、そこで確認するのも良いでしょう。

具体的な施工現場について、見学や説明などきちんと対応してくれる会社を選びましょう。

 

NGポイント4.事業者団体に加盟していない、建設業許可などを得ていない

リフォーム・リノベーション工事の請負金額が、500万円(一式の場合1,500万円)未満であれば、建設業の許可が不要です。

建設業の許可とは、国土交通大臣または都道県知事によって出される営業許可のこと。

建設工事に関して専門性を有しているか?金銭的信用があるか?などを審査されます。

 

リフォーム・リノベーション業者の中には、要件を満たしていないため、建設業の許可をとっていない業者も存在します。

また、建築工事保険、賠償責任保険、リフォームかし保険など、万が一のトラブルに備えて保険に加入している会社を選びましょう。

トラブルがあった場合、工事に対して賠償金が支払われます。

 

NGポイント5.工事の補償やアフターサービスが充実していない

リフォーム・リノベーションが終わった後で、不具合が起きたり、欠陥が発覚したりすることがあります。

その際の補償・範囲・期間などは、リフォーム・リノベーション業者によって異なります。

また、欠陥がなくてもアフターサービスが1か月・3か月・半年・1年と、充実していることが大切です。

工事の補償やアフターサービスについて、事前に文書などにより十分確認し、補償内容や範囲・期間が充実している会社を選びましょう。

 

 

いかがでしたか?

新築よりも、手軽で安価に見えるリフォーム・リノベーションですが、残念ながらトラブルが多いのも事実です。

きちんとした物件と工事業者を選んで、失敗のないリフォーム・リノベーションを実現してくださいね。
 

(しかまのりこ)

中古を買ってリノベする前に!おさえておきたい6つのポイント

中古住宅を買って、自分好みにリノベーションする人が、とても増えています。

好きな建材や住宅設備を使って、自分好みの空間をつくれる人気のリノベーションですが、無知なままリノベーションをおこなうと、あとで痛い目に合うことも。

中古住宅を買ってリノベーションする前に確認しておきたい6つの重要ポイントについてのお話ししたいと思います。

 

1.「リフォームかし保険」はついている?


リノベーションには、雨漏りや変形などのリスクはつきものです。

住宅トラブルの相談・住宅紛争処理 への支援などを行っている公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターによると、財団によせられた2016年のリフォーム相談件数は6757件。

そのトラブルの内容は雨漏りや変形、漏水やひび割れなど多岐にわたります。

「リフォームかし保険」は、リフォームやリノベーションなどの工事によって雨漏りや変形などのトラブルが起きた場合に、修繕費用を補償してもらえる保険です。

建築士による検査もついているのもメリット。

トラブルに備えて、工事をおこなう前に、リフォームかし保険をつけることをおすすめします。
 

 

2.断熱・耐震など、建物の性能をアップさせる内容は含まれている?


リノベーションをするときは、多くの場合、壁や窓なども取り壊し、柱や梁などの骨組みだけの状態にしてから、新しい住まいをつくっていきます。

その際、間取りや収納などにこだわる人は多いのですが、断熱や耐震など、建物の性能にこだわる人はあまりいません。

しかし地震なから生命を守るためには、建物の耐震性は最も重要です。


また建物を断熱化すると温度変化が少なくなるため、血圧が安定します。

断熱により、血圧が2.8mmHg下がるというデータが、スマートウェルネス住宅等推進調査委員会から発表されています。

季節にかかわらず、室温を18~21℃に安定させるためにも、屋根や壁・窓や床の断熱工事を検討することをおすすめします。


 

3.24時間換気はついている?


24時間換気とは、家の空気をまるごと交換するよう設計されている換気システムのことです。

この24時間換気、結露はもちろん、カビやダニなどの繁殖や、家具や衣類から放出される化学物質も取り除いてくれます。
とくに小さいお子様がいるご家庭や、アレルギー体質の方、ペットを飼っている家にはなくてはならない設備です。

平成15年7月から24時間換気の設置が義務付けられましたので、それ以前に建築された住宅には設置されていません。


 

4.間取りは希望通りに変えられる?


