インテリア/家具レイアウトのCOLLINO

『自分の家を好きになりたい・・・』
マンションや狭い間取りの、リビング学習/子ども部屋などにお困りの方へ
書籍『家具配置のルール』著者(彩図社/2万部突破)の
しかまのりこ(模様替え作家/一級建築士)が住まいづくりをサポートします!

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イライラするのは住まいが原因!狭い賃貸でもできる・・・ストレスフリーな部屋づくりのポイント

 

インテリア/模様替えのお悩みで多い項目の一つに

 

「リビングがくつろげない」

「なにをするのもストレスフル」

 

というものがあります。

 

くつろぐためのリビングなのに、ストレスフルなんて悲しいですね。

 

でも、動線の整理と家具は位置を見直すことで、意外と簡単に、ストレスフルな間取りは変えることができます。

今回は、間取り相談によせられた事例をもとに「ストレスフリーで生活しやすい、快適部屋づくり」についてお話しいたします。
 

・人の動く「動線」の間違い

 
ご相談にいらした方は、30代女性、家族構成は、ご夫婦と1歳になる赤ちゃんがいらっしゃいます。
家の間取りは、LDK+洋室・寝室の2LDK賃貸マンションです。
 
「LDKでは、何をするにもストレスフル。ご飯を食べるのも、動くことも、赤ちゃんのお世話をするのも、イライラして疲れてしまう。何か良い方法はないか」というご相談でした。

 
ビフォー( 動線の間違い)_コピー

LDK間取り図を見てください。
 
人が動くラインを「動線」といいます。
この動線ですが、動線同士がぶつかったり、またはなにか障害物にぶつかると、当然ですが不便です。
イライラのもとですね。
こちらのLDKの動線を見てみましょう。
 
廊下からお部屋に入って、リビングへ移動する①の動線が、ソファーにぶつかっています。
つまり、このソファーをよけて、リビングへ入らないといけません。
 
また、リビングから寝室へ移動する②の動線ですが、テーブルやオットマンがあるため、寝室へは大変入りずらくなっています。
 
キッチンからリビングへ移動する③の動線ですが、この動線自体は問題ありません。
しかし、広くないキッチンに、リビングへ向かう①と③の2本の動線があることによって、キッチンを狭くしてしまいます。
 
 

・家具の間違い


家具の配置や寸法を間違えると、何をするにも不便で、イライラがたまります。
また、動きにくくいため身体を家具にぶつけたり、危険なこともあります。

 ビフォー(家具の配置の間違い)_コピー
 
LDK間取り図を見てください。
 
キッチンカウンターの背面に設置された①分別ストッカー(ごみ箱)ですが、キッチン台でのお料理で出たごみを、捨てるにはとても不便です。
また、ソファーとキッチンカウンターの間も、この分別ストッカーがあるため、狭くなっています。そのため、身体がソファーか分別ストッカーに、ぶつかりやすくなっています。
 
②でしめしたソファーとテーブルの関係も、大きな問題でした。
スペース的にダイニングテーブルが置けないため、ソファーにリビングテーブルでお食事をされていらっしゃいました。
しかし、ソファーの高さに対し、テーブルの高さが高かったため、お食事がしずらいという状況でした。
 
お食事のしやすい椅子座面とテーブルトップの高さの関係は、その差が27~30㎝です。
しかし、この数値は椅子が硬めの場合でして、ソファーの場合は座面の沈み込みが3~6㎝以上ありますので、数値は22~25㎝と変わってきます。
 
こちらのお宅では、ソファーの座面の高さは、座ってないときは38㎝。
一方、テーブルトップの高さは65㎝。
その差は 65㎝-38㎝=27㎝ ですが、
ソファーの沈み込みを考えると、その差は沈み込んだぶん増えます。
沈み込みを、約5㎝ とすると、ソファー座面とテーブルトップの差は
27㎝+5㎝=32㎝ となります。理想的な27~30㎝に比べ、テーブルが高いということがわかります。
テーブルが高いと、腕を上げて食事をすることになり、食事の度に、たいへん疲れやすくなるわけです。
 
③のスペースは、お父様がTVをみながら、赤ちゃんを遊ばせていらっしゃいました。
しかし幅2m×奥行1.2m程度しかなく、また、テーブルやベビーベッドがあるため、赤ちゃんにはケガのしやすい危険な環境でもあります。
 
 

・収納の間違い

 
収納家具の選択を間違えると、収納に面積ばかりとられて、思ったような収納量を確保できません。収納量が足りないと、物が片付かないばかりでなく、散らかっている状況はメンタルにストレスをうけます。


ビフォー(収納量の間違い)_コピー 
LDK間取り図を見てください。
 
キッチンワゴンやカラーボックスなどの収納家具を、きちんと壁に配して並べられていらっしゃいます。
しかし、どの収納も高さがないため、面積をしめているわりには、十分な収納量が確保できていない状況です。
 
 

まとめ:動線の整理と、家具の種類・配置を見直そう
 

キャプチャ_コピー
動線の整理と、家具の種類・配置を見直し、以上のような問題点を、改善してみました
 
①高さのあるキッチン収納棚やリビング収納を採用し、収納量を確保するとともに、こまごました家具を整理整頓
 
②家具を右側のみに配置し、スムーズな動線を確保
 
③家具の配置を変えたことにより、赤ちゃんのための広くて安全なスペースを確保
 
④キッチンカウンターはL字に配し、動きやすさを実現。また邪魔だった分別ストッカーは、キッチン台背面にあるキッチン収納棚の最下部に設置。
 
⑤テーブルの高さにあったソファーを選び、食事のしやすい環境を確保
 
収納ビフォー全体_コピー
ビフォー
収納アフター全体_コピー 
アフター 
 

いかがでしたか?
 
