リビングが片付く家具の置き方。洗濯物、教材…いろいろウンザリしてません?
新型コロナウイルスを想定した、厚生労働省による「新しい生活様式」の提言で、以前より在宅勤務や家にいる時間が増えていくと思われます。そうなるとリビングは、家族の数だけモノが増え、散らかり放題に!
COLLINO一級建築事務所のしかまのりこさんは、これを「リビング崩壊」と名付け注意を呼びかけています。どうしたらそのような状況を防げるか? リビングの3Dモデルを使って教えてもらいました。
リビングは、モノであふれ、散らかり放題になりがち
家族が集まるリビングは、ちょっとしたことでモノがあふれ、散らかり放題になってしまいます。私は状況を「リビング崩壊」と名付けました。特に子どもが生まれるとモノが増えるため、この状況に陥りやすくなります。
この「リビング崩壊」ですが、具体的に言うと
- よく着る上着や洗濯物などがリビングにあふれている
- ダイニングテーブルやソファーの上にモノがあふれ、物置状態になっている
- ご飯はTVのまえのスペースで、床に座ったり、小さなテーブルで食べている
などの状態のことです。
解決するには、3つのポイントがあります。
- 動線を整理する
- 空間を分ける
- 収納を増やす
夫婦と小学校に通う子どもの3人家族が住む一般的な住宅をモデルケースとして、以下の3D図面で解説してみましょう。
動線を減らし、動きやすく狭さを感じさせないリビングに
こちらは13畳のリビングダイニングです。ダイニングテーブルのそばに、物干しを置いてあるため、とても狭くなっています。
しかし、狭くなる理由はそれだけでなく、矢印のように2本動線があるためです。
この動線ですが、人が動くスペースですので、空間が必要になり、そのぶん狭くなります。また、同じ方向に向かう動線は、それほど広くない部屋では2本も必要ありません。
この2本の動線を整理し、1本にまとめるだけで、動きやすくすっきりした部屋になります。
部屋が散らかるのは、空間分けが出来ていないから!
本来は食事をする場であるダイニングテーブルに子どもの持ち物や携帯など、家族の持ち物やが置かれたまま。ソファやリビングテーブルにも、お菓子やランドセルなどが置かれているというケースはありがちです。
部屋のあらゆる場所にモノが散らかるのは、部屋の空間分けができていないためです。この空間分けができていないと、たとえ部屋が広くなっても、モノが散らかりやすくなります。
この部屋の場合、散らかる洋服は収納ゾーン、ノートや教科書/ランドセルは子どもゾーン、そしてご飯を食べくつろぐ空間はリビングダイニングゾーンのように、3つの空間に分けます。
空間分けをすることで、物の入り混じることがなくなり、片付きやすいお部屋になります。
上着や洗濯物を収納する家具があると、スッキリ片付く
リビングダイニングに物干しがあれば、雨にも濡れず洗濯物は乾きやすくなります。
しかし、そのぶん部屋が狭くなります。また乾いた洗濯物をたたんで、それぞれの部屋に収納するという手間が面倒で、結果として、乾いた洗濯物はリビングダイニングに散らかりやすくなります。
また、帰宅した際にリビングダイニングで上着を脱ぐことが多く、コートなど家族の上着も散らかるモノになります。
この解決策としてリビングには、上着や洗濯物を収納する家具を増やせば、片付きやすい部屋になり、スッキリします。
給気口の近くは要注意。ニオイまで散らかる原因に
また、目には見えませんが、部屋には空気の流れがあります。その空気の流れを考えないと、部屋に嫌なニオイが散らかることになります。この部屋の場合、ペットゲージが給気口のそばにあります。そのため、給気口から入ってきた空気の流れに乗って、ペットのニオイが部屋中に散らかってしまいます。
ペットゲージなどニオイの出るものは、給気口のそばに置かないことが大切です。
解決のカギは、片付きやすいリビングの家具配置
ここまでお話してきた4つのポイントを押さえ、家具を配置し直してみました。
- 動線は2本から1本に
- 空間は、収納ゾーン、子どもゾーン、リビングダイニングゾーンの3つに
- 洗濯物や衣類を収納する家具を増す
- ペットゲージを給気口のそばから遠くに離し、ニオイの散らかりを防止
モノが散らかるリビング崩壊を防ぎ、ストレスフリーで快適なリビングダイニングの完成です。
あなたも居心地の良いリビングの模様替えにトライしてみてください。