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マンションや狭い間取りの、リビング学習/子ども部屋などにお困りの方へ
書籍『家具配置のルール』著者/各種メディア出演/記事執筆多数の
しかまのりこ(模様替え作家/一級建築士)がインテリア~家具レイアウトをサポートします!

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地震で加害者にならないために~家族と近隣住民を守るための地震対策 ​​​​​​​


平成28年熊本地震と命名された、今回の地震。

身体が竦みそうな強い揺れは1回に留まらず、断続的に続いたのが大きな特徴でした。

筑波大学の境有紀教授によると「平成28年4月16日におきた熊本地震本震は、4月14日に起きた前震の1.6~1.7倍の破壊力のある地震動だった」との見解を示しています。

また16日の本震は、東日本大震災の約5倍、阪神・淡路大震災の7割程度の強さをもつ地震動だったとも発表されています。

地震大国日本に住む以上、このような大地震がいつどこに起こっても不思議ではない状況の中、私たち一人ひとりが地震対策で今できることは何なのか、改めて考えてみましょう。

 

■「1.2m」以上のブロック塀に注意!

 

自宅の敷地内の建物などは、その持ち主が安全に保たないといけません。これは、建築基準法第19条により規定されています。

敷地内の“建物”とは、自宅はもちろん、物置、塀・擁壁なども含まれます(樹木・生け垣などは含まれません)。

また、自宅敷地内のブロック塀の高さが、低いほうから1.2mを超えている場合は倒れないよう、控え壁などを設けて補強するか、倒れても危険でない高さ(1.2m以下)まで塀をカットすることが必要になります(建築基準法施行令第62条の8)。

特に道路に面するブロック塀は危険ですので、必ず守りましょう。

地震で歩行者がブロック塀の倒壊に巻き込まれて死亡するケースが増えており、その場合は塀や擁壁の所有者が敷地の建築物の安全性の維持を怠った責任を問われてしまいます。

 

■家具は固定し、棚などの扉は地震でも開かないよう工夫する

 

地震では、想像以上のエネルギーが生まれます。

「まさか」と思う重いものでも、落ちたり、飛んだり、倒れたりすることは珍しくありません。

造りつけでない家具は、地震による衝撃で倒れたり動かないよう、突っ張り棒などで天井か壁に固定しましょう。

また棚に収納している食器などは、地震時に扉が開いて危険です。

地震時の衝撃を感知して、扉が開かなくなる「耐震ラッチ」という特殊金物がありますので、棚や食器棚などにつけて自宅内の安全を図りましょう。

また、重いものや飛んでくると危ないものは、高いところに置かないようにしましょう。

 

■家の「検査済証」を見返そう、1981年6月以前のものは要注意!

不安があれば、自宅の耐震性能を調べましょう。

まず、建物を新築した時に、公的機関から発行される「検査済証」というものがあるので、その交付年月日を確認します。検査済証の交付年月日が1981年6月以前/以降で耐震性能が大幅に違ってきます。

1981年6月以前の建物であれば、旧耐震で建てられた建物である可能性が大きいので、市町村などの耐震診断を受け、耐震補強をしなくては地震により倒壊の危険があります。

1981年6月以降の新耐震基準をクリアした建物であれば、新耐震基準で建てられた建物であるのでひとまず安心ですが、万全とはいえません。

壁のバランス配置や金物・基礎などの安全性の検討が必要です。

検査済証の交付年月日が2000年6月以降であれば、木造建物について構造強度の規定が追加され耐震性能が大きく上がった建物なので安心です。
 

 

いかがでしたか?

活断層に囲まれた日本で、大地震はじつはとても身近な問題です。いざというときに被害を拡げないためにも、自宅の安全性を確保することの大切さを考えてみてはいかがでしょうか。

熊本地震による犠牲者の方々、遺族の方々に心よりお悔やみを申し上げます。

 

参考

熊本地震の地震動:日経アーキテクチャ

建築プレミアム

2016年04月27日 20:23

一戸建て vs マンション、どちらが良い?「住宅トラブル」「売却しやすさ」で比較してみた結果


消費税率の引き上げが現実味を帯びてきた今日この頃、そろそろ自分の家がほしいと思っている人も多いのではないでしょうか?

住宅の成約価格もここ数年右肩上がりで、成約件数も好調です。

今日は、住宅購入を考えるときの永遠のテーマである「一戸建てとマンション、どちらが良いの?」について、少し違ったデータから検証してみたいと思います。

 

■一戸建てとマンションの、一般的なメリット・デメリットは?

