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マンションや狭い間取りの、リビング学習/子ども部屋などにお困りの方へ
書籍『家具配置のルール』著者/各種メディア出演/記事執筆多数の
しかまのりこ(模様替え作家/一級建築士)がインテリア~家具レイアウトをサポートします!

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勉強はどこで?「子ども部屋」より多かったのは…【賢く育てたい!国立医学部生の住まい】

子育て世代にとって、子どもを優秀に育てるのは一つの目標ではないでしょうか?

なかでも医師や弁護士など、社会的地位や収入も高く定年もない仕事に就いてくれたら、親としては嬉しいものです。

では、そのような優秀な子どもを育てるには、どのような家がよいのでしょう?

また、実際にはどのような家で優秀な子どもたちは育ったのでしょう?

筆者は現役国立医学部生にアンケート調査を行い、どのような家でどのように育ったのかを調査いたしました。

そこには親が考えていないような子どもたちの意外な本音がありました。

前回は、家族構成や家の様式などについての調査をお届けいたしました。

今回は、そのアンケート結果の一部、国立医学部生が「どこで勉強していたか?」についてのお話です。

 

■中学受験は6割が経験! 勉強をしていたのは主に「リビング」

筆者は筑波大学医学部(偏差値72)に通う学生に対し「住まいに関するアンケート」を行い、その結果54人から有効回答を得ました。

まずはじめに、学生たちが小学生だったころ、中学受験をしたかどうか、またどこで勉強していたかについて聞いてみました。

 

結果は61.1%が「中学受験の経験あり」と答えており、国立医学部生たちは小学生からしっかり勉強していたことがわかります。

また、どこで勉強していたかについて聞いたところ、中学受験組は1位が「リビング」で51.5%、2位が「子ども部屋」と「図書館や塾などの外部勉強空間」が同率24.2%で並びました。

一方、中学受験をしていない組は1位が「リビング」で57.1%、2位が「子ども部屋」で38.1%、3位が大きく離れて「図書館や塾などの外部勉強空間」で4.8%となりました。

話題のリビング学習ですが、小学生の2人に1人が実践していたという結果は、やはり驚きですね。

 

■中学生のときの勉強場所は、中学受験組と高校受験組で大きな違いが!

次に中学生の時、どこで勉強していたかについてのアンケートをとりました。

結果は、高校受験組は1位が「子ども部屋」と「図書館や塾などの外部勉強空間」が42.9%と同率で並び、「リビング」は14.3%と大きく引き離されています。

 

一方、中学受験をしたため高校受験をしなかった組は1位が「子ども部屋」48.5%、2位が「リビング」33.3%、3位が「図書館や塾などの外部勉強空間」15.2%となりました。

中学生になると勉強も少し大変になってくるため、勉強に集中のできる塾や子ども部屋の使用頻度が上がる一方、リビング学習は選択されなくなるようですね。

 

いかがでしたか?

学生たちのアンケート結果から、リビング学習が実践されたのは小学生までで、中学以降は子ども部屋や塾や図書館などの外部勉強空間が大切になってくることがわかります。

また少数ですが塾や自宅以外に「マクドナルドなどの飲食店」「祖母の家」「友人の家」「学校の教室」と答えている学生もいました。

与えられた環境の中、自分で工夫して勉強場所を探していたようです。

では、国立医学部受験を控えた高校生のとき、学生たちはどこで勉強していたのでしょうか?


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2016年11月09日 21:23

1年で122kmも無駄に歩いてた!? 家事を断然ラクにする「洗面室」とは

あなたの家では、「洗面室」をどのように使っていますか?

入浴する際の脱衣や、歯磨きをしたり洗顔をしたりメイクしたり……と、狭いながらも多くの機能を持つ洗面室。

その洗面室が、最近変わってきています。

今回は、その洗面室について、最近の調査をもとにお話しいたします。

 

・キッチン⇔洗面室を近づけると、1年間で家事動線が「約122.6km」短くなった!

アキュラホームの「2016年住宅傾向調査」によると、同社が2015年に手掛けた戸建て住宅100棟(延べ床面積30~40坪)の間取りについて、このような傾向が明らかになりました。

この、家事を楽にする間取りのキーポイントは、「洗面室」です。

主婦が家事をする中で、最も行き来が多いとされる「キッチン⇔洗面室」の距離を調べたところ、2015年の住宅では平均3.63mに対し、2009年は5.72m。

6年の間で2.09mも「キッチン⇔洗面室」の距離が短くなったことがわかります。

これは、1日に換算するとおよそ335.9mの短縮に当たり、年間では約122.6km家事動線が短くなったことに相当するそうです。

ものすごい数字です!

 

・洗面室には「2か所の出入り口」を設けるのが吉!

忙しい主婦は、掃除をしながら洗面室の洗濯機を回し、料理しながら、洗濯物を干したりたたんだりしなくてはいけません。

そのため、家じゅうを効率よく動くためには、主婦の動線が重要になってきます。
洗面室への入り口が1か所では効率が悪く、キッチンと廊下などの2方向からアプローチできれば効率が上がります

こうした事情から、洗面室への動線は、廊下からだけでなくキッチンからも出入りできるといった、出入り口を2カ所持つ間取りの採用が増えています。

 

また、このような動線短縮の傾向が近年支持されるのは、働く主婦が増加したため、短時間で多様な家事をこなせる効率が良い間取りが好まれた結果であるようです。

 

・洗面室は、年々「広く」なってきている!?

