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「シックハウス症候群」にならないための家選びとは?

寝る時間も含め、毎日たくさんの時間を過ごす住宅。

でも、住まい方によっては、シックハウス症候群やアレルギーなど深刻な病気を引き起こしてしまいます。

今日は、健康に子育てをするうえで欠かせない住宅アイテムについてご紹介していきましょう!

 

■ほんとうに怖い……「シックハウス症候群」とは

新築やリフォームした住宅において、壁・床などの接着剤や、建材・塗料などから放出される化学物質が原因となり起こる健康障害を、総称して「シックハウス症候群」といいます。

ホルムアルデヒドや、揮発性物質(VOC)などの化学物質が、めまいや吐き気、頭痛や皮膚疾患・のどの痛みや鼻の障害などを引き起こします。

患者数



「国民生活センター」によると、原因物質を含んだ建材の普及と、住宅の気密性が高まった平成8年(1996年)ごろから症状を訴える人が急増。

その後、建築基準法の改正や建材の規制・品確法の制定などさまざまな法規制がされましたが、いまだ相談件数は横ばいで減っていません。

これは、法規制が新建材や新素材への対応に追いついていないことを表しています。

 

■原因は住宅の高気密化・高断熱化

「シックハウス症候群」というと、建材からの化学物質だけが原因と思いがちですが、そうではありません。

カーテンやじゅうたん、家具などから揮発する化学物質や、衣類や日常生活用品、ダニやカビなど、様々なものによる“室内空気汚染”が原因になっています。

また、住宅の高気密・高断熱化により、省エネで住みやすい住宅が実現する反面、自然換気不足による室内空気汚染や、高湿度でダニやカビの温床となる結露を起こしやすくなっています。


シックハウス被害情報 性別 年代


「国民生活センター」によると、シックハウス症候群の発症年齢は30代〜40代の、しかも女性に圧倒的に多いのです。

また、ダニやカビなどが原因となるアレルギー疾患はすべての年代で発症しますが、小児に多いとの報告があります。

 


■今すぐできる!!シックハウス対策と健康住宅のマストアイテム

「厚生労働科学研究所」によると、1980年代に欧米で問題になった「シックハウスビル(高気密・高断熱ビルにおけるシックハウス) 症候群」では、発生原因の53%が不適切な換気にありました。

現在の日本の住宅も、高気密・高断熱化が進み1980年代のシックビルと似た環境にあると言えます。


シックビル原因グラフ



グラフからわかるように、シックハウス症候群の予防や軽減には、部屋の換気が1番大切だということ。

リビングや寝室など、長時間滞在する部屋は、5分から10分の換気を1日2〜3回行うだけでもシックハウス対策に効果があります。

また、これから中古住宅を購入される方は、改正建築基準法により24時間換気が義務付けられた、平成15年7月確認済み以降の建物を購入しましょう。

スイッチを入れておけば、家中の空気が2時間で入れ替わります。

また、24時間換気は結露を防ぎ、カビやダニを防ぐこともできます。この24時間換気設備は、いまでは健康住宅には欠かせないマストアイテムとなっています。

 

20年前以上から問題にされているシックハウス症候群ですが、国の様々な法規制にもかかわらず、新建材や家具・日用品などによりいまだ解決していないのが現状です。

しかし、私たちの「こまめに換気をする」ことにより、シックハウスの大部分は解決してしまうのも事実です。

住宅を手に入れたら終わりではなく、その後も少しの手間をかけ、快適で健康な住環境を保っていくことが大切です。

当事務では、「安全な住まいにしたい」「健康的で快適な住まいにしたい」など、WEBによる間取り相談を実施しております。
詳しくはHPをご覧くださいませ。

 

【参考】

※ シックハウスに関する相談件数 – 日本VOC測定協会

※ シックハウス年代性別患者数 – 国民生活センター(PDF)

※ シックビル症候群の原因調査 – 厚生労働科学研究所(PDF)

2022年06月29日 15:06

リノベーションで後悔しないために!「優良中古物件」の簡単な見分け方

中古住宅を買って、自分好みにリノベーションする人が増加傾向にあります。
また、2016年の首都圏では、新築マンションの供給戸数より中古マンションの成約戸数が多くなりました。

人気のリノベーションですが、無知なまま中古住宅を購入すると、あとで痛い目に合うことも……。

今回は、リノベーションに向く「優良中古物件の見分け方」についてのお話しです。

 

まずは知っておきたい!リノベーションの基礎知識

リノベーション向きの中古住宅をえらぶ前に、リノベーションの基礎知識をおさえておきましょう。

  • リノベーションの費用の相場

中古住宅を買って、リフォーム・リノベーションする場合、その費用の相場はどのくらいでしょうか?