一戸建てとマンションの一般的なメリット・デメリットは、次のようなものです。

<一戸建ての主なメリット・デメリット>

  • リフォーム・増築・改築などの自由度が高い
  • 管理費や修繕積立金、駐車場代などがかからない
  • 独立性が高いので、プライバシー面で優位性がある
  • 同じ立地条件だと、マンションよりも物件価格が高くなる傾向がある
  • 防犯や庭木の管理、外回りの掃除など、自分でしなければいけない
  • 将来の修繕費を自分で計画的に貯めなければいけない

<マンションの主なメリット・デメリット>

  • 同じ立地条件だと、一戸建てよりも物件価格が安い傾向にある
  • 将来の修繕計画が計画的に行われるので安心できる
  • セキュリティ面で優れ、また24時間ゴミ出しや宅配BOXなど生活利便性が高い
  • 管理費や修繕積立金、駐車場代などがかかる
  • 騒音やペットなど、一戸建てよりも周りに気遣いなどが必要
  • 管理組合などへの参加義務がある

では、一戸建て・マンション購入後に起こる欠陥工事や欠陥住宅などの住宅トラブルは、どちらが多いのでしょうか?

 

■入居後の住宅トラブルの多さは、どちらが多い?

住宅トラブルの電話相談を行う公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターに寄せられた住宅トラブル相談では、新築・リフォームともに「一戸建て」の相談が80%を超えています。

相談内容は一戸建て・マンションとも雨漏り・ひび割れ・漏水が多く、全体の約40%となっています。


次に家族構成の変化や様々な事情で住み替えを希望した時の、売却のしやすさを見てみましょう。

 

■マンションの50%近くは、売り出しから3か月で成約している!

全国宅地建物取引業協会が、全国の不動産業者にむけたアンケート結果によると、一戸建ては売り出しから売却するまで1年近くかかることが多い反面、マンションは約50%近くが3か月以内に売却しています。

また、売却時の平均価格は、マンション・一戸建てとも2,000万円から5,000万円が多く、両者の価格差がそれほどありません。

このことから、一戸建てのほうが購入時の価格より値段が下がりやすいことを意味しています。

 

 

いかがでしたか?

一般的な一戸建て・マンションのメリット・デメリットとともに、入居後の住宅トラブルや売却しやすさというデータも参考にすると、より満足いく住宅選びになるかもしれませんね。

 

【参考】

不動産価格指数(住宅) – 国土交通省

住宅形式別住宅トラブル – 公益財団法人リフォーム・住宅紛争処理支援センター(PDF)

中古売買契約成立までの期間 – 全国宅地建物取引業協会連合会(PDF)

価格別成約件数 – 東日本不動産流通機構(PDF)

2016年04月17日 01:19

どうして必要?本当に必要?「子ども部屋」が子どもに与える影響とは

春から新学期ですね。

小学校入学や中学入学をきっかけに、そろそろ「子ども部屋を用意してあげたい」と思う親は多いようです。

しかし一方で、「リビング学習のすすめ」など、巷では「子ども部屋不要論」もささやかれています。

子ども部屋って、ほんとうに必要なのでしょうか?

今回は、たくさんのデータから「子ども部屋の必要性」を考えてみたいと思います。

 

■70%の親は、小学生から子ども部屋が必要と考えている!!

あなたは、いつから「子ども部屋は必要」だと思いますか?

マイナビニュースが2013年にファミリー世代を対象に行ったアンケートでは、81.2%の親が、「子ども部屋は必要」と答えています。

また、「いつから子ども部屋は必要か?」という問いには、小学生(低学年~高学年)からが69.7%で圧倒的に多く、次いで中学生の20%と続きます。

小学校低学年と答えた人は、「学校の勉強が始まるので子ども部屋を用意したい」と考えているようです。

また、教科書やランドセルなど“自分の持ち物”ができるこの時期から、専用の部屋を持たせ、物の管理や自立心を養わせたいと考えている人もいるようです。
 

 

■小学生の勉強場所は「リビングダイニング」が過半数

「勉強や宿題のために子ども部屋を用意してあげたい」と思う親が多い現状ですが、実際に子どもたちは、どこで勉強しているのでしょうか?

「東京ガス都市生活研究所」が自分の部屋を持っている小学生から高校生までの子どもたちに行った調査では、つぎのような結果が!