今の住まいに、何らかのストレスを感じているようであれば、
動線や、家具の種類・配置を見直してみてください。
きっと、ストレスフリーで快適なお部屋にすることができますよ。
 
(しかまのりこ)



 

2019年01月08日 22:06

家具を置くスペースがない?家を選ぶときには避けたい・・・部屋が片づかない間取りとその解決方法

家を建てるとき、意外と後回しにされるもの・・・なにかわかりますか?

 

意外には意外、収納スペースなのです。

住んでから困ることは十分わかっているはずなのに、

 

なぜ?と思われるかもしれませんが、建築段階では、みなさん

 

「より広い リビング ダイニング」

「より広い 寝室」

「多くの子ども部屋」

 

を求めるため、収納スペースを削ってしまうのです。

「LDKが16畳より18畳のほうが、広くてよさそう」と思ってしまうのは、仕方のないことですよね。。

 

造り付けの収納スペースがなくても、収納を増やすには、あとから家具を置けば良いわけですから。


しかし、あとから家具を増やすことができない間取りがあるって、知っていますか?

家具を増やすことができないと、収納に困ることは目に見えています。

 

 

今回は、部屋が片付かない・収納ができない「部屋が片づかない間取り」についてのお話しです。
 
 

・窓が多く、壁が少ない間取り

 
 
窓が多く、壁が少ない間取り」は、家具の配置が難しく収納が困難になりやすいため、片付かない間取りとなります。
窓が多いということは、開放的になりますが、一方で、壁が少ないということです。
当然ですが、壁が少ないということは、収納家具などが置けないということです。
 
収納家具が置けないと、物を片づけることは物理的に不可能ですよね。
そこで、「窓が多く、壁が少ない間取り」の場合は、使える壁を最大限利用するように、家具を配置しなおします。


 SUMAI記事用3ビフォー平面図_コピー

こちらの図面は、都内の高級タワーマンションの図面です。
角部屋に当たるため、窓が多く開放的な空間に設計されています。
 
赤○で囲った部分は、窓や襖のため家具を置くことができません
 
オレンジ○で囲った部分は、腰窓のため、腰窓下までの収納しか確保できません
 
緑○で囲った部分には壁があります。
しかしこの壁の部分は、「廊下からリビングに入る」または「ダイニングからリビングに移動する」という「動線」とぶつかるため、家具を置かないほうが良いゾーンです。
 
つまり、このプランの場合、青○で囲った壁の部分にしか、家具は置けないということになります。
 
しかし、TVアンテナの位置からTVはバルコニー側に固定されてしまい、それに伴いソファーは壁に沿って置かれていました。
壁のスペースがソファーによって奪われてしまっていたため、収納家具が十分に置けず、片づけにくい空間になっていました。

 
SUMAI記事用3平面図_コピー
そこで、TVとソファーの位置をいれ変え、収納家具を、青○で囲った壁に沿って置きました。
これでリビングに、収納家具をプラスすることができますね。
 
またダイニングにある青○の壁の部分には、いまある収納だけでなく、天井方向への高さのある収納をプラスして、収納面積を増やします。
このことにより、収納量は以前より大幅に増やすことができます
 
 

・各部屋や廊下ごとに、適正サイズの収納がない間取り

 
 
「各部屋や廊下ごとに、適正サイズの収納がない間取り」も、片付けに困る間取りです。
各部屋に収納があっても、それが適正なサイズでなくてはいけません。
適正なサイズとは、「その部屋で収納予定しているものが、きちんと納まるサイズ」のことです。
 
例えば、子ども部屋には、教科書・参考書などの勉強道具をはじめ、部活道具や制服・洋服などを収納します。その他、かさばる布団類や、漫画・雑誌、趣味のコレクションなども収納しますよね。
これらのものがすべて納まるのは難しいかもしれませんが、少なくとも布団類や洋服はこの部屋の中で収納できないといけません。
子供部屋には、お部屋の広さには関係なく、1畳程度(幅169cm・奥行き78cm)のクロゼット・押入れなどの収納スペースをお勧めしています。

SUMAI記事(収納)平面_コピー 
こちらの図面は、大手ハウスメーカーで新築計画中の戸建て住宅です。
各部屋に収納もあり、また2階に「納戸」も配置され、きちんと収納を確保しているように見えます。
 
 
赤○で囲ったクロゼット部分は、奥行寸法が78cmあるため、ハンガーパイプが前後2本かけられます。
しかし幅の寸法が120cmのため、洋服や布団は納まったとしても、雑誌や漫画・本などは収納できない可能性があります。
そのためには、扉の位置をずらして収納の幅を広げます。
 
オレンジ○で囲ったクロゼット部分は、幅の寸法が169cm確保されていますが、奥行きが55cmです。
ハンガーパイプにかけた洋服の幅は45cm~55cmですので、このクロゼットは洋服がなんとか納まる寸法です。
洋服がしわにならないためには、奥行き65cmは確保しましょう。
 
また、このプランでは、緑○で表示した廊下の部分に収納がありません。
廊下には、小さくても収納を設置すると、「廊下掃除用のクイックルワイパー」などの掃除グッズや物干しグッズなどが収納できて、大変便利です。
納戸の一部を削って廊下からアクセスできる奥行40~45㎝ほどの収納をつくりましょう。
 
 
いかがでしたか?
今住んでいる間取りを見直せば、収納量は確実に増やせます。
またこれから家を建てる人は、収納予定にあわせた適正サイズの収納を、プランに盛り込むと、収納で後悔することがなくなりますよ。
 
(しかまのりこ)
 
 

2018年12月26日 16:50