ハウスメーカーを客観的に比較して選ぶための方法(後編)
そろそろ家を建てたい、と思った場合、多くの方はまず住宅展示場に訪れるのではないでしょうか。
しかし、モデルハウスが多すぎてどのハウスメーカーにしたらよいのかわからない、と悩む人が多いのも事実。
そこで、前回はハウスメーカーの特徴や、モデルハウスの選び方についてお話ししました。
今回は、ハウスメーカーを客観的に比較して選ぶための方法についてお話しいたします。
■住まいを比較する物差し「住宅性能表示制度」を利用しよう!
マンションのモデルルームや戸建てのモデルハウスでよくあるのが「○○工法採用!」「○○特許取得!」などという言葉。
「よくわからないけれど、凄いのかな?」と思ってしまいますよね。
しかし、これらはあくまでも売る側からのメッセージであり、客観的な判断基準ではありません。
私たち建築士でも「なんだろう?」と思ってしまうものも少なくありません。
住宅商品には、こういった曖昧な表現が多く、性能が分かりにくいという声が多かったために、客観的に住宅の性能を比較する制度が求められてきました。
そこで誕生したのが平成12年にできた「住宅性能表示制度」です。
これは、住宅の性能をわかりやすく第三者が数字(等級)で表示するというものです。
例えば「地震にどれだけ強い家か?」を住宅性能表示制度で表示すると、
耐震等級1・・・建築基準法に規定された建物
耐震等級2・・・等級1で想定する地震の1.25倍に耐えられる建物
耐震等級3・・・等級1で想定する地震の1.5倍に耐えられる建物
となります。
ちなみに建築基準法に規定された建物とは、数十年に一度発生する震度5強程度の地震に対して、損傷しない、また、数百年に一度発生する震度6強から震度7程度の地震に対して、倒壊・崩壊しない建物です。
ですから、震度8程度の地震でも損傷しない家を希望するのであれば、耐震等級3を取得している家を選ぶという判断ができますね。
■住まいを比較する項目は火災や防犯など、新築の場合は10項目!
この制度での住宅性能に関しての比較項目は、地震に対しての強さや、火災に対する安全性、柱や土台などの耐久性や配管などの住宅設備のメンテナンスのしやすさなど、新築では10の項目で比較します。
注意しなければならないのは「性能評価の等級を取っているから普通の住宅より優秀」ではないという点です。
性能評価で「等級1」は、建築基準法と同等の意味なので、性能評価を取っていない住宅と性能面では同じということです。
モデルハウスを見学するときは、「性能評価をとっているかどうか」ということと「等級は2以上か?」ということを注意して見学しましょう。
いかがでしたか?
2回に分けてお届けした「ハウスメーカーの選び方」。
まとまった休みが取れるゴールデンウィークは、住宅選びを始める絶好のチャンスです。
住宅展示場に足を運ぶ際は、ハウスメーカーの構造や特徴、性能評価の等級などを意識しながらチッェクしてみてください。
理想の住宅が見つかるかもしれませんよ。
(しかまのりこ)
【参考】