 

小学生では約70%、中学生でも約40%の子どもが、実際に勉強している場所としてリビングダイニングをあげています。

また「どこの部屋がくつろぐか?」というアンケートでは、子どもの約60%~90%がリビングダイニングと答えています。

大半の子どもたちは、自分の部屋があっても、リビングダイニングで勉強したり、くつろぐことが好きなようです。
 

 

■「一人になれる場所」「寝室」としての子ども部屋

多くの子ども達にとって、勉強をするのも、くつろぐのも、リビングダイニング。

では、子どもにとって「子ども部屋」はどのような存在なのでしょうか?

 

同じく「東京ガス都市生活研究所」の調べでは、自分の部屋があって良かったことの問いに対して「一人になれる場所がある」「親に見られずに好きなことができる」と答えています。

この傾向は学齢が高くなるほど強く、子ども部屋によって、子どもの大切なプライバシーが守られているように思えます。

また、「誰と一緒に就寝したいか?」という問いには、小学校低学年では約70%の子どもたちが「母親」と答えていますが、高校生では約70%以上の子どもが一人で就寝することを希望しています。子ども部屋は、自立心の形成に役立っているようです。

 



いかがでしたか?

たくさんの調査結果から見えてきたのは「大学受験期を除く大半の子どもたちは、自分の部屋でなく、リビングダイニングでくつろぎ、勉強している」ということです。

“勉強部屋”としての子ども部屋は、学齢が低いうちは必ずしも必要ではないよう。

しかし、一人になれる場所、寝室として子ども部屋は重要な意味を持っており、また学齢の高い子どもたちには、集中して勉強する場所として必要なようですね。

当事務では、「部屋をおしゃれにしたい」「2LDKの間取りに3人の子ども部屋をつくりたい」「勉強に集中できる子ども部屋をつくりたい」「健康的で快適な住まいにしたい」など、住まいの問題の解決プランをご提案しております。
詳しくはHPをご覧くださいませ。

 

【参考】

子ども部屋に関するアンケート – マイナビニュース

子どもが勉強を行う時間が長い場所 – 東京ガス都市生活研究所

主にどこの部屋で行うか – 東京ガス都市生活研究所

自分の部屋があって良かった点 – 東京ガス都市生活研究所

2016年03月18日 01:12

もしマイホームが「欠陥住宅」だったら?住宅トラブルの現状とその対処法

欠陥住宅・・・恐ろしいですよね。。
何としてでも、欠陥住宅だけは避けたいところですが、こればかりは、「運」もあります。
そこで、もし「欠陥住宅」にあたってしまった場合は・・・?
「保険」
人生も・男も・住まいにも・・・なにごとも、保険をかけることは大切ですね。
今回は欠陥住宅の現状とその対処方法についてお話いたします。

 

■住宅トラブルは年々増加

相談件数の推移2018

公益財団法人住宅リフォーム/紛争処理支援センターによると、住宅トラブルは増加しており、その住宅相談件数の推移は増加の一途をたどっています。
 


■「新築住宅」の欠陥(瑕疵)は、10年間補償されます

新築住宅を供給する事業者は、構造部分と雨漏りに対する欠陥(瑕疵)について、10年間責任を負うことになっています。
また、その責任を確実に履行するため、「保険への加入」、または「保証金の供託」をするよう、法律で義務付けられています。
これにより、新築住宅は、引き渡しから10年以内の欠陥については、保険金や保証金で修理費用をカバーしてもらえます。

 

■中古住宅やリフォームは、「欠陥(瑕疵)の責任」が約束されていません

一方、注意しなくてはならないのが、中古住宅や、リノベ住宅です。
中古住宅では、売り主が個人である場合は欠陥(瑕疵)の責任を負わないことが多く、また売り主が不動産会社(宅建業者)の場合でも、欠陥の保証は一般的に「2年間」とされています。

そのため、中古住宅を購入する際には、不具合や欠陥がないかを、きちんとチェックすることが重要になってきます。
「ホームインスペクション(住宅検査)」を依頼して、不具合や欠陥がないかを事前に確認するといった事例も増えてきていますが、この住宅検査で欠陥が見つかるとは限りません。
リフォーム工事については、リフォーム事業者との契約内容などの取り決めによって、欠陥があった場合の責任や保証が決められています。
ただし、リフォーム工事による欠陥や不具合であることを明確にすることは難しく、欠陥の補修に対して新たな追加工事を請求されてしまうこともあるんです。

 

■中古住宅やリフォーム工事の欠陥は、保険で解決できます!

