COLLINO一級建築士事務所

~間取りからインテリアまで~女性一級建築士が、住まいをトータルでサポート!

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間取りが決まったら!住まいのカラースキームって、大切なの?

こんにちは、COLLINO一級建築士事務所のしかまです。
家を新築したり、リノベーションをする場合、一番力を入れるのが「間取り」ですね。

「こんな住まいにしたい!」

お気に入りの住まいの写真などの資料を切り抜いて、パワーポイントなどにまとめると思います。
と、そこで、そのまとめた資料を見て、何か気づきませんか?

そうなんです!自分の「住まい」への好みが、はっきりとした傾向になっているのです。

自分ではわからない?

だいじょうぶ、私たちたくさんの家を見てきている専門家は、そのまとめた資料の中から、しっかり情報を読むことができます。
そして、色や家具の好みも、その資料にの中には詰まっていますよね?

その色や家具の好みがもっとも生かせるように・・・!住まいを、内装・外装含めトータルデザインすることが「カラースキーム」です。

カラースキームとは、色彩計画とも言い、色のもつ心理的・物理的な性質を利用して住まいのデザインを作りあげる作業です。
壁や床・天井をカラースキームすることで、ソファなどの家具や、クッション・カーテンなどの小物類が、よりおしゃれに!生きてくれます。
ほかには、物理的に狭い部屋でも、このカラースキームのテクニックで広く見せることもできます。

また、私がカラースキームをしていて、特に感じることは心理的影響が大きいことです。
一般的に、若い方や、子育て中の方たちは、ナチュラル色の木製家具など明るめのカラースキームを選ばれますし、
子育ての終わった方やご高齢の方は、ダークブラウン系などの暗めのカラースキームを選ばれます。
しかし、若い方でも暗めの色が好きという方には、その時の精神状態が影響していることが多く、許容範囲の中で、少し明るめのカラースキームをご提案することがあります。
そして、明るめのカラースキームの中で生活することによって「メンタルが明るくなり、ご提案の通りにしてよかった」というお声も聞いています。

このように、カラースキームは単なるデザインだけにとどまらないことが多いため、慎重に素材から選ばれるとよいです。

もちろん、ご自身で「カラースキーム」することができれば、一番良いのですが
忙しい現代人!そんな時間がない場合は、プロに頼むのが一番です。


カラースキームのご依頼はこちらから!
カラースキームの実例集はこちら










 
2022年06月13日 16:18

知識ゼロのあなたでもできる!一級建築士が教える欠陥住宅を未然に防ぐ簡単な方法

家を建てたり、リノベーションする場合、欠陥住宅を未然に防げたら、いいですよね?

「ハウスメーカーとは利害関係のない第三者の住宅検査が入る、とハウスメーカーの人が言っていたから、うちは安心だわ」と思っている方も多いと思います。

しかし、欠陥住宅や住宅に関するトラブルは年々増えていることをご存知でしょうか?

