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「ダウンライト」で火災に!? 乾燥する冬こそ気を付けたい、身近な照明による火災の恐怖

​​​​​年末年始も近づき、寒さが本格的になってきました。

空気が乾燥する冬は、火災の多い季節です。

ストーブやコンロなどが出火原因になることはもちろんですが、「ダウンライト」などの照明器具も出火原因になることがあります。

今回は、見落としがちなダウンライトが引き起こす火災についてのお話です。

 

■「白熱電球」が出火原因で死亡事故も

11月初旬に開かれたデザインイベント「TOKYO DESIGN WEEK2016」で、木製ジャングルジムの展示作品が燃えるという事故がありました。

この火災で、ジャングルジムで遊んでいた5歳の男児1人が死亡し、2人が怪我をしたという報道、記憶にある方も多いかと思います。

消防と警察によると、木製ジャングルジム内部に敷き詰められた「かんなくず」に、演出用の照明器具の熱が引火し出火となったようです。

照明器具には白熱電球を用いた大型投光器が用いられていました。

「かんなくず」などの木くずは、紙や布・木製家具と同じく極めて燃えやすい性質を持っています。

消防法においても「木材加工品及び木くず」は、火災が発生した場合にその拡大が急速であり、消火の活動が著しく困難となるものとした「指定可燃物」になっています。

 

また、かんなくずに引火したとみられる白熱電球は通電後、短時間でガラス球の表面温度が100度以上になります。

白熱電球によって熱せられたかんなくずが発火して、木製ジャングルジムに燃え広がった可能性が指摘されているのです。

 

■「ダウンライト」のすぐ下に燃えやすい物を置くのは絶対にNG!

この白熱電球を使った照明器具による火災は住宅でも起きています。

なかでも見落としがちなのは、天井に設置した白熱電球を使ったダウンライトによる火災です。

 

押し入れや納戸、室内や洗面所などに設置されているダウンライトの直下まで布団や衣類、段ボール等の収納物を積み重ねて置いた状態でダウンライトを使用すると、ダウンライトの電球の熱が布団や衣類、段ボール等に着火して火災になります。

東京消防庁によれば、住宅の押し入れなどに設置されているダウンライトによる火災が、平成23年から平成27年までに47件発生しており、そのうちダウンライトの直下に置かれた布団や衣類などから出火した事案が26件に上っています。

同じく東京消防庁が白熱電球100Wのダウンライト直下に真綿布団を置いて実験したところ、点灯後10分で真綿布団から発煙し、約1時間で発火したというデータも発表されています。

ダウンライトが設置されている付近に物を収納する際は、注意が必要です。

 

■「ダウンライト」による火災を防ぐにはどうすればいいの?

このダウンライト火災を防ぐために、東京消防庁では以下のような注意点をあげています。

  • 室内や物置、納戸、洗濯機設置場等の収納スペース内のダウンライトの設置箇所をよく確認しましょう。
  • ダウンライトを使用する際は、メーカーの説明書やホームページにある安全上の注意事項をよく確認し、ダウンライトから収納物まで適正な距離(メーカー等不明な場合でも50㎝以上)を取りましょう。
  • 室内や収納スペースを出入りする際は、照明器具の点灯状況をよく確認しましょう。
  • ダウンライトのスイッチの押し間違えや、体や物にスイッチが接触することによる誤点灯に注意しましょう。

 

いかがでしたか?

火災の発生は、大気が乾燥する秋や冬に多くなるという傾向にあります。

衣類や布団の入れ替えをするときには、ダウンライト付近まで無理に積み上げないようにするなど、ご家庭のダウンライト付近の収納物などの確認をして、火災を未然に防ぐことが大切ですね。

 

【参考】

※ 指定可燃物/東京消防庁

※ ダウンライトにより収納物に発火した火災の状況・着火物の状況/東京消防庁

※ ダウンライトによる火災を防ぐために/東京消防庁

2016年12月19日 22:07