このような、中古住宅やリフォーム時の欠陥やトラブルに対処するため、中古住宅では任意保険である「既存住宅売買瑕疵(かし)保険」、リフォームの場合は「リフォーム瑕疵(かし)保険」という制度が創設されました。
中古住宅の売り主やリフォーム事業者が、これらの保険に加入していれば最長「5年間」、欠陥や補修等の費用が保険でカバーされることになっています。
また保険の引受けにあたり、専門家による検査が実施されるため、住宅の品質が確認できるというメリットもあります。
しかし、「既存住宅売買瑕疵保険」、「リフォーム瑕疵保険」は法律で決められた義務ではなく任意の加入制度であるため、中古物件やリフォーム事業者を選ぶ際、これらの保険への加入の有無が重要なポイントになってきます。
 

■念願のマイホームに欠陥が見つかったら?

新築住宅は、お引き渡しから10年以内の欠陥については、保険金でカバーしてもらえます。
しかし中古住宅やリフォームの場合は、必ずしも欠陥(瑕疵)の責任が約束されていません。
万一の時に慌てないためにも、中古住宅購入やリフォームの際には、契約書の内容により保証の範囲を細かくチェックするとともに、保険加入の有無についても確認しましょう。
また、なるべく早い段階で専門家に相談することも大切です。
住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、住まいに対する電話相談(すまいるダイアル0570‐016‐100)を無料で受け付けています。
もし、念願のマイホームに欠陥が見つかったら……相談してみることも1つの手ですよ。
 

参考:
*住宅相談件数の推移-http://www.chord.or.jp/(公益財団法人 住宅リフォーム/紛争処理支援センター)
 
2016年03月15日 13:28

震災の日に考える・・・自分でもできる「わが家の耐震診断」で、地震に備えよう!


3月11日は東日本大震災の起きた日です。
時間の経過とともに、あの日の震災のことを忘れてしまいがちです。
しかし、南海トラフ地震や首都直下型地震がいつ起きても不思議ではない現在、今一度、我が家の耐震について考えてみましょう。
今回は「自宅で出来る耐震診断」についてのお話です。
 

・2013年時点での日本の住宅耐震化率は82%

無題

耐震化率とは1981年にできた「新耐震基準」に基づいて設計された建物と、その基準に適合するよう建物の補強を済ませた建物の数を、全体の建物数で割った割合です。つまり、どれだけ震度6程度の地震に耐えられる建物が、現在日本にあるかという割合です。2013年の調査では、日本の住宅の耐震化率は82%となっています。また、政府は2014年に発表した大規模災害への対応の指針の中で、2008年度に79%だった住宅の耐震化率を東京オリンピックの開催される2020年度までに95%に引き上げる数値目標を掲げています。
 

・耐震診断と費用の目安

建築基準法は1978年の宮城県沖地震の発生により耐震基準が見直され、1981年に先に述べた「新耐震基準」が定められました。その後2000年には木造住宅では筋交いの接合部の規定を追加するなど、耐震基準の内容は強化されています。
耐震診断とは1981年以前に建てられた建物が、現行の新耐震基準をもとに耐震性の有無を確認することです。1981年以降に建てられた建物に於いても、劣化等が懸念される場合は耐震診断で耐震性能を確認します。
耐震診断料金は、床面積にもよりますが木造一戸建てで約5万円から20万円程度と比較的高額です。

・耐震診断・耐震化への補助金と、多発する詐欺事件

住宅の耐震化を促進するため、各自治体は耐震診断・耐震改修を行った場合に補助金を出す制度を設けています。しかし、この制度を悪用して耐震診断や改修工事の費用を騙し取る詐欺が増えています。「古い住宅を改修しなければいけない努力義務が法律で決まりました。すぐに改修しないと法律違反で罰せられます」「改修工事代金全額が自治体から補助金で返ってくる」このような言葉で耐震改修を焦らせ、通常より高い費用で工事を進めてきます。
耐震診断を受けたい場合は各自治体が設けている相談窓口で紹介してもらうことができます。また補助金などを受けたい場合も事前に自治体に確認しましょう
 

・自分の家は自分で守ろう!誰でもできる簡易耐震診断表

耐震診断は敷居が高いという方には、自分でできる耐震診断もあります。
方法は簡単、専用のチェックシートに記入していくだけです。
 
 耐震診断表-2_コピー
耐震診断表-3_コピー
耐震診断表-4_コピー


「天災は、忘れたころにやってくる」ということわざがありますが、震災は忘れたころにやってきます。
いずれやってくる災害に備えるためにも、日ごろから自宅の耐震化や食料の備蓄など震災に備えることが、大切なようです。
 
 
参考:
住宅の耐震化率-国土交通省http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_fr_000043.html
誰でもできるわが家の耐震診断-一般財団法人 日本建築防災協会
http://www.kenchiku-bosai.or.jp/seismic/kodate/wooden_wagaya.html
 
2016年03月12日 13:14

健康と住まいの関係・・・「家族の健康を守る住宅」のマストアイテムとは?