もちろん、検査している住宅にも、住宅を建てたあとにで欠陥が見つかっています。

その


住宅検査

の実情と問題点について少し触れます。


家を新築するときには、一般的に


瑕疵担保保険による検査と、

建築基準法による検査が義務付けられています。

その他、自社検査と言って、それぞれのハウスメーカーや工務店が自社の物件をチェックする検査もあります。

ちなみに中古住宅のリノベーションの場合は、このような法的検査はほぼありません。


そして、瑕疵担保保険による検査と、建築基準法による検査ですが、

その多くは第三者の
民間会社である確認検査機関行っています。

ですので、この確認検査機関は中立に検査業務をしなくてはいけないのですが・・・


この確認検査機関に
検査を依頼するのは、住宅を購入した人(エンドユーザー)ではなく

そのエンドユーザーから委任を受けた
ハウスメーカーさんなんですね。

つまり、検査業務の直接の発注者はハウスメーカーや工務店なのです。

そのハウスメーカーから検査を依頼され、検査員はハウスメーカーさんが作った家を検査するのです。




どちらが立ち場が強いか?想像がつくと思います。


わたし自身、
検査について指摘したことで、

ある大手ハウスメーカーさんの一部の現場監督から

何度も
「出禁」にされたことがあります。

もちろん「指摘されたから」とは言わないで、

「態度が悪い」などのあれこれ勝手なクレームをつけての「出禁」です。

わたしも懲りずに指摘しますので、もううんざりするくらい「出禁」です。


おかしいですよね、この仕組み。

このように、まっとうに検査して、不具合を指摘すると、その検査員ははずされることがあるのが実情です。

検査の意味がないですよね。


もちろん、そんなことをしないハウスメーカーさんも多いですが、

「検査より、自分たちの方が立ち場が上で、自分たちの業務に支障がないように現場を動かす」

そういった空気があることが問題だと感じています。


ですから、家を買った人(エンドユーザー)は、しっかり検査してほしいと思ったら

是非とも、
検査に立ち会ってください。

あらかじめ現場監督に伝えておけば、検査には立会可能です。

そして、検査には立ち会うよ~


と、早めに伝えておいてください。準備がどうのこうのと言って、断られることがありますので。

そして、検査の立ち合いの時は、アイフォンなど高画質のカメラで4方向、下から上までいっぱい写真を撮ると、

後で問題が起きた時にも、壁などで隠蔽された部分も十分検証できますので、かなり有効です。



これだけでも、かなり欠陥を防ぐ効果が上がりますよ!

あとは、感謝の意を込めて、ジュースやお菓子を現場の職人さんや現場監督さんに差し入れて

コミュニケーションはとってくださいね!




 
2022年05月05日 16:10

失敗しない!内装の色決め(カラースキーム)のポイント

家を建てるとき、とても悩むタスクが

「色決め(カラースキーム)」です

サイディングやタイルなどの外装材や
サッシや扉、フローリングなどの内装材のトータルコーディネートのことですね。

ひとつひとつ選んでいくのは、かなり大変な作業です。
じつは、どれにしようか悩んでしまい、ノイローゼになってしまう方も、結構いらっしゃいます。

そこで、カラースキームを失敗しないためのいくつかのポイントをお伝えいたします。

ポイント1. サッシはシルバーまたはステンカラーが無難
ブラックサッシやホワイトサッシは、外壁の色とあっている場合はおしゃれですが、一般的にはかなり難しいので、無難なシルバーまたはブラウン系のステンカラーがおすすめです。

ポイント2.部屋の壁紙はなるべく統一する
白系の壁紙を、お部屋ごとに選んで変える方がいらっしゃいますが、同じ白系であれば、小さな柄の違いに気づくことはなく、あまり効果的ではありません。
小さな壁クロス見本で見ると、柄が違うので、部屋ごとに変えてこだわられるのですが、実際に部屋に貼ると、よーく見ると違うかな?程度です。
そのため、白系を使うのであれば、2種類程度に抑えて統一しておくと、単価も割安で、施工ミスも少なくなります。

ポイント3.扉は寝室や洋室、リビングへの扉とトイレや納戸などの扉の色を使い分ける
扉の色は、1軒で同じ色にすることが多いのですが、お勧めなのが、「メインの扉とサブの扉の色を分ける」ことです。
例えば、リビング・洋室・寝室などのメインの扉は、木目調などのデザイン扉を使い、トイレや納戸やWIC、洗面室などのサブの扉はシンプルな白系のフラッシュドアにするなどです。
デザインや色を変えることで、デザインにメリハリができます。

参考になれば幸いです。



 
2022年02月11日 17:52

はじめての住宅購入~平面図記号の読み方

こんにちは。今回は、住まいの平面図、その読み方について解説いたします。
家を買うときには、必ずついているものなので、平面図の読み方がわかると便利です。
 

 
スライド1
こちらは、一般的な3LDK、73㎡のマンションの平面図です
こちらの黒塗りの四角いものは、構造体の柱です
スライド2-1
そして、点線で書いてありますのは、天井から下がっている、梁や、下がった天井のことです。
この梁は、柱と柱をつなぐ位置にありますが、天井からつき出た部分が、このように点線で表されます。

スライド3
この扇形マークは、開き戸を表しています。
開き戸のメリットは、引き戸より、気密性が高い点と、引き戸に比べてコンパクトのため、若干お値段が安い点です。
そして、デメリットは、開けた時にぶつかりやすい点です。
例えばトイレドアや、納戸のドアなど、開けた時に誰かにぶつかる可能性があります。
ちなみに最近のトイレドアは、外びらきになっています。
それは、トイレの中で人が倒れた時に、中の人を救助しやすいためです。
スライド6
おなじく、お風呂も中で人が倒れた時に、救助しやすく、外びらきにしたいところですが
お風呂は入浴中の水が、洗面室に出ないように、内びらきになっています。
もし人が入浴中に倒れた時は、扉取り付け部分のつまみをひけば、簡単に扉がはずせるようになっています。
万が一の時のために、確認しておくことをお勧めいたします。
スライド7
こちらの点線は、引き戸のマークになります。
引き戸のメリットは、開けっ放しにして置ける、家具設置などの障害にならない点です。
 
