あなたの家では、「洗面室」をどのように使っていますか?
入浴する際の脱衣や、歯磨きをしたり洗顔をしたりメイクしたり……と、狭いながらも多くの機能を持つ洗面室。
その洗面室が、最近変わってきています。
今回は、その洗面室について、最近の調査をもとにお話しいたします。
・キッチン⇔洗面室を近づけると、1年間で家事動線が「約122.6km」短くなった!
アキュラホームの「2016年住宅傾向調査」によると、同社が2015年に手掛けた戸建て住宅100棟(延べ床面積30~40坪)の間取りについて、このような傾向が明らかになりました。
この、家事を楽にする間取りのキーポイントは、「洗面室」です。
主婦が家事をする中で、最も行き来が多いとされる「キッチン⇔洗面室」の距離を調べたところ、2015年の住宅では平均3.63mに対し、2009年は5.72m。
6年の間で2.09mも「キッチン⇔洗面室」の距離が短くなったことがわかります。
これは、1日に換算するとおよそ335.9mの短縮に当たり、年間では約122.6km家事動線が短くなったことに相当するそうです。
ものすごい数字です!
・洗面室には「2か所の出入り口」を設けるのが吉!
忙しい主婦は、掃除をしながら洗面室の洗濯機を回し、料理しながら、洗濯物を干したりたたんだりしなくてはいけません。
そのため、家じゅうを効率よく動くためには、主婦の動線が重要になってきます。
洗面室への入り口が1か所では効率が悪く、キッチンと廊下などの2方向からアプローチできれば効率が上がります。
こうした事情から、洗面室への動線は、廊下からだけでなくキッチンからも出入りできるといった、出入り口を2カ所持つ間取りの採用が増えています。
また、このような動線短縮の傾向が近年支持されるのは、働く主婦が増加したため、短時間で多様な家事をこなせる効率が良い間取りが好まれた結果であるようです。
・洗面室は、年々「広く」なってきている!?
このような動線以外にも洗面室は進化しています。
「アキュラホーム住生活研究所」の調査によると、洗面室の平均面積は、2009年の住宅では4.44平米だったのに対し2015年は同5.22平米と、6年間で2割近く広くなっています。
洗濯物やバスタオル、さらには、着替え用の下着やパジャマなど、衣類を収納する収納棚を洗面室に設けるケースが増えてきていることが理由の一つだと、同社は分析しています。
従来はこれらの衣類品などを各個室に収納するため、家の中を動き回っていました。
しかし個人の衣類を洗面室に集約されたことから、家事動線が短くなり、効率的になったというわけです。
洗面室を広くし収納を充実させたことにより、生活満足度が上がったようです。
・ワザありの洗面室があれば、家事偏差値が低くても大丈夫
ちなみに共働きの筆者の自宅の洗面室は約6平米。
キッチン・廊下に隣接して配置し、また洗面ボウルは朝の混雑を考え、2台にしています。
収納は、浴室からの湿気を防ぐため扉を設け、洗面台の上下左右と、背面一面に造りました。
また60cmほどの家事カウンターを設け、ゴミ箱を兼ねた椅子に座りながら洗濯物をたためるようにしました。
家族4人分のバスタオルや下着・ハンカチ・靴下などたくさん収納できるので、家の中を動き回ることも少なく、家事偏差値の低い筆者でも大いに助かっています。
いかがでしたか?
新築またはリフォームの間取りを考える際、後回しにされがちな洗面室。
でも、家事動線をシミュレーションしてみたり、洗面室でどんな家事をするかを良く考えてプランニングすると、家事もスムーズになり、生活満足度も上がりますよ。
【参考】
※ 2016年住宅傾向調査 – アキュラホーム住生活研究所
2016年10月29日 11:41