イライラするのは住まいが原因!狭い賃貸でもできる・・・ストレスフリーな部屋づくりのポイント
インテリア/模様替えのお悩みで多い項目の一つに
「リビングがくつろげない」
「なにをするのもストレスフル」
というものがあります。
くつろぐためのリビングなのに、ストレスフルなんて悲しいですね。
でも、動線の整理と家具は位置を見直すことで、意外と簡単に、ストレスフルな間取りは変えることができます。
今回は、間取り相談によせられた事例をもとに「ストレスフリーで生活しやすい、快適部屋づくり」についてお話しいたします。
・人の動く「動線」の間違い
ご相談にいらした方は、30代女性、家族構成は、ご夫婦と1歳になる赤ちゃんがいらっしゃいます。
家の間取りは、LDK+洋室・寝室の2LDK賃貸マンションです。
「LDKでは、何をするにもストレスフル。ご飯を食べるのも、動くことも、赤ちゃんのお世話をするのも、イライラして疲れてしまう。何か良い方法はないか」というご相談でした。
LDK間取り図を見てください。
人が動くラインを「動線」といいます。
この動線ですが、動線同士がぶつかったり、またはなにか障害物にぶつかると、当然ですが不便です。
イライラのもとですね。
こちらのLDKの動線を見てみましょう。
廊下からお部屋に入って、リビングへ移動する①の動線が、ソファーにぶつかっています。
つまり、このソファーをよけて、リビングへ入らないといけません。
また、リビングから寝室へ移動する②の動線ですが、テーブルやオットマンがあるため、寝室へは大変入りずらくなっています。
キッチンからリビングへ移動する③の動線ですが、この動線自体は問題ありません。
しかし、広くないキッチンに、リビングへ向かう①と③の2本の動線があることによって、キッチンを狭くしてしまいます。
・家具の間違い
家具の配置や寸法を間違えると、何をするにも不便で、イライラがたまります。
また、動きにくくいため身体を家具にぶつけたり、危険なこともあります。
LDK間取り図を見てください。
キッチンカウンターの背面に設置された①分別ストッカー(ごみ箱)ですが、キッチン台でのお料理で出たごみを、捨てるにはとても不便です。
また、ソファーとキッチンカウンターの間も、この分別ストッカーがあるため、狭くなっています。そのため、身体がソファーか分別ストッカーに、ぶつかりやすくなっています。
②でしめしたソファーとテーブルの関係も、大きな問題でした。
スペース的にダイニングテーブルが置けないため、ソファーにリビングテーブルでお食事をされていらっしゃいました。
しかし、ソファーの高さに対し、テーブルの高さが高かったため、お食事がしずらいという状況でした。
お食事のしやすい椅子座面とテーブルトップの高さの関係は、その差が27~30㎝です。
しかし、この数値は椅子が硬めの場合でして、ソファーの場合は座面の沈み込みが3~6㎝以上ありますので、数値は22~25㎝と変わってきます。
こちらのお宅では、ソファーの座面の高さは、座ってないときは38㎝。
一方、テーブルトップの高さは65㎝。
その差は 65㎝-38㎝=27㎝ ですが、
ソファーの沈み込みを考えると、その差は沈み込んだぶん増えます。
沈み込みを、約5㎝ とすると、ソファー座面とテーブルトップの差は
27㎝+5㎝=32㎝ となります。理想的な27~30㎝に比べ、テーブルが高いということがわかります。
テーブルが高いと、腕を上げて食事をすることになり、食事の度に、たいへん疲れやすくなるわけです。
③のスペースは、お父様がTVをみながら、赤ちゃんを遊ばせていらっしゃいました。
しかし幅2m×奥行1.2m程度しかなく、また、テーブルやベビーベッドがあるため、赤ちゃんにはケガのしやすい危険な環境でもあります。
・収納の間違い
収納家具の選択を間違えると、収納に面積ばかりとられて、思ったような収納量を確保できません。収納量が足りないと、物が片付かないばかりでなく、散らかっている状況はメンタルにストレスをうけます。
LDK間取り図を見てください。
キッチンワゴンやカラーボックスなどの収納家具を、きちんと壁に配して並べられていらっしゃいます。
しかし、どの収納も高さがないため、面積をしめているわりには、十分な収納量が確保できていない状況です。
まとめ:動線の整理と、家具の種類・配置を見直そう
動線の整理と、家具の種類・配置を見直し、以上のような問題点を、改善してみました
①高さのあるキッチン収納棚やリビング収納を採用し、収納量を確保するとともに、こまごました家具を整理整頓
②家具を右側のみに配置し、スムーズな動線を確保
③家具の配置を変えたことにより、赤ちゃんのための広くて安全なスペースを確保
④キッチンカウンターはL字に配し、動きやすさを実現。また邪魔だった分別ストッカーは、キッチン台背面にあるキッチン収納棚の最下部に設置。
⑤テーブルの高さにあったソファーを選び、食事のしやすい環境を確保
ビフォー
アフター
いかがでしたか?
今の住まいに、何らかのストレスを感じているようであれば、
動線や、家具の種類・配置を見直してみてください。
きっと、ストレスフリーで快適なお部屋にすることができますよ。
(しかまのりこ)