スライド8
こちらの収納の扉は、両開き扉です。床から天井付近までの、大型な扉になることが多いです。
スライド9
こちらはバルコニーへ出るための、掃き出し窓になります。
スライド10
こちらは面格子つきの腰窓になります。
腰窓は、掃き出し窓と違い、外には出られない、腰からの高さ程度の窓のことです。
面格子がついているのは、共用廊下側からの防犯のためです。
スライド11
アルコーブは、玄関前に設置されたスペースのことで、共用スペースになります。
共用スペースなので、ベビーカーや自転車など、自由にものを置くことはできませんので、その点、注意が必要です。
スライド12
つぎに設備関係に行きます。
こちらの点線は、エアコン取付位置を表示しています。
エアコンの位置は、動かしにくいので、直接冷暖房があたらないように、家具配置のほうを工夫します。
スライド13
こちらのマークは、照明を取り付けるための金物を表示しています。
つまり、このマークがあるところは、自分たちで、照明器具を用意しないといけません。
 
スライド14
こちらのマークは、ダウンライトです。
すでに天井に埋め込まれていますので、購入する必要はございません。
最近では、勝手にライトがつく、人感センサーがついているLED電球がありますので、
例えば洗面室や玄関、トイレ、廊下などは、そういった電球に取り換えると、生活が便利になります。
スライド15
こちらのマークは、火災報知機になります。リビングダイニングと、個室やキッチンの天井や壁に、戸建てでは、階段の天井や壁についています。
スライド16
火災報知器には火災時の熱や温度に感知するものと、煙に感知するものと、大きく分けて2種類のタイプがあります。
うえ2つのマークはどちらも熱に感知するものになります。そして一番下にある、Sのマークが煙に感知するタイプのものになります。
 スライド17

こちらのマークは、テレビアンテナ、電話、インターネットのLAN、電気のコンセントになります
テレビアンテナは、ずばりTV、と書くこともあります。
おなじく電話もズバリTELと書くこともあります。
この電話・テレビ・インターネット・コンセントは、一体型になっているものが多く、その場合はマルチメディアコンセントということもあります
こちらがそのマルチメディアコンセントのマークになります
スライド18
こちら左手のマークは、給湯器のリモコンです。
そして右手のマークは、インターホン。
スライド19
こちら左手のマークは、キッチン用の換気扇。
そして右手のマークは、浴室の換気扇です。
この浴室の換気扇は、24時間換気扇も兼ねています。
 
つまり、各部屋のOAと表示された給気口から、
新鮮な外気を採り入れ、そしてこちら黄色の矢印方向に排気しています。
つまり24時間換気扇を回していれば、各部屋の給気こうから取り入れた新鮮な空気は
浴室天井のダクトを通り、共用廊下側に排出され、換気されています。
スライド22
こちらのマークは、電気の分電盤、ここを通って電気は各部屋へ流れています。
スライド23
左手のマークは、水とお湯が出る混合すい栓。そして右手のマークは、水のみの単すい栓になります。
スライド24
つぎに、省略文字についてお話しします。
このMBはメーターボックスの略。水道メーターやガスメーターなどの、各種メーターが入っているスペースです。
EPSは、エレクトリックパイプスペースの略。電気や通信関係の配線を通すためのスペースです。
このPSは、パイプスペースまたはパイプシャフトの略。
トイレキッチンからの排水管や、給水管などが通っている場所で、
防音措置がきちんとしていないと、ジャーと流れる音がすることがあります。
そのため、寝室などは避けて設置します。
スライド25
最後に全体的な平面図で、避難について見てみましょう。
こちらは一般的なマンションの平面図です。
2台エレベーターがついていますが、1台は非常用エレベーターもかねたエレベーターです。
通常、エレベーターは、地震や火災時には、近くの避難できる階まで自動的にいき、そこで止まります。
なので、エレベーターを使って避難することはできません。
非常用エレベーターは、消防隊が消火活動や救助活動に使うためのエレベーターです。
特殊なスイッチを使って、火災時には動かしますが、私たちが避難に使うことはできません。
火災時や地震時の避難はあくまでも避難階段を使います。
スライド26
火災時や地震時の避難方法は、一般的に、2方向に避難ができるように設計されています。
例えばこちらから避難する場合、1の階段、または2の階段に向かって避難します。
スライド27
もし、玄関扉が開かないなどのトラブルの場合は、バルコニーに設置されている避難ハッチを使って
下の階にひとつづつ降りていきます。
この避難ハッチは、バルコニーの両端に設置されていることが多いので、自宅バルコニーの
バルコニー隔て板を壊して、どちらかの避難ハッチに向かって避難してください。
 