構造や工事の内容にもよりますが、戸建てで500万円から1,500万円、マンションで300万円から1,000万円程度といわれています。

この金額に、中古住宅の購入資金が加算されるわけです。

ですから、適正な中古住宅を慎重に選ばないと、新築住宅より高くなってしまうことがあります。

 

  • 物件によっては、工事の内容に制約がある

大手ハウスメーカーの住宅は、工法によってはリノベーションが難しい場合も。

もし、大手ハウスメーカーの住宅を購入してリノベーションをしたいときは、一般的な工務店で対応するのが難しい場合も。

そのハウスメーカーにリノベーションを依頼するのが無難ですが、費用は割高になるかもしれません。

 

  • リノベーションにも補助金・減税制度がある

新築には、すまい給付金や長期優良住宅減税など、さまざまな減税や補助金制度がありますが、リノベーションにも、多くの補助金や減税制度があります。

補助金や減税制度には、それぞれ適用条件がありますので、お住まいの自治体などで必ずチェックしましょう。

 

リノベーション向き「中古戸建て」のポイント

では、どのような中古の戸建てがリノベーションに向いているのか、そのポイントをご紹介します。
 

・敷地は、巾4m以上の道路に2m以上接していること
「再建築不可」という格安の中古住宅、よく見かけませんか?

住宅の敷地が、接道条件を満たしていないため、その敷地には新しく家を新築することができないというものです。

接道条件とは、住宅の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接しなければいけないという都市計画地域に制定された建築基準法の制約です。

リノベーションは新築ではないため、道路に敷地が接していなくても工事を行うことは可能です。

しかし道路に接していないということは、工事もしづらく、工事費もかさみます。

給排水の配管なども、他人の敷地を通っている場合も多く、工事に隣家の許可が必要などのトラブルも発生します。

また、地震時や火災時の消火活動も消防車や救急車が入れなく、避難・救助にも支障がでます。

 

 

・軟弱地盤はぜったいNG!

建物の乗る敷地の地盤は、最も大切です。

新築であれば、地盤を強く改良する工事ができますが、リノベーションの場合は地盤を改良することができません。

建物をいくら耐震補強しても、地盤が軟弱であれば、地震の力で建物は壊れます。

 

・周辺環境や防犯性の良さ

線路や幹線道路などに住宅が面している場合、交通騒音や排気ガスなどの影響が大きくなります。

健康被害が出るようなものかどうか、隣家や周囲の人に聞くなどして判断しましょう。

また、周辺に荒らされた空き地や空き家などがあると、犯罪の危険性が高くなります。

周辺環境や防犯性の良さが確保されている地域がオススメです。

 

リノベーション向き「中古マンション」のポイント

次は、どのような中古のマンションがリノベーションに向いているのか、そのポイントをご紹介します。
 

・定期的に大規模修繕・補修がされている

マンションは、規模も大きいことから、建物の修繕や補修などの管理が大切になります。

一般的に新築から12年程度の周期で、防水工事・外壁塗装・鉄部塗装などの大規模修繕が行われます。

これらの工事がきちんと行われているかは、大規模修繕記録などで確認します。仲介業者に入手してもらいましょう。

 

・修繕積立金や管理費の滞納がないこと

マンションに住むためには、共用部分やエレベーター設備などの管理費や、大規模修繕のための積立金を納める必要があります。

しかし、マンションの所有者の中には、この管理費や修繕積立金を滞納している人がいます。

その滞納があまりに多くなると、管理に支障がでるだけでなく修繕積立金不足から、建物の十分な修繕ができなくなります。

修繕積立金や管理費の滞納状況は、マンションの管理組合が管理しています。仲介業者に、閲覧または入手をお願いしましょう。

 

ごみ置き場、自転車置き場、メールボックスなどがきちんと清掃、整頓されている

ごみ置き場・自転車置き場・メールボックスなどは、マンションの管理状態がわかるだけでなく、マンション住人のマナーの良しあしもわかる場所です。

きちんと仕分けしてごみが出されている・メールが郵便受けからあふれていないなど、清掃・整頓状況を確認しましょう。



 

いかがでしたか?

リノベーション向き中古物件を選ぶためには、このようにたくさんの注意ポイントがあります。

あせらず、細心の注意を払って、良い物件を選んでくださいね。
 

(しかまのりこ)
 

2018年05月01日 21:27

中古住宅は不安・汚いというイメージが変わる!? 国が認める「安心R住宅」

あなたは中古住宅と聞いて、どんなイメージを持ちますか?

