COLLINO一級建築士事務所

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欠陥住宅が多いハウスメーカーって?

欠陥住宅って聞くと、とても怖くなりませんか?
家を買った人はもちろん、これから家を建てる人も、気になるところだと思います。
私自身、確認検査機関で働いていた時には
建築基準法の検査である確認検査や、品確法の検査である住宅性能評価の検査をたくさんやってきましたが、
例えば柱頭柱脚金物が抜けていたり、筋交い金物のビスが足りないなど
建物に地震などの応力が加わったときに、構造体に損傷が起きるような欠陥を見つけることが・・・まれにありました。


大工さんに

「ここ、金物ないですよね?」と聞くと

「う~ん、そうだっけ?」なんて言う人や
「あーほんとだ!」なんて言う人などさまざま。

よくCMしているハウスメーカーも、結構ありました。
こんな話を聞くと、少し心配になりますよね?

でも安心してください。

住宅の基礎検査や躯体検査が法律で義務付けられた住宅瑕疵担保保険ができて施行されたのが平成21年10月(2009年10月)
この直後から5年くらいは、基礎工事から躯体工事まで本当にひどい施工が多かったです。
それまでは、住宅施工が野放し状態だったからですね。
なかには施工のための図面もなくて、「どうやって施工しているのですか?」と聞くと
大工さんが「いままでそれでやってきたから!!」という満面の笑顔で返されることもありました。

しかし、法律施行から10年以上たったいまは、大手ハウスメーカーさんは、たいへん努力をされて施工の安定度がかなり増してきました。
そもそもですが、だいたいミスが起こる場所は決まっています。
そこを重点的に自社検査などで検査もするから、ミスがかなり減ってきたのです。

しかし、やはり人がつくるものですから
いまでもミスが起こり、外壁のひび割れや雨漏りやなどの欠陥につながる事例が起きています。

そしてその発見率は


ハウスメーカーの採用する工法によって異なるんです。

プレハブメーカーといわれているダイワハウスやパナソニックホームズ、ミサワホームなどでは
工場生産品が多く、現場組み立てが少ないため、致命的な欠陥はほとんどありません。
またセキスイハイムさんのユニット工法は、工場で80%部屋をつくって、現場で積み上げるだけというもので施工性がかなり安定しています。
ちなみに、致命的な欠陥とは、「基礎や構造に関すること」と「雨漏り」です。
なかでも日本の欠陥住宅の約94%は、雨漏りによるものです。
この雨漏り、じつはがん細胞に似ているんです。がん細胞って、体内で知らないうちに転移しますよね?
雨漏りも、いままで雨漏りしていたところ以外にも、壁の中で転移することがあるんです。つまり修繕しても終わりが見えない・・・かなり厄介です。
私なら、雨漏りしたことのある建物は、いくら業者の人が「修繕しましたから」と言われても、前述の理由で、購入しません。それぐらい厄介なものが「雨漏り」なのです。



欠陥の割合





軸組み工法や枠組み工法といわれる木造住宅メーカーなどで、大工さんや職人さんの手作りハウスは、
人が現場で作るものが多いため、前述したプレハブメーカーさんのような工場生産よりは、少なからず問題が発生します。
しかし、木造が悪いといっているわけでは全くなくて、建築現場での手作り部分が多いため、欠陥が発生しやすいのです。

ちなみにH29年度の工法別にみる、雨漏りや基礎の沈下など、致命的な欠陥の事故発生状況は、以下の表のようになっています(*住宅瑕疵保険会社調べ)

 
工   法 事故発生率(外壁や屋根・バルコニーからの雨漏り、基礎のひび割れ・沈下・欠損など)
木造(軸組み工法) 0.159%
木造(2×4工法) 0.164%
プレハブ工法(鉄骨) 0.011%
鉄骨造 1.220%
鉄筋コンクリート造 0.717%