以上、平面図の読み方でした。
 
2022年02月08日 01:00

リノベーションで後悔しないために!「優良中古物件」の簡単な見分け方

中古住宅を買って、自分好みにリノベーションする人が増加傾向にあります。
また、2016年の首都圏では、新築マンションの供給戸数より中古マンションの成約戸数が多くなりました。

人気のリノベーションですが、無知なまま中古住宅を購入すると、あとで痛い目に合うことも……。

今回は、リノベーションに向く「優良中古物件の見分け方」についてのお話しです。

 

まずは知っておきたい!リノベーションの基礎知識

リノベーション向きの中古住宅をえらぶ前に、リノベーションの基礎知識をおさえておきましょう。

  • リノベーションの費用の相場

中古住宅を買って、リフォーム・リノベーションする場合、その費用の相場はどのくらいでしょうか?

構造や工事の内容にもよりますが、戸建てで500万円から1,500万円、マンションで300万円から1,000万円程度といわれています。

この金額に、中古住宅の購入資金が加算されるわけです。

ですから、適正な中古住宅を慎重に選ばないと、新築住宅より高くなってしまうことがあります。

 

  • 物件によっては、工事の内容に制約がある

大手ハウスメーカーの住宅は、工法によってはリノベーションが難しい場合も。

もし、大手ハウスメーカーの住宅を購入してリノベーションをしたいときは、一般的な工務店で対応するのが難しい場合も。

そのハウスメーカーにリノベーションを依頼するのが無難ですが、費用は割高になるかもしれません。

 

  • リノベーションにも補助金・減税制度がある

新築には、すまい給付金や長期優良住宅減税など、さまざまな減税や補助金制度がありますが、リノベーションにも、多くの補助金や減税制度があります。

補助金や減税制度には、それぞれ適用条件がありますので、お住まいの自治体などで必ずチェックしましょう。

 

リノベーション向き「中古戸建て」のポイント

では、どのような中古の戸建てがリノベーションに向いているのか、そのポイントをご紹介します。
 

・敷地は、巾4m以上の道路に2m以上接していること
「再建築不可」という格安の中古住宅、よく見かけませんか?

住宅の敷地が、接道条件を満たしていないため、その敷地には新しく家を新築することができないというものです。

接道条件とは、住宅の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接しなければいけないという都市計画地域に制定された建築基準法の制約です。

リノベーションは新築ではないため、道路に敷地が接していなくても工事を行うことは可能です。

しかし道路に接していないということは、工事もしづらく、工事費もかさみます。

給排水の配管なども、他人の敷地を通っている場合も多く、工事に隣家の許可が必要などのトラブルも発生します。

また、地震時や火災時の消火活動も消防車や救急車が入れなく、避難・救助にも支障がでます。

 

 

・軟弱地盤はぜったいNG!

建物の乗る敷地の地盤は、最も大切です。

新築であれば、地盤を強く改良する工事ができますが、リノベーションの場合は地盤を改良することができません。

建物をいくら耐震補強しても、地盤が軟弱であれば、地震の力で建物は壊れます。

 

・周辺環境や防犯性の良さ

線路や幹線道路などに住宅が面している場合、交通騒音や排気ガスなどの影響が大きくなります。

健康被害が出るようなものかどうか、隣家や周囲の人に聞くなどして判断しましょう。

また、周辺に荒らされた空き地や空き家などがあると、犯罪の危険性が高くなります。

周辺環境や防犯性の良さが確保されている地域がオススメです。

 

リノベーション向き「中古マンション」のポイント

次は、どのような中古のマンションがリノベーションに向いているのか、そのポイントをご紹介します。
 

・定期的に大規模修繕・補修がされている

マンションは、規模も大きいことから、建物の修繕や補修などの管理が大切になります。

一般的に新築から12年程度の周期で、防水工事・外壁塗装・鉄部塗装などの大規模修繕が行われます。

これらの工事がきちんと行われているかは、大規模修繕記録などで確認します。仲介業者に入手してもらいましょう。

 

・修繕積立金や管理費の滞納がないこと

マンションに住むためには、共用部分やエレベーター設備などの管理費や、大規模修繕のための積立金を納める必要があります。

しかし、マンションの所有者の中には、この管理費や修繕積立金を滞納している人がいます。

その滞納があまりに多くなると、管理に支障がでるだけでなく修繕積立金不足から、建物の十分な修繕ができなくなります。

修繕積立金や管理費の滞納状況は、マンションの管理組合が管理しています。仲介業者に、閲覧または入手をお願いしましょう。

 

ごみ置き場、自転車置き場、メールボックスなどがきちんと清掃、整頓されている

ごみ置き場・自転車置き場・メールボックスなどは、マンションの管理状態がわかるだけでなく、マンション住人のマナーの良しあしもわかる場所です。

きちんと仕分けしてごみが出されている・メールが郵便受けからあふれていないなど、清掃・整頓状況を確認しましょう。



 

いかがでしたか?