地震の時、壊れないかしら?という「不安」や、設備や内装が古くて「汚い」、今までどのように管理・修繕されてきたのか「分からない」といったネガティブなイメージを持つ方も多いかもしれません。

でも、この「不安」「汚い」「分からない」の部分が解消されたら、手頃な価格で購入できる中古住宅を検討したくなるかもしれませんよね。

今回ご紹介するは、これから中古住宅を購入したいと思っている人には良いニュースです。

 

■中古住宅の流通が、日本でなかなか進まない理由

以前も、「どうして日本は「新築」天国なの?プロが教える、中古住宅3つの見極めポイント」という記事でご紹介しましたが、日本の中古住宅の取引割合は15%程度。

中古住宅の売買が活発な欧米は、アメリカ(83%)、イギリス(87%)、フランス(68%)であることを考えると、とても低い水準と言えます。

戦後、焼け野原となった日本では、住宅不足から「質より量」が求められ、「住宅は建て替えるもの」という意識から、新築重視の木造文化が根付きました。

 

さらに、中古住宅に対する負のイメージ「不安」「汚い」「分からない」が強く、「家を買うなら新築」という意識がなかなか消えません。

しかし、日本は今後、急速な少子高齢化・人口減少という構造的な転換点を迎えており、新築を増やすのではなく、今ある中古住宅を有効に活用することが環境にもやさしく、重要になってきています。

中古住宅の流通を増やすことが、今後の日本の課題となっているのです。

 

■高品質の中古住宅を対象にした認定制度「安心R住宅」

この中古住宅に対する「不安」「汚い」「分からない」イメージを払拭すべく、国土交通省は、新たな認定制度を新設する方針を明らかにしました。

それが「安心R住宅」です。

建築士による建物検査(インスペクション)の実施や、建物情報の開示、基準に適合したリフォームの実施などをおこなった中古住宅に「安心R住宅」という認定マークを与えます。

国が認定マークという一定のお墨付きを与えることで、買い手が安心して中古住宅を購入できるようにしようという狙いがあります。

「安心R住宅」の認定マークが与えられるのは、下記の要件をクリアした中古住宅です。

 

また、中古住宅の情報に関しては「開示が必要な項目」として、下記のような詳細情報の開示を行うこととされています。

 

 

■画期的な制度だが、手間やコストなどの課題も

1戸1戸コンディションが違う中古住宅において、インスペクションの実施や情報開示は、買い手にはありがたいお話しですが、

不動産業者にとっては手間やコストがかかるため、小規模な業者は対応不可能になる場合も出てくると思われます。

また「開示が必要な項目」とされている中古住宅の情報に関しては、すべてが「不明」であっても「安心R住宅」の認定マークを取ることは可能です。

こうした運用面での課題も残っていますが、少なくとも私たち消費者は「安心R住宅」以上の中古住宅を選ぶという基準も持てることから、今までにない画期的な制度となることが期待されています。

 

 

いかがでしたか?

この夏をめどに告示化し、運用を開始する予定の「安心R住宅」。

本格的な実現にはまだ課題はありますが、インスペクションの実施や、建物の情報開示など、消費者が安心して中古住宅を購入できるはじめの一歩となるのは間違いないようです。

 

(しかまのりこ)

 

【参考】

国土交通省『新しいイメージの既存住宅』の情報提供制度について

2017年04月17日 22:42

補助金がもらえる?コスパのいい「エコリフォーム」ベスト3は?

国が進める「住宅ストック循環支援事業」の1つで、エコなリフォームをすると、補助金が国から支払われる「エコリフォーム」制度。

前回は、住宅をそろそろリフォームしたい!

または、中古住宅を購入して住宅性能をUPしたい!

という人にオススメのエコリフォームについてご紹介いたしました。

今回は、比較的少額でできる「補助金を使った、コスパ満足、お得なエコリフォーム」についてお伝えしたいと思います。

 

■エコリフォーム対象のエコ住宅設備は5つ!

補助金が支払われるエコリフォームのなかで、比較的簡易にできるものは、エコ住宅設備の設置です。

つまり、給湯器やトイレなどの設備をエコなものにリフォームするものです。

エコ住宅設備にはおもに下表のような種類があり、それぞれに補助金の額が決められています。

 

補助金エコ設備

この5種類のエコ住宅設備を、補助金を使って設置した場合、どのエコ住宅設備がお得なのでしょう?

 

■堂々の第1位は 節水トイレ!

従来のトイレ(13リットル型)を節水トイレ(3.8リットル)に変えただけで、年間1万5,000円もの水道代が節約できます(4人家族の場合/TOTO調べ)。

節水トイレは激安店などでは工事費込みで7万円程度で購入できますので、補助金を差し引いた実質負担は約4万6,000円。

 

年間1万5,000円もの水道代が節約できるのですから、約3年でリフォーム代金の元が取れてしまいます。

3年目以降は毎年1万5,000円もの水道代が節約されるのですから、とってもおトクですね!

