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知っているようで知らない・・・いまさら聞けない、家の「換気」のはなし

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緊急事態宣言の解除もつかの間、引き続きまん延防止重点措置が施行され、在宅時間がますます長くなりましたね。
家にこもるようになると、問題になるのが住宅内の環境です。
とくに汚れた空気の中にいると、頭が働かず作業効率も下がりますので、「換気」が大切になってきます。
今回は、自宅内でおろそかになりがちな「換気」についてのお話です
 

・「換気」とは、汚れた空気を新鮮な空気に入れ替えること

毎日生きていく上で、わたしたちに欠かせないものは、水や食べ物、そして空気です。
そして、人がその一生で、一番多く体内に入れているものは空気だということをご存知でしょうか。重量比で比べると、食べ物や飲み物のおよそ10倍以上の量の空気を、体内に摂取しているのです。
しかし、その空気は、発がん性物質であるホルムアルデヒドなどの化学物質や、インフルエンザや新型コロナなどのウイルスで汚染されています。当然ですが、からだに影響が出ないわけがありません。
そして、この汚れた室内の空気を、室外にだし、新鮮な空気に入れ替える唯一の方法が、「換気」なのです。
 

・換気のメリット

換気のメリットは、化学物質やウイルスの除去だけではありません。
アレルギーのもとになりやすいカビやダニは、湿度(60~80%)と室温(20~30℃)が高いと繁殖しやすくなります。しかし換気をすることで、水分を多く含んだ空気を外に出しますので、家の中の湿気を抑えることができ、結露やカビ・ダニの繁殖を抑えることができるのです。
また、呼吸により室内の二酸化炭素が多くなると、倦怠感、頭痛、耳鳴り、息苦しさ等の症状がでることが報告されています。少し頭が重いときや勉強がはかどらないとき、窓を空けるとすっきりした経験をお持ちの方も多いと思います。換気により二酸化炭素を室外に出すことで、それらの症状を抑えることができるため、勉強や家事、仕事やエクササイズなどのパフォーマンスも上げることができるのです。
また、新鮮な酸素は、代謝機能を活性化させ血行を促進するため、美肌やアンチエイジングにも良いといわれています。
その他にも、ペットの臭いや生活臭・風呂場の湿気も取り除いてくれるなど、換気のメリットは計り知れません。
 

・換気には2つの意味がある

そもそも「換気」には、大きく分けて2つの種類があります。
その一つ目は、お料理中の臭いやトイレの臭い、お風呂利用時に湿気をとる「局所的な換気」です。
お料理やお風呂に入ったときだけ「局所的に臭いや湿気をとる」もので、キッチンレンジフードやトイレ・お風呂場の換気扇のことです。
もう一つの換気は「全体的な換気」のことで「24時間換気」と言われているものです。この24時間換気は、一日じゅう家の中の空気を換気してくれるシステムのことで、平成15年以降の住宅には設置が義務付けられています。24時間換気をきちんと動かしていれば、化学物質やウイルス、二酸化炭素やハウスダストの原因を取り除いてくれるのです。この24時間換気ですが、前述した「局所的な換気」と機能を兼ねている場合が多く、マンションの場合はお風呂場に、戸建ての場合は1階がお風呂場または洗面室、2階がトイレと、2か所に設置されている場合が多くなっています。
 

・住宅で使われる24時間換気はおもに2種類

この24時間換気ですが、第1種換気から第3種換気まで3つの方式があります。住宅で使われるものの多くは、第1種換気か第3種換気となっています。第1種換気とは、戸建て住宅で採用されることが多く、機械で自動的に換気を入れ替える方式のため、換気状態が安定しています。また冷暖房時の、暖めたり、冷やした熱が逃げない「全熱交換器型」のものが一般的であるため、優秀な換気方式となります。
第3種換気とは、壁の給気口から吸気し、お風呂場などに設置した24時間換気で排気する方式のもので、マンションは、ほぼこの方式になっています。
 

・24時間換気がない住宅は、トイレやお風呂場の換気扇を利用して

この24時間換気ですが、平成15年以前に建てられた住宅にはついていないことが多いのも事実です。その場合は、トイレやお風呂場の換気扇を使うこともできます。方法としては、換気したい部屋の窓を少しだけ空けて、その部屋から遠い方の換気扇を回すことです。そうすることで空気の流れ道ができますので、自然に換気することができます。窓を開けることで防犯が心配な場合は、窓をロックしたまま通気ができる商品(「通風ロック」)も販売されているので、検討してみてください。
 

・換気の注意点

何かと優秀な換気ですが、冬に換気する場合には、注意しなければいけないことがあります。それは「乾燥」です。換気によって湿気を排出してしまうため、室内は乾燥しがちです。そのため、加湿器などを使い適度に湿気を補い湿度を40%~50%程度には保ってください。加湿器を置く位置は、窓のそばは結露を起こしやすいため避け、お部屋の中心に置くようにしましょう。
 


いかがでしたか?
健康や美容のために、水や食べ物にこだわっている人は多いのですが、空気にこだわる人はそれほど多くありません。
しかし、これからは水や食べ物を吟味するように、「空気」も吟味する時代です。
健康的で美しい毎日を送るためにも、空気にこだわり、常に新鮮な空気の中で暮らせるよう、換気を徹底する生活を心がけてみてください。
 
2021年04月11日 14:32