リノベーション向き中古物件を選ぶためには、このようにたくさんの注意ポイントがあります。

あせらず、細心の注意を払って、良い物件を選んでくださいね。
 

(しかまのりこ)
 

2018年05月01日 21:27

ハウスメーカーを客観的に比較して選ぶための方法(後編)

そろそろ家を建てたい、と思った場合、多くの方はまず住宅展示場に訪れるのではないでしょうか。

しかし、モデルハウスが多すぎてどのハウスメーカーにしたらよいのかわからない、と悩む人が多いのも事実。

そこで、前回はハウスメーカーの特徴や、モデルハウスの選び方についてお話ししました。

今回は、ハウスメーカーを客観的に比較して選ぶための方法についてお話しいたします。

 

■住まいを比較する物差し「住宅性能表示制度」を利用しよう!

マンションのモデルルームや戸建てのモデルハウスでよくあるのが「○○工法採用!」「○○特許取得!」などという言葉。

「よくわからないけれど、凄いのかな?」と思ってしまいますよね。

しかし、これらはあくまでも売る側からのメッセージであり、客観的な判断基準ではありません。

私たち建築士でも「なんだろう?」と思ってしまうものも少なくありません。

住宅商品には、こういった曖昧な表現が多く、性能が分かりにくいという声が多かったために、客観的に住宅の性能を比較する制度が求められてきました。

そこで誕生したのが平成12年にできた「住宅性能表示制度」です。

これは、住宅の性能をわかりやすく第三者が数字(等級)で表示するというものです。

 

例えば「地震にどれだけ強い家か?」を住宅性能表示制度で表示すると、

耐震等級1・・・建築基準法に規定された建物

耐震等級2・・・等級1で想定する地震の1.25倍に耐えられる建物

耐震等級3・・・等級1で想定する地震の1.5倍に耐えられる建物

となります。

ちなみに建築基準法に規定された建物とは、数十年に一度発生する震度5強程度の地震に対して、損傷しない、また、数百年に一度発生する震度6強から震度7程度の地震に対して、倒壊・崩壊しない建物です。

ですから、震度8程度の地震でも損傷しない家を希望するのであれば、耐震等級3を取得している家を選ぶという判断ができますね。

 

■住まいを比較する項目は火災や防犯など、新築の場合は10項目!

この制度での住宅性能に関しての比較項目は、地震に対しての強さや、火災に対する安全性、柱や土台などの耐久性や配管などの住宅設備のメンテナンスのしやすさなど、新築では10の項目で比較します。

 

注意しなければならないのは「性能評価の等級を取っているから普通の住宅より優秀」ではないという点です。

性能評価で「等級1」は、建築基準法と同等の意味なので、性能評価を取っていない住宅と性能面では同じということです。

モデルハウスを見学するときは、「性能評価をとっているかどうか」ということと「等級は2以上か?」ということを注意して見学しましょう。



 

いかがでしたか?

2回に分けてお届けした「ハウスメーカーの選び方」。

まとまった休みが取れるゴールデンウィークは、住宅選びを始める絶好のチャンスです。

住宅展示場に足を運ぶ際は、ハウスメーカーの構造や特徴、性能評価の等級などを意識しながらチッェクしてみてください。

理想の住宅が見つかるかもしれませんよ。
 

(しかまのりこ)

【参考】

一般財団法人 住宅性能評価・表示協会

2017年05月01日 18:01

GWは住宅展示場に行こう!プロが教えるハウスメーカーの選び方(前編)

ゴールデンウィークはどのように過ごす予定ですか?

家を建てたいと考えている方にとって、まとまった休みが取れるゴールデンウィークは、家づくりを勉強するチャンスです。

今回は、家づくりの勉強に欠かせない住宅展示場でのハウスメーカーの選び方についてお話しいたします。

 

■ハウスメーカーは大きく分けて3つのタイプがある

住宅展示場の規模には大小ありますが、平均して20棟程度のモデルハウスがあります。

1棟あたり1時間かけて見学したとしても、とても1日ではまわりきれません。

そこで最初に押さえておきたい項目が、その建物の構造です。

 

ハウスメーカーにはそれぞれ得意としている構造があり、大きく分けて、鉄骨系・コンクリート系・木造系(木質系)の3種類のタイプに分かれています。

それぞれの構造は、地震や火災、耐久性や可変性(間取りの変えやすさ)などにおいて、それぞれ細かな特徴や若干の違いはありますが、家の基本性能はほぼ同じです。

木造は火に弱い」「鉄骨系は寒い」などという概念は昔のものなので、感覚的に好きな構造タイプをあらかじめ選んでモデルハウスを見学しましょう。

 

■ずばり!大手ハウスメーカーの特徴は?