 

■第2位:意外と知らない節湯水栓

節湯水栓とは、無駄な給湯や水道を自動でカットしてくれる混合水栓のことです。
キッチンの混合水栓を節湯水栓に取り換えただけで、年間で109㎏のCo2を削減でき、また水道代とガス代合わせて年間1万円程度の節約になります。

節湯水栓は工事費込みで約5万円程度から設置できますので、補助金を差し引いた場合、約5年程度で元が取れてしまいます。

 

■第3位:ひそかに人気!太陽熱利用システム

太陽熱利用システムとは、太陽のエネルギーを使ってお風呂やキッチンの給湯をしたり、冷暖房するシステムのことで、太陽光発電とは違います。

一般的な都市ガス給湯器から太陽熱利用温水器にリフォームした場合、年間で454㎏のCo2を削減でき、また年間3万5,000円程度の節約になります。

 

太陽熱利用温水器は工事費込みで、約30万円弱で設置できます。

補助金を差し引いた場合、8年程度で元が取れてしまいます。

地球とお財布、双方にやさしいエコリフォームですね。

 

■どのエコ住宅設備の組み合わせが、一番おトク?

エコ住宅設備には、その他に断熱浴槽やエコキュートやエコジョーズなどの高効率給湯器がありますが、設置コストがかなり高額になるため、補助金を利用してもあまりおトク感はありません。

また、補助金を受け取るためには3種類以上のエコ住宅設備の設置が必要で、かつ補助金額の合計が5万円以上でなくてはなりません。

つまり、節水トイレと節湯水栓、太陽熱利用システムの組み合わせが、補助金の支給要件もクリアし、かつ地球にもお財布にもやさしい、ベストなエコリフォームとなります。

 



いかがでしたか?

エコ住宅設備にも、いろいろな種類があり、またコストパフォーマンスも違います。

補助金がおりるこの機会は、おトクなエコリフォームをして、住宅性能をUPするチャンスです。

お得なエコリフォームの申し込みは平成29年6月30日締め切りですので、早めの検討をオススメします。

(しかま のりこ)

2017年02月22日 22:26

これだけはおさえたい!築年数別オススメ「エコリフォーム」

「エコリフォーム」って知っていますか?

国が進める「住宅ストック循環支援事業」の1つで、簡単に言うとエコ(環境や地球にやさしい)なリフォームをすると、補助金が国から支払われる制度です。

つまりおトクに、かつエコなリフォームできてしまうのです。

そこで今回は、今住んでいる住宅をそろそろリフォームしたい!

または、中古住宅を購入して住宅性能をUPしたい!

という人にオススメのエコリフォームについてご紹介いたします。

 

■エコリフォームには、大きく分けて3つのタイプがある

補助金が支払われるエコリフォームには、下記の3つのタイプがあります。

  1. 窓や扉の断熱リフォーム
  2. 壁、屋根・天井、床の断熱リフォーム
  3. 給湯器などの設備をエコなものにリフォーム(3種類以上の設備)

それぞれの工事に関して既定の補助金が支払われ、その補助金は最大30万円/戸(耐震改修を行う場合は45万円/戸)です。

また1~3のいずれかのエコリフォームにプラスして手すりを設置したり、建物の劣化を防ぐ工事や耐震改修などにも補助金が支払われます。

詳しくはエコリフォーム/住宅ストック循環支援事業事務局のサイトをご覧ください。
 

 

■築年数別に分けると、どの組み合わせがおトクでエコ?

補助金が下りるのはとても嬉しいことですが、いろいろなエコリフォームに、それぞれ補助金が決められていて、どのリフォームをすれば結局おトクでエコなのか迷いますよね?

そこで、建築士で家計を預かる筆者がオススメする「築年数別エコリフォーム」の組み合わせを考えてみました。


【1:築10年~築20年未満の中古住宅に住んでいる(または購入して)しっかりエコリフォームしたい人】

まだ築年数も比較的新しいのですが、設備関係が交換時期に来ているので、

補助金がおりるこの機会に給湯器やトイレなどの設備をエコなものにリフォームするのがベスト!

値段も比較的、安く済みます。詳しいお話しは次回。

 

【2:築20年~築30年未満の中古住宅に住んでいる(または購入して)しっかりエコリフォームしたい人】

壁、天井、床の断熱リフォームをしましょう。

住宅性能がグンとUPし、夏は涼しく冬は暖かく快適になります。

まだ家を建ててから一度も給湯器などの設備を交換していなければ、あわせてエコなものにリフォームしましょう。

 

【3:築30年以上の中古住宅に住んでいる(または購入して)しっかりエコリフォームしたい人】

壁、天井、床の断熱リフォームにプラスして耐震改修をしましょう。

昭和56年以降に建てた建物であっても、築年数が経っているので耐震基準は満たしていたとしても、耐震補強は必要です。

断熱リフォームの際に壁や天井も壊すので、耐震工事も比較的割安に済みます。

また、昭和56年以前の建物は、耐震補強をすることが補助金を受け取るための必須条件になるので注意してください。

また、高齢者がいるお宅では、壁、天井、床の断熱リフォームをする際に、手すりの設置や車いすが通れるように廊下を広くする工事も併せて行うと、工事が2度にならなくておトクですよ。

 

■さらに余裕のある人は、窓のリフォームをプラスしよう!