リノベーションの際、とても多い希望が「2つの部屋をつなげて、1つの広い部屋にしたい」というものです。

しかし、部屋をつなげる際に、障害となる柱や壁・天井からの梁が、構造的に除去できない場合があります。
その場合は、壁や柱・梁を残しながらの部屋になりますので、理想としていた空間にはなりません。

また、リノベーションは多くの場合、行政がチェックを行う確認申請が要りません。

そのため、建築士でない業者もリノベーションをおこなうことができるため、構造的に大切な柱や壁を除去したり、削ってしまうことがあります。

理想の間取りに変更できる物件か、建築士が設計を行う業者かなど、事前確認は大切です。


 

5.管理規約や、戸建ての建築協定などの内容は把握している?


購入したい物件が、マンションの場合はマンション管理組合の規約による制限があります。

規約の内容は、管理組合により様々ですが、多いものに、各戸で増設できる「電気容量(アンペア)」と「給湯器の大きさ」に関するものがあります。

例えば、キッチンをIHクッキングヒーターにしたり、電気圧力鍋・ティファールなどの電気ケトルなども使いたい場合は、電気の最大アンペア数を変更します。

しかし、規約で、最大アンペアが50アンペアと定められている場合は、60アンペアのブレーカーは契約できません。

また、戸建ての場合は、住む市町村に建築協定・地区条令などが設けられている場合があります。

建築協定とは街並みや環境を守るために、地域住民が自ら決めた規約のことです。

壁の色・塀の種類・高さや、用途など様々な規約による制限があり、守らなくてはいけません。
例えば、自宅でカフェやネイルサロンなどの店舗を開こうとした場合、建築協定により、出店が制約されている場合があります。

その場合は、当然ながら店舗を開くことはできません。


 

6.リノベーション費用は妥当?


リノベーション費用の相場は、構造や工事の内容にもよりますが、戸建てで500万円から1,500万円、マンションで300万円から1,000万円程度といわれています。

見積書を確認するときは、希望する住宅設備や建材が含まれているか?不要な工事は含まれていないか?などを確認してください。
とくにユニットバスやエコキュート(高効率給湯器)などの住宅設備は、値段を大きく作用します。

また、同じ図面・同じ仕様で、ほかのリノベーション業者に見積もりを取ることも、費用の妥当性を確認する点でお勧めです。

見積書の理解が難しく、リノベーション費用の妥当性を確認できないときは、専門家に診断してもらうこともできます。

公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、専門家による「リフォーム見積チェックサービス」を無料で行っています。


 

いかがでしたか?

リノベーション済物件を購入される場合は、これらの事前確認ポイントがクリアされているか、チェックしてくださいね。


(しかまのりこ)

 

【参考】

※ リフォームかし保険

※  住宅相談統計年報2017

※ 改正建築基準法に基づくシックハウス対策

※ 建築協定

※ リフォーム見積チェックサービス

低温やけど、睡眠障害…知っておきたい住宅設備トラブル4つ

日々進化する住宅設備のおかげで、わたし達の暮らしは大変便利なものになりました。

しかし、住宅設備のなかには、設置した後に思いもよらないトラブルやクレームが発生することも。

今回は、意外な住宅設備トラブルについて、4つの具体的な例を挙げながらお話ししたいと思います。

 

1.「魚焼きグリルのガラス窓」で幼児がやけどをする事故も

 