住宅展示場を1日かけて回っても、「どこもいいことばかり言うので、違いがわからない」と迷うことも多いと思います。

そこで住宅検査を行っている筆者が、検査を通じて感じた主要ハウスメーカーのおもな特徴をまとめてみました(敬称略)。

大和ハウス・・・鉄骨系住宅が主流。木造在来工法の商品もある。ZEVOシリーズでは外張り断熱を採用している。

セキスイハイム・・・鉄骨系住宅。「あったかハイム」で宣伝しているように、高断熱な建物に全館空調を採用しているのが特徴。

積水ハウス・・・鉄骨系・木造系、どちらも得意。インテリアの標準仕様が高く、住宅のバリエーションも多い。

パナホーム・・・鉄骨系住宅。都会の狭小な宅地に建てる多層階住宅が得意。

三井ホーム・・・木造系住宅ツーバイフォー工法(枠組み壁工法)を採用。デザインに存在感がある。

ミサワホーム・・・木造系木質パネル工法が主流。大容量収納「蔵」が特徴的。普遍的なデザインを志向している。

 

気になるハウスメーカーは見つかりましたか?

ほかにもたくさんのハウスメーカーがあるので、収納、断熱、省エネ、間取り、可変性(間取りの変えやすさ)など、なにが得意なのか、どこが特徴なのかを営業担当者に聞きながら、モデルハウスを見学しましょう。


 

いかがでしたか?

ハウスメーカーはたくさんあって、一見しただけでは違いや特徴がわかりにくいと思います。

しかし日本のハウスメーカーはとても優秀で、基本性能もほぼ同じなので、自分の好きな構造や特徴で選んでも、失敗することはまずありません。

それでも客観的にハウスメーカーを比較して選びたい場合は、基準となる物差しも存在します。

次回は、ハウスメーカーを客観的に比較し、選ぶ方法についてお話しいたします。

(しかまのりこ)

2017年04月30日 22:56

中古住宅は不安・汚いというイメージが変わる!? 国が認める「安心R住宅」

あなたは中古住宅と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

地震の時、壊れないかしら?という「不安」や、設備や内装が古くて「汚い」、今までどのように管理・修繕されてきたのか「分からない」といったネガティブなイメージを持つ方も多いかもしれません。

でも、この「不安」「汚い」「分からない」の部分が解消されたら、手頃な価格で購入できる中古住宅を検討したくなるかもしれませんよね。

今回ご紹介するは、これから中古住宅を購入したいと思っている人には良いニュースです。

 

■中古住宅の流通が、日本でなかなか進まない理由

以前も、「どうして日本は「新築」天国なの?プロが教える、中古住宅3つの見極めポイント」という記事でご紹介しましたが、日本の中古住宅の取引割合は15%程度。

中古住宅の売買が活発な欧米は、アメリカ(83%)、イギリス(87%)、フランス(68%)であることを考えると、とても低い水準と言えます。

戦後、焼け野原となった日本では、住宅不足から「質より量」が求められ、「住宅は建て替えるもの」という意識から、新築重視の木造文化が根付きました。

 

さらに、中古住宅に対する負のイメージ「不安」「汚い」「分からない」が強く、「家を買うなら新築」という意識がなかなか消えません。

しかし、日本は今後、急速な少子高齢化・人口減少という構造的な転換点を迎えており、新築を増やすのではなく、今ある中古住宅を有効に活用することが環境にもやさしく、重要になってきています。

中古住宅の流通を増やすことが、今後の日本の課題となっているのです。

 

■高品質の中古住宅を対象にした認定制度「安心R住宅」

この中古住宅に対する「不安」「汚い」「分からない」イメージを払拭すべく、国土交通省は、新たな認定制度を新設する方針を明らかにしました。

それが「安心R住宅」です。

建築士による建物検査(インスペクション)の実施や、建物情報の開示、基準に適合したリフォームの実施などをおこなった中古住宅に「安心R住宅」という認定マークを与えます。

国が認定マークという一定のお墨付きを与えることで、買い手が安心して中古住宅を購入できるようにしようという狙いがあります。

「安心R住宅」の認定マークが与えられるのは、下記の要件をクリアした中古住宅です。

 

また、中古住宅の情報に関しては「開示が必要な項目」として、下記のような詳細情報の開示を行うこととされています。

 