壁、天井、床の断熱リフォームをすると、家は魔法瓶のような状態になります。

つまり、家の中の温度を保とうとするため、冬の暖房・夏の冷房が少ない電力などでよく効くということです。

しかし、窓を断熱していなければ、そこから熱が出入りしてしまいます。

 

窓からはなんと壁の5倍以上もの熱が出入りしているのです。

これでは壁、天井、床の断熱リフォームをしても、窓が多い家だとあまり意味をなさなくなります。

しかし、家全体の窓の断熱リフォームはとても高額になります。

そこでオススメなのは、家族が集まるリビングダイニングや寝室・子ども部屋だけでも、補助金を利用して窓をリフォームすることです!

少ない出費で快適性能がさらにUPしますよ。


いかがでしたか?

住んでいる住宅をリフォームしたい、または中古住宅を購入してリフォームしたい人にも大いに使えるエコリフォーム補助金制度!

このおトクなエコリフォームの申し込みは平成29年6月30日締め切りですので、検討している方はお早めに。

次回は、比較的少額でできる「補助金を使った、簡易でお得なエコリフォーム」についてお伝えしたいと思います。

 

2017年02月19日 22:19

これで安心!「リフォームトラブルを防ぐ」ための、発注時の3つのポイントとは?

住宅も新築から数年たってくると、屋根や外壁などの外装から、壁紙やフローリングなどのリフォームを考えるようになりますよね。

しかし近年は、いい加減なリフォーム工事により、様々なリフォームトラブルが発生しています。

そこで前回は、リフォーム工事の現状やトラブルについてお話しいたしました。

今回は、増加するリフォームトラブルを防ぐ、具体的な方法についてのお話です。

 

■トラブルに巻き込まれないための「リフォーム発注時」のポイントは、3つ!

トラブルのないリフォームにするためには、どんなポイントがあるのでしょうか?

(1)リフォームしたい内容に優先順位をつけ、余計な工事が増えないように整理しておく

「はじめは窓だけの交換のつもりでリフォーム会社に相談したが、いつの間にか部屋の内装工事まで提案され、出来上がったお部屋は聞いていたイメージと違っていた」

こういった話は、リフォームではよく起こるトラブルです。

打ち合わせをしているうちに、あれもこれもとリフォームしたくなるかもしれませんが、必ずリフォームしたい内容に優先順位と予算を立て、余計な工事が増えないようにリフォーム内容を整理しておきましょう。

 

(2)見積もりを複数のリフォーム会社からとり、信頼できる建築士のいる事業者を選別する

リフォームの多くは、建築基準法による確認申請を要しないものです。

つまり建築士などの専門家でなくても、リフォーム工事ができますし、誰でもリフォーム事業を開業できてしまうということです。

この中には、悪質な事業者も混じっているので、信頼できる事業者を慎重に選ぶことが重要です。

複数の事業者に見積りを依頼してその内容を比較したり、建築士事務所登録や建設業の届け出などを確認したり、事業者の施工実績を確かめるなど、納得がいくまで検討して事業者を決めることが大切です。

 

(3)契約書には工事範囲や保証範囲、追加工事が発生した場合についても明記する

リフォーム工事のトラブルの多くは、「図面や契約書がなく、口約束で工事が始まった」「見積書を取らずに工事を発注してしまった」、など、あいまいな契約に起因していることが多くなっています。

契約書には工事の内容や工事の範囲、追加工事や工事変更に関わる合意や金額の内訳や瑕疵(欠陥)があった場合の保証期間・補償内容などを明記し、また設計図書や見積書などの書類を添付して契約することが大切です。

 

■見積もり金額や契約内容が妥当かどうかわからないときは、専門家のアドバイスを

見積もり金額や契約内容が妥当かどうかわからないときは、契約前後にかかわらず公的機関による「専門家相談」が利用できます。

(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの住まいるダイアルでは、「専門家相談」のほか、見積書の内容や見方がわからない消費者を対象に「リフォーム見積チェックサービス」も実施しています。

 

■万が一のために、リフォームかし保険を利用する

リフォーム工事は新築工事と違い、工事終了後10年の瑕疵(欠陥)責任はありません。

多くのリフォーム事業者では、自社の保証をうたっていますが、スムーズに欠陥に対する補修が実行される保証はありません。

そこで大切になってくるのが「リフォームかし保険」です。

リフォーム工事で欠陥があった場合、保険会社から事業者に補修金額が支払われるもので、スムーズに補修工事が行われるため消費者も安心ですね。

リフォーム業者を選ぶときは、リフォーム瑕疵保険へ加入している業者を選びましょう。

 

いかがでしたか?

