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住宅を傷め、喘息などの原因にも!「結露」を防いで、冬を乗り切る2つのポイント

冬になると窓にできる結露。子どもが字を書いたり絵を描いたりして、楽しんだりしますよね。

でもこの結露、放っておくと建物が傷み、カビやダニによるぜん息やアレルギーなどの健康被害をもたらすことも!

今回は、冬の風物詩(?)結露と、その対策ついてのお話しです。

 

■熱を完全にカットすれば、「結露」は防げる

結露はどうしてできるかご存知ですか?

コップに氷を入れた水を入れると、コップの外にたくさんの水滴が付きます。

これが結露です。

温かいものと冷たいものの温度差により、空気が抱えきれなくなった水分が結露となって現れるのです。

つまり温度差がなくなれば、結露はおきません。

 

たとえば、サーモスなどのマグボトルに、温かい飲み物や冷たい飲み物を入れても、結露はおきません。

それはボトルの中に真空層という、熱を逃がさない断熱層があるためです。

同じように、住宅もきちんと熱が逃げないように断熱すればよいのです。

 

天井・壁・床には断熱材を、お饅頭の皮であんこをくるむように、継ぎ目なく施工します。

窓は樹脂サッシ枠と断熱ペアガラスにし、厚めのカーテンをコの字に巻きます。

カーテンレールには、発砲スチロールなどをはめ込み、カーテン上部の隙間を埋めます。

熱が逃げないよう、徹底して断熱することが大切です。

 

■断熱材は、湿気を通さない工夫が大切!

結露防止に大切なのは、断熱をすることなのですが、その施工の仕方にも注意しなければいけません。

一般的に壁や天井に使われる断熱材はロックウールやグラスウールといった繊維系の断熱材です。

この断熱材は湿気を吸いやすい特徴があるため、湿気を吸わないように、あらかじめビニールでパックして販売されています。

しかし湿気を完全に断つためには、防湿フィルムというビニールフィルムを、もう一枚

断熱材の上から 重ねて施工すると、結露にはたいへん有効です。

 

■平成15年以前の住宅には、24時間換気の設置も有効

正しい断熱材の施工と防湿フィルムで、せっかく結露を防ごうとしても、窓を閉め切り、部屋の中を加湿すれば、あまり意味がありません。

天井や壁・床の、ありとあらゆる隙間から湿気は侵入していくからです。

しかし寒い冬は、窓を閉めて、お料理をしたり、水蒸気を発生する石油ストーブを炊きます。

またインフルエンザや風邪予防に加湿器も使うでしょう。

湿気を出さないようにすることはできませんよね。

 

そこで大切になってくるのが「24時間換気」です。

この24時間換気とは、名前の通り24時間365日一年中、換気扇を回して、家の中の空気を換気するシステムのことです。

このシステム、平成15年以降の建物には、法律により設置が義務付けられたのですが、それ以前の建物にはあまり設置されていません。

このシステムの素晴らしいところは、換気扇を回しておけば、2時間に1回、家の空気が入れ替わるように換気量が設計されているところです。

 

一酸化炭素やシックハウスはもちろん、湿気も追い出してくれる優れモノなんです。

しかも電気代は、一年中つけっぱなしでも年間1,200円~4,000円程度と安いんです。

でも「換気」聞くと、せっかく温めた暖気が逃げて行ってしまう、と損した気持ちになりませんか?

寒さが気になる場合は「熱交換型」の24時間換気があります。

この換気扇は、排出する室内の暖かい空気の熱をキャッチして、その熱で、外の寒い空気を温めて室内にとり入れる優れモノ。

イニシャルコストは少し高くなりますが、熱の損失が最小限にできますよ。  

 

 

 

いかがでしたか?

24時間換気は、サッシとトイレの換気扇を工夫すれば、意外と簡単に取り付けられます。

お近くの工務店に相談してみてください。

この冬は、家の断熱・換気性能を見直して、結露とおさらばしたいものですね。


(しかまのりこ)

 

2018年02月04日 23:09