 

■画期的な制度だが、手間やコストなどの課題も

1戸1戸コンディションが違う中古住宅において、インスペクションの実施や情報開示は、買い手にはありがたいお話しですが、

不動産業者にとっては手間やコストがかかるため、小規模な業者は対応不可能になる場合も出てくると思われます。

また「開示が必要な項目」とされている中古住宅の情報に関しては、すべてが「不明」であっても「安心R住宅」の認定マークを取ることは可能です。

こうした運用面での課題も残っていますが、少なくとも私たち消費者は「安心R住宅」以上の中古住宅を選ぶという基準も持てることから、今までにない画期的な制度となることが期待されています。

 

 

いかがでしたか?

この夏をめどに告示化し、運用を開始する予定の「安心R住宅」。

本格的な実現にはまだ課題はありますが、インスペクションの実施や、建物の情報開示など、消費者が安心して中古住宅を購入できるはじめの一歩となるのは間違いないようです。

 

(しかまのりこ)

 

【参考】

国土交通省『新しいイメージの既存住宅』の情報提供制度について

2017年04月17日 22:42

補助金がもらえる?コスパのいい「エコリフォーム」ベスト3は?

国が進める「住宅ストック循環支援事業」の1つで、エコなリフォームをすると、補助金が国から支払われる「エコリフォーム」制度。

前回は、住宅をそろそろリフォームしたい!

または、中古住宅を購入して住宅性能をUPしたい!

という人にオススメのエコリフォームについてご紹介いたしました。

今回は、比較的少額でできる「補助金を使った、コスパ満足、お得なエコリフォーム」についてお伝えしたいと思います。

 

■エコリフォーム対象のエコ住宅設備は5つ!

補助金が支払われるエコリフォームのなかで、比較的簡易にできるものは、エコ住宅設備の設置です。

つまり、給湯器やトイレなどの設備をエコなものにリフォームするものです。

エコ住宅設備にはおもに下表のような種類があり、それぞれに補助金の額が決められています。

 

補助金エコ設備

この5種類のエコ住宅設備を、補助金を使って設置した場合、どのエコ住宅設備がお得なのでしょう?

 

■堂々の第1位は 節水トイレ!

従来のトイレ(13リットル型)を節水トイレ(3.8リットル)に変えただけで、年間1万5,000円もの水道代が節約できます(4人家族の場合/TOTO調べ)。

節水トイレは激安店などでは工事費込みで7万円程度で購入できますので、補助金を差し引いた実質負担は約4万6,000円。

 

年間1万5,000円もの水道代が節約できるのですから、約3年でリフォーム代金の元が取れてしまいます。

3年目以降は毎年1万5,000円もの水道代が節約されるのですから、とってもおトクですね!

 

■第2位:意外と知らない節湯水栓

節湯水栓とは、無駄な給湯や水道を自動でカットしてくれる混合水栓のことです。
キッチンの混合水栓を節湯水栓に取り換えただけで、年間で109㎏のCo2を削減でき、また水道代とガス代合わせて年間1万円程度の節約になります。

節湯水栓は工事費込みで約5万円程度から設置できますので、補助金を差し引いた場合、約5年程度で元が取れてしまいます。

 

■第3位:ひそかに人気!太陽熱利用システム

太陽熱利用システムとは、太陽のエネルギーを使ってお風呂やキッチンの給湯をしたり、冷暖房するシステムのことで、太陽光発電とは違います。

一般的な都市ガス給湯器から太陽熱利用温水器にリフォームした場合、年間で454㎏のCo2を削減でき、また年間3万5,000円程度の節約になります。

 

太陽熱利用温水器は工事費込みで、約30万円弱で設置できます。

補助金を差し引いた場合、8年程度で元が取れてしまいます。

地球とお財布、双方にやさしいエコリフォームですね。

 

■どのエコ住宅設備の組み合わせが、一番おトク?

エコ住宅設備には、その他に断熱浴槽やエコキュートやエコジョーズなどの高効率給湯器がありますが、設置コストがかなり高額になるため、補助金を利用してもあまりおトク感はありません。

また、補助金を受け取るためには3種類以上のエコ住宅設備の設置が必要で、かつ補助金額の合計が5万円以上でなくてはなりません。

つまり、節水トイレと節湯水栓、太陽熱利用システムの組み合わせが、補助金の支給要件もクリアし、かつ地球にもお財布にもやさしい、ベストなエコリフォームとなります。

 



いかがでしたか?

