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建築ラッシュで欠陥住宅続発!? 失敗しない工務店・ハウスメーカーの選び方

少し前になりますが、新卒で働いていた23歳の現場監督が、ストレスで自殺したという、悲しい報道がありました。

東京オリンピックを前に建築ラッシュが続く中、建設現場では、人手とコスト不足による過重労働・施工品質低下による欠陥住宅などのトラブルが増えています。

そのような背景のなか、マイホームを購入する人にとっては、いかに欠陥住宅を避け、安全な家を購入できるかが大切になってきます。

今回は、失敗しない工務店・ハウスメーカーの選び方についてのお話しです。

 

■一人の現場監督が受け持つ棟数が増え、すべての現場を把握しきれていないのが実情

大手週刊誌が3月に報じたハウスメーカー「秀光ビルド」の欠陥住宅問題。

この報道に衝撃を受けた方も多いと思います。なぜ欠陥住宅が続出したのか?

近年の建設需要の増加の中、施工現場では監督の人手不足に厳しい工期、職人のスキル不足などが重なり、従来では考えられなかった施工ミスや施工不良が増えています。

現場を取り仕切るのは現場監督ですが、一人の現場監督が掛け持ちしている現場の数が多く、現場監督がすべての現場を把握しきれていないのが実情です。
 

職人と現場監督のスキル低下は深刻で、建築士・検査員である筆者も、柱と基礎や梁をつなぐ大切な金物が付いていない物件に何度か遭遇したことがあります。

「金物抜けていますよ」と、職人さんに確認したところ「そうでした?」と、軽く返されたことに、目が点になった記憶があります。

 

■「第三者検査」を受けている現場は50%

こうした「職人と現場監督のスキル低下」という現状の中、欠陥住宅を防ぐための取り組みを行っているハウスメーカーや工務店もあります。

その取り組みの代表的なものが「第三者検査」です。

 

「第三者検査」とは、ハウスメーカーや工務店が自分で行う検査や、瑕疵保険に組み込まれている検査とは別に「第三者の検査機関が独自に行う検査」のことです。

ハウスメーカーや工務店と関係のない検査員が、ダブルチェックを行うのです。

この「第三者検査」を導入しているハウスメーカーや工務店は約50%と半数近くになります。

裏を返せば、半数が「第三者検査」を導入していないことになります。

ハウスメーカーや工務店を選ぶ際は、この「第三者検査」を導入しているかどうか確認すると良いでしょう。

 

■住宅性能評価の検査を受けている住宅は、さらに安心

「第三者検査」を受けている物件であれば、現場監督以外の検査員のダブルチェックが入ります。

しかし、残念ながら、検査の内容は最低限のものであることが多いです。

「雨漏り・構造的な欠陥住宅は防げて、ひとまず安心」というレベルです。

さらに、一つ上のあんしんを求めるのであれば「住宅性能評価」付きの住宅を選ぶことをお勧めいたします。

「住宅性能評価」付きの住宅は、書類審査の項目が多く、また住宅検査も内容が細かく、検査項目が多いため、検査漏れの心配がありません。

検査基準も厳しいため、まさにワンランク上の住宅となります。

「住宅性能評価」付きの住宅は、審査・検査も厳しいため、その普及率は住宅戸数全体の2割程度ですが、ワンランク上の住宅を選びたい場合は、

「住宅性能評価」付きの住宅を取り扱っているかどうかハウスメーカーや工務店に確認すると良いでしょう。


 

いかがでしたか?

欠陥住宅が増加する背景には、深刻な人手やコスト不足、スキルの低下など、さまざまな問題があります。

マイホームを購入する際は、「第三者検査」や「性能評価」などを実施し、積極的に欠陥防止に取り組んでいるハウスメーカーや工務店を選ぶとよいでしょう。

(しかまのりこ)

 

2017年09月14日 20:34