大阪のある歯医者さんが、

 

「家を新築したら、子どもがアレルギーになった」

 

という健康トラブルから、家を調査した結果、

家をつくっている建材が、アレルギーの原因だったということがわかりました。

 

そして、この歯医者さん、国に「家の換気が大切!」と被害を訴え続け、

なんと!最終的には建築基準法まで変えてしまいました!!

 

そして、平成15年に

「家を24時間換気しましょう!」という新しい基準が建築基準法に加わったんですね。

 

この歯医者さん、スゴイですよね!!

 

寝る時間も含め、毎日たくさんの時間を過ごす住宅。
でも、住まい方によっては、この歯医者さんのように、シックハウス症候群やアレルギーなど深刻な病気を引き起こしてしまうんです。
それでは、健康に子育てをするうえで、欠かせない住宅アイテムについてご紹介していきましょう!
 

・ほんとうに怖い住宅病・・・シックハウス症候群とは

新築やリフォームした住宅において、壁・床などの接着剤や建材・塗料などから放出される化学物質が原因となり起こる健康障害を総称してシックハウス症候群といいます。
ホルムアルデヒドや揮発性物質(VOC)などの化学物質が、めまいや吐き気、頭痛や皮膚疾患・のどの痛みや鼻の障害などを引き起こします。
国民生活センターによると、原因物質を含んだ建材の普及と、住宅の気密性が高まった平成8年ごろから症状を訴える人が急増、その後建築基準法の改正や建材の規制・品確法の制定などさまざまな法規制がされましたが、いまだ相談件数は横ばいで減っていません。これは、法規制が新建材や新素材への対応に追いついていないことを表しています。
 

・住宅だけでなく、原因は身近なものにも?

シックハウス症候群というと、新築やリフォームをしたときに使用される建材からの化学物質だけが原因と思われがちですが、建材以外にもカーテンやじゅうたん、家具などから揮発する化学物質や、衣類や日常生活用品、ダニやカビなど様々なものによる室内空気汚染が原因になっています。また、住宅の高気密・高断熱化により省エネで住みやすい住宅が実現する反面、自然換気不足による室内空気汚染や高湿度で結露を起こしやすくなっています。国民生活センターによると、シックハウス症候群の発症年齢は30代~40代の、しかも女性に圧倒的に多く、またダニやカビなどが原因となるアレルギー疾患はすべての年代で発症しますが、小児に多いとの報告があります。
 

・今すぐできる!!シックハウス対策と健康住宅のマストアイテム

厚生労働科学研究所によると、1980年代に欧米で問題になったシックハウスビル(高気密・高断熱ビルにおけるシックハウス) 症候群では、発生原因の53%が不適切な換気にありました。現在の日本の住宅も、高気密・高断熱化が進み1980年代のシックビルと似た環境にあると言えます。
このことから考えると、シックハウス症候群の予防や軽減には、お部屋の換気が一番大切ということです。
リビングや寝室など、長くいるお部屋は5分から10分の換気を一日2~3回行うだけでもシックハウス対策に効果があります。
また、これから中古住宅を購入される方は、改正建築基準法により24時間換気が義務付けられた、平成15年7月確認済み以降の建物を購入しましょう。
スイッチを入れておけば、家じゅうの空気が2時間で入れ替わります。
また、24時間換気は結露を防ぎ、カビやダニを防ぐこともできます。この24時間換気設備は、いまでは健康住宅には欠かせないマストアイテムとなっています。
 


20年前以上から問題にされているシックハウス症候群ですが、国の様々な法規制にもかかわらず、新建材や家具・日用品などによりいまだ解決していないのが現状です。
しかし、私たちの「こまめに換気をする」ことにより、シックハウスの大部分は解決してしまうのも事実です。
高機能住宅を手に入れたら終わりではなく、その後も少しの手間をかけ、快適で健康な住環境を保っていくことが大切なようです。


参考:
http://www.sicklife.jp/about_sickhouse.html(シックハウス診断士協会)
http://www.jvma.jp/column3.html(日本VOC測定協会)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei/dl/sick_house.pdf(厚生労働省)
 

 

2016年03月02日 12:49