COLLINO一級建築士事務所

~間取りからインテリアまで~女性一級建築士が、住まいをトータルでサポート!

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散らかりがちなリビングダイニングが片づくコツ

子供が生まれて家族が増えると
リビングがモノであふれて、うまく片づけができなくなります
その状態を ” リビング崩壊 ” と呼んでいます
この” リビング崩壊 ”ですが、モノが多い、お片づけが下手などの理由以外に
住まいの間取りに原因があることがあります。

今回はリビングが狭くて片づかない・・・その原因と、その解決方法についてのお話です。
 
 

・間取り図のトリック




間取りAと、間取りBは、どちらも広さ78㎡3LDKのものです
ピンクで表示しているものは、押入れやリネン庫など、あらかじめ部屋に用意されている造りつけの収納です。
ここで質問なのですが、あなたならどちらのお部屋を借りたい(または購入したい)と思いますか?
 
間取りAは「LD10畳」ですが、リビングダイニングにはあらかじめ部屋に用意されている造り付けの収納がありません。
そのため、片づきやすい部屋にするためには、チェストやシェルフなど、収納家具をなにかしら購入して配置する必要が出てきます。ですから、このお部屋は収納家具のぶん狭くなりますので、実際には「LD10畳」は「LD9.5畳」になります。
そしてダイニングテーブルやソファを購入するときは、収納家具を置く場所を差し引いた「LD9.5畳」に配置することを考えなくてはいけません。
しかし、多くの人は、間取り図にある「LD10畳」としてダイニングテーブルやソファを選んでしまいます。そのため、ダイニングテーブルやソファが、収納家具を配置した実際の部屋に対して大きめのサイズになり、動きにくく狭い部屋になってしまうのです。
 
いっぽう、間取りBには、リビングダイニングにあらかじめ部屋に用意されている造り付けの収納があります。
また、この造り付け収納は、床から天井までの収納となっているので、市販の収納家具より収納量も多く、部屋が片づきやすくなる頼もしい収納です。
しかし、この造り付け収納があるため、リビングダイニングの広さは狭くなり、間取り図には「LD9.5畳」と狭く表記されてしまいます。そのため、「LD10畳」と表記された間取りAよりも、狭い印象を受けてしまいます。
 
入居後、収納家具を配置した場合、実際には間取りAも間取りB も広さは同じです。そして間取りA に既製品の収納家具を置くよりも、間取りBのようにあらかじめ部屋に用意された造り付け収納があるほうが、収納量が多いため、片づきやすい部屋になります。
そのため、モノが多く片づけに困りがちな場合は、間取り図に記載された「LD10畳」などの情報のみでなく、間取りBのような、あらかじめ部屋に用意された造り付け収納があるか?などの視点で部屋を選ぶことが大切です。また、前述したように、収納家具がない部屋の場合は、収納家具を配置したあとの広さに見合うダイニングテーブルやソファを購入することで、家具が大きすぎて部屋が狭くなるという問題を防げます。
 

・部屋に収納がない場合は?

 


すでに住んでいる部屋に、収納がない場合は、どこにどのようにして収納をつくればよいのでしょうか?
収納をつくるおすすめの場所としては、以下の場所をお勧めいたします。

・柱やパイプシャフトなどのデッドスペース
・人が動く動線上
柱やパイプシャフトなどのデッドスペースは、なににも使われていない無駄なスペースの場合が多く、収納で有効活用したい場所です。そして、人が動く動線上に収納家具を配置することで、収納作業がラクになります。

また、収納の作り方としては、
・既製品の収納家具を置く
・ラブリコやディアウォールなどDIYグッズで簡易な造り付け収納をつくる
・家具屋さんにオ―ダー家具の作成を依頼する
などの方法があります。
では、それぞれの収納について、メリットデメリットを詳しく見ていきましょう。
 

・部屋に収納がない場合の対処法―既製品の収納家具を置く


部屋に収納がない場合の対処法として、一番手軽なものは、既製品の収納家具を置くことです。
上図は、柱とパイプシャフトの間のデッドスペースに、ニトリのカラーボックスに収納ケースを使用して、収納スペースをつくった例です。
メリットとしては、値段が安く簡単に設置できること、オープン収納なので出し入れがしやすいことなどです。デメリットとしては、高さがないため、収納量が少ないこと、扉がないためホコリなどがたまりやすいことなどです。
また、既製品のため横幅にあまり部分ができてしまうことが多く、スペースがフルに有効活用できないことなどがあります。
 

・部屋に収納がない場合の対処法―ラブリコやディアウォールなどDIYグッズで簡易な造り付け収納をつくる