住宅は保守修繕することにより、快適に過ごせますし、またその寿命も延びます。大切なマイホームですから、よい事業者を選び、満足のいくリフォームを成功させたいですね。

(しかまのりこ)

 

【参考】

住まいるダイアル – (財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター

リフォーム瑕疵保険 – 国土交通省

2016年10月27日 21:16

50万円以下は「工事してもらえない」?リフォームトラブルが起きる背景とは

住宅も新築から数年たってくると、壁紙やフローリングが汚れてきたり、給湯器や蛇口などの設備が壊れてきたり、あるいは部屋の間取りを変えたくなったりしますよね。

そんな時、お世話になるのがリフォーム会社です。

しかし近年は、いい加減なリフォーム工事にまつわるトラブルが激増しています。

どうしてこのようなトラブルが増えているのでしょうか?

今回は、リフォーム工事の現状やトラブルと、その回避法について、2回にわけてお話しいたします。

 

■リフォームの平均金額は戸建てが782万円、マンションが663万円

みなさん、リフォームには大体どのくらいの予算をかけて行いたいと思っていますか?

住宅関連商品を販売するLIXILが2015年に調査した結果によると、リフォーム工事を希望する人の約40%は、50万円以下の小規模リフォームを希望しているのにもかかわらず、その半分は、業者が請け負ってくれない等、工事のミスマッチが起きているようです。

 

では、実際に工事契約が成立したリフォーム金額はいくらなのでしょうか?

(社)住宅リフォーム推進協議会が2014年に実施した調査によると、リフォーム工事の平均金額は戸建て782万円(中央値 500万円)、マンションが663万円(中央値 526万円)と、かなり高額になっています。

 

■リフォーム相談件数は近年増加傾向にある。リフォームトラブルの第1位は?

このように、高額なリフォーム代金を支払って工事したにもかかわらず、工事後に不具合が起き、トラブルになるケースも増えています。

 

住宅トラブル相談を行う(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターが、2015年に発表した調査によると、財団に寄せられたリフォーム相談件数は近年増加傾向にあり、2014年度で9,305件。

そのうち、約半数にあたる4,544件(48.8%)が、リフォームにより住宅に不具合が生じているという結果に。

マンションの場合は、床や建具の変形やクロスのはがれ、給排水管からの漏水などが多く、比較的原因の特定しやすく修繕のしやすい内容。

しかし戸建ては、屋根・外壁などからの雨漏りが1位、次いで屋根・外壁のはがれやひび割れとなっており、マンションのリフォームトラブルに比べると、解決の難しい大きなトラブルが多いようです。

 

■リフォームトラブルの原因は「深刻な職人不足」?

このような住宅トラブルはリフォームに限らず、新築でも増えており、建設業界全体の大きな問題となっております。

では、なぜこのような事態になってきているのでしょうか?

背景には建設業界の構造的な様々な問題がありますが、中でも深刻なのが職人の不足です。

(社)住宅リフォーム推進協議会が建設事業者におこなったアンケートによると、63%の事業者が職人不足を感じています。

 

なかでも大工の減少が最も多く、建設現場のプロである大工の減少が工事の質に影響を与えている結果となっています。

腕の良い職人は高齢化を迎え、その技術を受け継ぐ若手の育成も進んでいません。

また多くの新建材なども開発され、職人に求められる技術は、より高度化しています。

今後は大学でも職人養成学科を創るなど、大規模な職人養成改革が必要なのかもしれません。

 

いかがでしたか?

私たちの生活の基盤である住宅は、安全で安心できるものでなくてはなりません。

その安心を脅かす住宅トラブルは、何としてでも回避しなくては、健康で幸せな日常生活は送れません。

次回は、リフォームトラブルを防ぐ具体的な方法についてお話ししたいと思います。

 

(しかまのりこ)

 

【参考】

リフォームコンタクト申し込みデータ – LIXIL

住宅リフォーム実例調査 – (社)住宅リフォーム推進協議会(PDF)

住宅相談統計年報2015 – 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(PDF)

2016年10月26日 21:07

家を相続した…もし「空き家」にしたらどのくらいのコストがかかる?