エコ住宅設備にも、いろいろな種類があり、またコストパフォーマンスも違います。

補助金がおりるこの機会は、おトクなエコリフォームをして、住宅性能をUPするチャンスです。

お得なエコリフォームの申し込みは平成29年6月30日締め切りですので、早めの検討をオススメします。

(しかま のりこ)

2017年02月22日 22:26

これだけはおさえたい!築年数別オススメ「エコリフォーム」

「エコリフォーム」って知っていますか?

国が進める「住宅ストック循環支援事業」の1つで、簡単に言うとエコ(環境や地球にやさしい)なリフォームをすると、補助金が国から支払われる制度です。

つまりおトクに、かつエコなリフォームできてしまうのです。

そこで今回は、今住んでいる住宅をそろそろリフォームしたい!

または、中古住宅を購入して住宅性能をUPしたい!

という人にオススメのエコリフォームについてご紹介いたします。

 

■エコリフォームには、大きく分けて3つのタイプがある

補助金が支払われるエコリフォームには、下記の3つのタイプがあります。

  1. 窓や扉の断熱リフォーム
  2. 壁、屋根・天井、床の断熱リフォーム
  3. 給湯器などの設備をエコなものにリフォーム(3種類以上の設備)

それぞれの工事に関して既定の補助金が支払われ、その補助金は最大30万円/戸(耐震改修を行う場合は45万円/戸)です。

また1~3のいずれかのエコリフォームにプラスして手すりを設置したり、建物の劣化を防ぐ工事や耐震改修などにも補助金が支払われます。

詳しくはエコリフォーム/住宅ストック循環支援事業事務局のサイトをご覧ください。
 

 

■築年数別に分けると、どの組み合わせがおトクでエコ?

補助金が下りるのはとても嬉しいことですが、いろいろなエコリフォームに、それぞれ補助金が決められていて、どのリフォームをすれば結局おトクでエコなのか迷いますよね?

そこで、建築士で家計を預かる筆者がオススメする「築年数別エコリフォーム」の組み合わせを考えてみました。


【1:築10年~築20年未満の中古住宅に住んでいる(または購入して)しっかりエコリフォームしたい人】

まだ築年数も比較的新しいのですが、設備関係が交換時期に来ているので、

補助金がおりるこの機会に給湯器やトイレなどの設備をエコなものにリフォームするのがベスト!

値段も比較的、安く済みます。詳しいお話しは次回。

 

【2:築20年~築30年未満の中古住宅に住んでいる(または購入して)しっかりエコリフォームしたい人】

壁、天井、床の断熱リフォームをしましょう。

住宅性能がグンとUPし、夏は涼しく冬は暖かく快適になります。

まだ家を建ててから一度も給湯器などの設備を交換していなければ、あわせてエコなものにリフォームしましょう。

 

【3:築30年以上の中古住宅に住んでいる(または購入して)しっかりエコリフォームしたい人】

壁、天井、床の断熱リフォームにプラスして耐震改修をしましょう。

昭和56年以降に建てた建物であっても、築年数が経っているので耐震基準は満たしていたとしても、耐震補強は必要です。

断熱リフォームの際に壁や天井も壊すので、耐震工事も比較的割安に済みます。

また、昭和56年以前の建物は、耐震補強をすることが補助金を受け取るための必須条件になるので注意してください。

また、高齢者がいるお宅では、壁、天井、床の断熱リフォームをする際に、手すりの設置や車いすが通れるように廊下を広くする工事も併せて行うと、工事が2度にならなくておトクですよ。

 

■さらに余裕のある人は、窓のリフォームをプラスしよう!

壁、天井、床の断熱リフォームをすると、家は魔法瓶のような状態になります。

つまり、家の中の温度を保とうとするため、冬の暖房・夏の冷房が少ない電力などでよく効くということです。

しかし、窓を断熱していなければ、そこから熱が出入りしてしまいます。

 

窓からはなんと壁の5倍以上もの熱が出入りしているのです。

これでは壁、天井、床の断熱リフォームをしても、窓が多い家だとあまり意味をなさなくなります。

しかし、家全体の窓の断熱リフォームはとても高額になります。

そこでオススメなのは、家族が集まるリビングダイニングや寝室・子ども部屋だけでも、補助金を利用して窓をリフォームすることです!

少ない出費で快適性能がさらにUPしますよ。


いかがでしたか?

住んでいる住宅をリフォームしたい、または中古住宅を購入してリフォームしたい人にも大いに使えるエコリフォーム補助金制度!

このおトクなエコリフォームの申し込みは平成29年6月30日締め切りですので、検討している方はお早めに。

次回は、比較的少額でできる「補助金を使った、簡易でお得なエコリフォーム」についてお伝えしたいと思います。

 

2017年02月19日 22:19