キッチンコンロについている魚焼きグリルのガラス窓にさわり、幼児がやけどをする事故が増えています。

国民生活センターによると、「魚焼きグリルのガラス窓」でやけどを負う幼児は、

月齢8か月から25か月(0歳~2歳)で、身長は70~80cm。一方、魚焼きグリルのガラス窓の高さも、おなじく70~80cmとなっています。

また魚焼きグリルのガラス窓の温度は、魚焼きグリル使用時で84度(IH)~150度(ガス)と高温です。

つかまり立ちや歩行ができるようになった幼児が、伝い歩きで魚焼きグリルのガラス窓をさわると大やけどをする可能性も。

 

対策としては、歩き始めの好奇心旺盛な子どもが触れないように、キッチンに侵入防止用の柵をつける、幼児期には魚焼きグリルを使用しない、などの方法があります。

また魚焼きグリル扉の高温を抑制できる商品も販売されているので、コンロごと交換するという方法もあります。

 

2.「省エネ給湯器/家庭用コージェネシステム」と睡眠障害の関係

 

エネファームやエコキュート・エコウイルなど、電気やお湯を高効率で生み出し、環境にも優しい「省エネ給湯器/家庭用コージェネシステム」は、国や自治体の補助金などの後押しもあり、設置するご家庭が増えてきています。

しかし、自宅や隣家にある省エネ給湯器/家庭用コージェネシステムの運転音により、不眠や耳鳴り・頭痛などの健康障害を発生したという訴えが、最近、目立ってきています。

 

健康障害の原因とされているものが、運転音に含まれる「低周波音」で、人体に不快感や圧迫感・睡眠障害を引き起こすと言われています。

家庭用コージェネシステムの運転音と健康障害の関係性は断定はできないものの、その関連性は否定できないと、消費者安全調査委員会(消費者庁)も判断しています。

いまのところ明確な対策はありませんが、運転音の発生源である省エネ給湯器/家庭用コージェネシステムの設置位置を、建物から少し離れた場所に設置・移設するなどの方法がとられています。

 

3.「温水洗浄便座」で低温やけど!?

 

今では多くの家庭に普及している「温水洗浄便座」。その普及率は6割を超えています。

1年を通して便座が温かいのは快適ですが、皮膚感覚の弱い高齢者には注意が必要です。

独立行政法人製品評価技術基盤機構によると、高齢者が温水洗浄便座を使用して「低温やけど」を負った事故が、平成27年に4件発生しています。

「低温やけど」は、体温より少し高い熱が長時間作用することで皮膚の深部にまで及び、皮下組織が壊死する場合があるため、重傷事故に至るおそれがあるものです。

対策としては、便座の温度設定を「低」にするか、または使用直前まで温めて、使用中は「切」にするなどの方法が推奨されています。

 

4.「24時間換気」は音がネック?

 

新鮮な空気を取り入れて空気中の化学物質を排出し、また結露やカビの発生をおさえる「24時間換気」は、いまの住宅には、設置が義務付けられています。

この24時間換気ですが、換気方式が3種類あります。

そのなかで、給気も排気も機械で行う第一種換気方式は、計画的な換気が可能な反面、ファンなどから発生する異音が、クレームへとつながっています。

「寝室についている給気口からの音が、思ったよりうるさくて、眠れない」という苦情は多い反面、「運転音であって、故障ではない」というメーカー側の見解から、交換などの対応はしてくれません。

対策としては、ダクトや給気口まわりに、消音ボックスを取り付ける方法がありますが、取り付けの際には、メーカーに確認する必要があります。

 

 

いかがでしたか?

エコで快適な住宅設備は、いまでは生活に欠かせないものとなりました。

しかし、使い方や設置場所を考慮しないと、トラブルになってしまうケースも。

設置してから後悔しないためにも、住宅設備の選定・使用は、慎重におこなってください。
 

(しかまのりこ)

【参考】

※ 国民生活センター/こんろのやけど

※ 消費者庁/家庭用コージェネレーションシステムから生じる運転音により不眠等の症状が発生したとされる事案

※ 独立行政法人製品評価技術基盤機構  高齢者の製品事故にご注意ください -介護ベッド、電動車いす、温水洗浄便座-