空き家の増加が止まりません。

総務省が平成25年に実施した調査によると、空き家数は全国で約820万戸にものぼり、住宅7戸に1戸が空き家になっています。

相続による空き家の取得など、意外に身近で、また多くの問題を抱える空き家。

前回は、空き家の定義と、その内訳や現状についてお話ししました。

今回は、空き家にかかるコストと、その解決策についてお話ししたいと思います。

 

■空き家にかかるコストはどんなものがあるの?

空き家は「不動産」ですので、使用していなくても様々なコストがかかります。

代表的なものが、土地と建物にかかる固定資産税・都市計画税です。

これは、基本的に両方合わせて資産評価額の年1.7%。

空き家のある市町村によって軽減措置があるものの、それでも毎年数万円から十数万円ほどかかります。

この他にも、マンションであれば毎月の管理費や修繕積立金がコストとしてかかってきます。

一戸建てであれば、最低でも敷地の安全や衛生面を守らないといけないため、危険な塀があれば補修し、衛生上問題のある植栽は伐採しないといけません。

また定期的に空き家を管理するために、民間の空き家巡回サービスを利用することもできますが、費用は毎月5,000円から1万円ほどかかります。

維持していくには想像以上にコストのかかる空き家、ではその解決策を考えていきましょう。

 

■補助金をうまく活用して、修繕して賃貸や売却に出すという方法も

国土交通省は、空き家の除却や活用に取り組む地方自治体を「空き家再生等推進事業」で支援しています。

この制度により空き家を解体したり、リフォームして再利用する場合、国や地方自治体の補助金・助成金を受けられることがあります。

空き家のある市町村に問い合わせしてみましょう。

もし補助金が受けられるのであれば、その補助金を使って空き家をリフォームし、賃貸や売却に出すという方法や、空き家を取り壊し更地にして売却するという方法もあります。

また売却に出す場合は、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売却すれば、売却した利益が3,000万円までなら、その利益に対して所得税は課税されないという特例(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例)もあります。

また2016年度税制改正で、相続した空き家を売却した場合も、特例(空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例)が受けられるようになりました。

相続した空き家を売却した場合も、利益が3,000万円以内であれば同じく所得税が課税されません。

 

■いまは賃貸で暮らし、いずれ実家に住むという方法も

手放すのが賢明と分かっていても、実家の売却をすぐに決断できる人は、そう多くありません。

親が介護施設に入居していても、いつか家に戻りたいと言い出すかもしれませんし、親が亡くなって実家を相続した場合も、思い出のつまった実家です。

そうした場合、実家に住むという方法も考えられます。

相続した実家に住むのなら、相続税が軽減される特例もあります。

30年近い住宅ローンを組み新たに住宅を購入するよりは、先に挙げた補助金を含め、耐震工事や断熱工事の補助金も有効に使い、古い実家を再生させ住み続けるというのも有効なのではないでしょうか。

 

いかがでしたか?

以前は多くの家族の生活を見守り、育ててきた空き家。

その空き家の今後について、私たちは責任を持った解決を持たなければいけません。

2016年09月24日 00:11

空き家の原因は「家の相続」!? 他人事じゃない!もし空き家になったらどうしたらいい?

日本全国で、空き家が年々増加しています。

「私には関係ないわ」と思っていませんか?

しかし空き家問題は、実家がある人には避けて通れない身近な問題なのです。

防犯・防災・衛生環境的にも多くの問題を持つ「空き家」。

今回は、その空き家問題について、2回に分けて考えてみたいと思います。

 

■全国で約820万戸、7戸に1戸が空き家。そもそも空き家の定義とは?

総務省が平成25年に実施した調査によると、空き家数は全国で約820万戸にものぼり、総住宅戸数の13.5%を占めています。

これはまさに、7戸に1戸が空き家ということ。

では「空き家」とは、どういった状態の家を指すのでしょうか?

2015年に施行された空き家等対策特別措置法によると

「空き家等とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着するものを含む)をいう。」

と規定されています。

「居住その他の使用がなされていないことが常態である」とはどのような状態かというと、1年間使用されていないことが1つの目安となるそうです。

つまり、1年間使用されていない家や門や塀、植栽などは空き家と判断され、市町村から空き家対策特別措置法を適用され、空き家を適切に管理するように調査・勧告をされます。

 

■「特定空き家」に指定されると、強制的に取り壊されることも?

また空き家と判断され、その空き家が、特に倒壊のおそれや衛生上有害と判断されると「特定空き家」と指定されることがあります。

「特定空き家」と指定されると、空き家を安全な状態に修繕したり、または取り壊しなさいなどの命令が市町村から空き家の所有者に対し出され、標識が立てられます。

その命令に従わないと、市町村は空き家の所有者に代わって、強制的に空き家の取り壊しなどができます。

思い出のある実家が、このような末路をたどるのは悲しいですね。

 

■空き家になるきっかけ……じつは過半数が相続!!

