「LED」に変えたら火災に?ランプを交換する際に確認してほしい3つのこと
蛍光灯のランプが切れたとき、省エネのために寿命が長い「LEDランプ」に交換する人が増えています。
しかし、間違ったLEDランプを交換すると、火災の原因になるって知っていましたか?
今回は、いま増えているLEDランプの交換による火災、についてのお話しです。
■火災の原因は、照明器具とLEDランプの「点灯方式」の不一致
蛍光灯照明器具のランプが切れたとき、どうせ買うなら省エネのLEDランプに交換したいと思いますよね?
でも、ここで注意しなければならないことがあります。
蛍光灯の照明器具には、3種類の点灯方式があます。
この点灯方式に対応したLEDランプを取り付けないと、内部の部品に過電圧がかかり、部品が過熱することにより出火する恐れがあるのです。
蛍光灯照明器具の3種類の点灯方式は、以下になります。
- スタータ式(またはグロースタータ式)
- ラピッドスタート式
- インバーター式(半導体式)
自宅の蛍光灯照明器具が、この3つの点灯方式のどれにあたるかは、照明器具についている表示を確認する必要があります。
ただ、この表示、メーカーごとに表記が違うので、点灯方式がわかりやすく書いていない場合があります。
その場合は、「型式」「品番」「何年製品」「ロットナンバー」などをもとに、製造したメーカーに問い合わせましょう。
■照明器具の「点灯方式」に対応したLEDランプを取り付ける
ここで注意しなくてはいけないのは、取り付けていた蛍光灯ランプが「ラピッドスタート式」で問題なかったので、LED照明ランプも「ラピッドスタート式」を取り付けてしまうことです。
蛍光灯の場合、照明器具の点灯方式と蛍光灯ランプが一致していなくても、ほぼ問題なく作動するからです。
ですから、取り外した蛍光灯ランプの点灯方式を確認するのではなく、必ず照明器具についている表示を見て、照明器具の点灯方式を確認し、その点灯方式に対応したLEDランプを取り付けましょう。
東京消防庁によると、インバーター式(半導体式)の照明器具に、ラピッドスタート式専用のLEDランプを誤設置したため出火に至ったケースや、
グロースタータ式の照明器具に、ラピッドスタート式専用のLEDランプを誤設置したため出火に至ったものなどの例が報告されています。
■照明器具ごとLED照明に交換するのが理想的
照明器具は、長期間使用していると部品が劣化して明るさも低下するうえ、故障もしやすくなります。
一般的に8年~10年程度で新しい照明器具に交換するのが理想的です。
もしお使いの照明器具が10年を超えていたら、照明器具ごとLED照明に交換するのがベストです。
LEDランプで設計された照明器具にすれば、蛍光灯の点灯方式による不適合の心配はなくなります。
古い住宅をリフォームする際は、照明器具のリフォームも考慮したいですね。
いかがでしたか?
私たちの生活になくてはならない照明、その照明も使い方を間違えると大きな事故につながります。
また、メーカーの適合ランプではないLEDランプを取り付けて事故が発生した場合、一般的には「改造」されたものとみなされ自己責任となりますので、注意が必要です。
LEDランプに交換する際は、必ず照明器具に対応したLEDランプを使用するようにしてくださいね。
(しかまのりこ)
【参考】
※ 東京消防庁
※ 日本照明器具工業会(電気用品安全法)
※ 日本照明器具工業会(直管LEDランプ使用上のご注意)