工場生産の多いプレハブ工法の事故発生率は最も低く、木造の発生率の約1/14以下になっています。
プレハブメーカーがいかに優秀か、一目瞭然ですね。





COLLINO一級建築士事務所 構造合板の割れ
上の写真は、木造の壁の耐力を出す、構造用合板が欠けていますね。

COLLINO一級建築士事務所 構造金物の干渉
上の写真は、木造軸組み工法です。筋交い金物と柱頭金物がぶつかって、きちんと柱に取り付いていません。
これでは金物による本来の耐力が期待できません。


COLLINO一級建築士事務所 スリーブと主筋の干渉

上の写真は、べた基礎の欠陥です。スリーブと干渉して、鉄筋のかぶりがとれていません。
ちなみに基礎工事に関しては、すべての住宅で工場生産ではなく、現場施工のため、
欠陥が起きにくいプレハブメーカーさんでも、欠陥が発生しやすい部位です。


ほかにも、このビニール部分である防水シートが破れていることも、多くみられるものです。

またおなじ木造でも、注文住宅よりは、建売住宅の方が欠陥が多いように思います。
やはり、施主の顔が浮かばないと、大工さんも気が緩んでしまうのかな?

そして一番大切なことは、欠陥住宅って、わざとできるものではないんです。
関西の方で大事件になったような、最初から手を抜こうと思っている業者を、首都圏では見たことはありません。


「ここの金物が、いま足りないから、あとでやろう」

と思っていて、忘れてしまう・・・ということが多いように思います。

ちなみに、個人的に思うのは、

現場がきれい・片付いている場合は、大工さんが几帳面な場合が多く、金物をなくすこともなく、欠陥が少ないですね。

検査の話に戻りますが、検査員も人間なので、やはり検査があいまいになることもあります。
そこで、お施主さんが立ち会うことが大切なんですね。
関係者の現場の空気が引き締まりますから。

この検査ですが、簡単に3つの種類があります
1.建築基準法による検査(社外検査)
2.
住宅瑕疵担保履行法による検査(社外検査)
3.その工務店やハウスメーカーが自主的に行う検査(社内検査)

この3つの検査、どれが一番厳しいと思いますか?
意外に意外、ハウスメーカーの自主検査が一番厳しいんです。
やはり、自社製品にプライドを持った意識の高い人が検査している理由ではないのでしょうか。


このように、ハウスメーカーや工務店さんもふくめ
ほとんどの職人さんや大工さんは、まじめに一生懸命、家をつくっています

でも、家を欠陥住宅から守りたい場合は、
現場任せにしないことが、一番大切だと感じます。

つまり、暇さえあれば、積極的に現場に通って、大工さんや現場監督とコミュニケーションをとって

そして基礎や構造体の検査、防水検査には必ず立ち会ってください。
工事が始まる前に、あらかじめ、「検査に立ち会いたい」との意向を営業や現場監督に伝えておけば、社内検査の立ち合いは可能なことが多いです。ちなみに検査の時期は検査の種類によって変わりますが
一般的に基礎検査⇨躯体(構造体)検査⇨防水検査⇨竣工(完成)検査の4回が基本です。

なので、基礎検査の時から、現場で立ち会って、よくわからなくても立ち会うこと(その場にいること)が大切です。
そして、現場の写真も、現場監督の許可をとって撮りましょう。
家の角を含めた4方向の写真をなるべく全体が映るようにひいて撮っておくとよいですよ。
アイフォンなどの携帯撮影でも画質が高いので、拡大して十分確認できます。
布基礎の場合は、コンクリートを固める型枠をした後に検査をすることが多いので、
もし現場が布基礎の場合は型枠をする前に、現場に出かけて写真を撮ってください。
型枠をした後では、配筋が確認できないからです。

そのほか、建物はたってからも大切です。
マンションは5年、10年、15年と定期的に修繕するから安心ですが、戸建は自分で管理修繕しなくてはいけません。
車の点検と同じく、家も定期点検が必要ですので、買った工務店やハウスメーカーの定期点検は必ず受けてくださいね。
そして適宜修繕して、いつまでも家族で安心に住める快適な住まいを維持してください。


 (関連ブログ)
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2021年04月22日 08:32