空き家の定義がわかったところで、ではその内訳をみていきましょう。

空き家は大きく「売却用の空き家」「賃貸用の空き家」「別荘など二次的な空き家」「その他の空き家」の4種類に分かれます。

この中で、放置され問題を起こす可能性が高いものが、「その他の空き家」で、空き家全体の約4割を占めています。

 

この「その他の空き家」とは、賃貸にも売却に出す予定もなく使用予定のない家のことで、介護や入院で不在となった家実家を相続したなどのケースが含まれています。

実家を相続したけれど、相続する側がすでに家を持っているなどの理由から、相続した家が空き家となるというケースは、「その他の空き家」を取得した経緯の56.4%と過半数にも上ります。

 

また空き家率を都道府県別に見てみると、別荘等の二次的住宅を除いた空き家率は,山梨県の17.2%が最も高く,次いで四国4県となっています。

一方、空き家率が低いのは、東日本大震災の影響を受けた宮城県が1位となっており、ついで沖縄県の9.8%、山形県,埼玉県と続きます。

 

 

いかがでしたか?

意外に身近で、また多くの問題を抱える空き家問題。

次回は、空き家にかかるコストと、その解決策についてお話ししたいと思います。

 

【参考】

空き家の内訳 – 総務省統計局

住宅取得経緯 – 国土交通省

都道府県別空き家率 – 総務省統計局

2016年09月23日 00:08

40歳未満は「中古住宅×リノベ」がおトク!知らないと損する、補助金制度を総まとめ

30代は、初めてのマイホーム購入や子育て真最中でもある世代。

多くの出費がかさむ中でも特に負担が大きいものが、家賃や住宅ローンなどの住居費。

なんとか減らしたいですね。

今回は、中古住宅を購入するときのお得な補助金についてお話しします。

 

■中古住宅を壊して、新しい住宅に建て替えると「最大50万円」の補助金が!

国土交通省は8月「住宅ストック循環支援事業」を発表し、中古住宅を購入・リフォームした場合に、補助金を出す制度を秋の臨時国会に提出します。

補助金制度は大きく3つの制度で構成され、また40歳未満の若年層を対象にしたものと、年齢制限のないものとに分かれています。

年齢制限のない支援制度の1つが、「エコ住宅建替補助制度」です。

耐震化していない古い住宅を壊して、新しく省エネ住宅に建て替える場合、30万円の補助金が支給されます。

その住宅が行政庁の認定する長期優良住宅であれば、さらに20万円プラスされ、最大50万円の補助金が支給されます。

 

■年齢制限ナシ! エコリフォーム補助制度なら最大45万円の補助金!!

年齢制限のない支援制度の2つ目が、「エコリフォーム補助制度」です。

中古住宅を購入して、建物の省エネ・断熱リフォーム工事などをした場合は最大30万円の補助金が支給されます。

同時に地震に対する耐震リフォームも行えばさらに15万円プラスされ、最大45万円の補助金が支給されます。

 

■40歳未満なら最大65万円の補助金! インスペクション(調査)にも一律5万円の補助が

40歳未満の若年層を対象にした支援制度は、住宅診断や保険、耐震性の確保が必須条件になります。

具体的には、40歳未満の人が、自分が住むための中古住宅を購入してリフォームを行う場合は、まず住宅の劣化具合を専門家に調べてもらう「インスペクション(調査)」を実施しなければなりません。

インスペクションで指摘された不具合を修繕し、断熱性能の高い二重サッシを取り付けるなどのリフォームをして、安全でエコな住宅にします。

さらに住宅に不具合が出るなどの万が一の時、建物の修繕費用が保険でまかなえる既存住宅売買瑕疵(かし)保険に加入することで、50万円の補助金が支給されます。

耐震リフォームも同時に行えば、さらに15万円プラスされ、最大65万円の補助金が支給されます。

なお、インスペクション(調査)の費用も別途一律5万円支給されます。

住宅診断や保険、耐震性を確保した優良中古住宅の購入が、手厚い補助金により実現しやすい内容となっています。

 

■「住宅ストック循環支援事業」の予算は250億円、5万戸の利用が見込まれている

これらの補助金制度を盛り込んだ「住宅ストック循環支援事業」の予算は250億円、政府は5万戸の利用を見込んでいます。

9月中旬予定の臨時国会で内容を審議され、予算成立後、年内に実施される見通しです。

 

いかがでしたか?

新築志向が強く、欧米に比べまだまだ中古住宅の市場が低い日本。しかし、中古住宅に限った補助金制度も多くあります。

充実した補助金制度を有効に使って、質の良い中古住宅購入を実現してみませんか?

 

【参考】

住宅ストック循環支援事業 – 国土交通省

 

2016年09月14日 00:02