このような動線以外にも洗面室は進化しています。

「アキュラホーム住生活研究所」の調査によると、洗面室の平均面積は、2009年の住宅では4.44平米だったのに対し2015年は同5.22平米と、6年間で2割近く広くなっています。

洗濯物やバスタオル、さらには、着替え用の下着やパジャマなど、衣類を収納する収納棚を洗面室に設けるケースが増えてきていることが理由の一つだと、同社は分析しています。

従来はこれらの衣類品などを各個室に収納するため、家の中を動き回っていました。

しかし個人の衣類を洗面室に集約されたことから、家事動線が短くなり、効率的になったというわけです。

洗面室を広くし収納を充実させたことにより、生活満足度が上がったようです。


 

・ワザありの洗面室があれば、家事偏差値が低くても大丈夫

ちなみに共働きの筆者の自宅の洗面室は約6平米。

キッチン・廊下に隣接して配置し、また洗面ボウルは朝の混雑を考え、2台にしています。

収納は、浴室からの湿気を防ぐため扉を設け、洗面台の上下左右と、背面一面に造りました。

また60cmほどの家事カウンターを設け、ゴミ箱を兼ねた椅子に座りながら洗濯物をたためるようにしました。

家族4人分のバスタオルや下着・ハンカチ・靴下などたくさん収納できるので、家の中を動き回ることも少なく、家事偏差値の低い筆者でも大いに助かっています。



 

いかがでしたか?

新築またはリフォームの間取りを考える際、後回しにされがちな洗面室。

でも、家事動線をシミュレーションしてみたり、洗面室でどんな家事をするかを良く考えてプランニングすると、家事もスムーズになり、生活満足度も上がりますよ。

 

【参考】

※ 2016年住宅傾向調査 – アキュラホーム住生活研究所

2016年10月29日 11:41

これで安心!「リフォームトラブルを防ぐ」ための、発注時の3つのポイントとは?

住宅も新築から数年たってくると、屋根や外壁などの外装から、壁紙やフローリングなどのリフォームを考えるようになりますよね。

しかし近年は、いい加減なリフォーム工事により、様々なリフォームトラブルが発生しています。

そこで前回は、リフォーム工事の現状やトラブルについてお話しいたしました。

今回は、増加するリフォームトラブルを防ぐ、具体的な方法についてのお話です。

 

■トラブルに巻き込まれないための「リフォーム発注時」のポイントは、3つ!

トラブルのないリフォームにするためには、どんなポイントがあるのでしょうか?

(1)リフォームしたい内容に優先順位をつけ、余計な工事が増えないように整理しておく

「はじめは窓だけの交換のつもりでリフォーム会社に相談したが、いつの間にか部屋の内装工事まで提案され、出来上がったお部屋は聞いていたイメージと違っていた」

こういった話は、リフォームではよく起こるトラブルです。

打ち合わせをしているうちに、あれもこれもとリフォームしたくなるかもしれませんが、必ずリフォームしたい内容に優先順位と予算を立て、余計な工事が増えないようにリフォーム内容を整理しておきましょう。

 

(2)見積もりを複数のリフォーム会社からとり、信頼できる建築士のいる事業者を選別する

リフォームの多くは、建築基準法による確認申請を要しないものです。

つまり建築士などの専門家でなくても、リフォーム工事ができますし、誰でもリフォーム事業を開業できてしまうということです。

この中には、悪質な事業者も混じっているので、信頼できる事業者を慎重に選ぶことが重要です。

複数の事業者に見積りを依頼してその内容を比較したり、建築士事務所登録や建設業の届け出などを確認したり、事業者の施工実績を確かめるなど、納得がいくまで検討して事業者を決めることが大切です。

 

(3)契約書には工事範囲や保証範囲、追加工事が発生した場合についても明記する

リフォーム工事のトラブルの多くは、「図面や契約書がなく、口約束で工事が始まった」「見積書を取らずに工事を発注してしまった」、など、あいまいな契約に起因していることが多くなっています。

契約書には工事の内容や工事の範囲、追加工事や工事変更に関わる合意や金額の内訳や瑕疵(欠陥)があった場合の保証期間・補償内容などを明記し、また設計図書や見積書などの書類を添付して契約することが大切です。

 

■見積もり金額や契約内容が妥当かどうかわからないときは、専門家のアドバイスを

見積もり金額や契約内容が妥当かどうかわからないときは、契約前後にかかわらず公的機関による「専門家相談」が利用できます。

(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの住まいるダイアルでは、「専門家相談」のほか、見積書の内容や見方がわからない消費者を対象に「リフォーム見積チェックサービス」も実施しています。

 

■万が一のために、リフォームかし保険を利用する

リフォーム工事は新築工事と違い、工事終了後10年の瑕疵(欠陥)責任はありません。

多くのリフォーム事業者では、自社の保証をうたっていますが、スムーズに欠陥に対する補修が実行される保証はありません。

そこで大切になってくるのが「リフォームかし保険」です。

リフォーム工事で欠陥があった場合、保険会社から事業者に補修金額が支払われるもので、スムーズに補修工事が行われるため消費者も安心ですね。

リフォーム業者を選ぶときは、リフォーム瑕疵保険へ加入している業者を選びましょう。

 

いかがでしたか?

住宅は保守修繕することにより、快適に過ごせますし、またその寿命も延びます。大切なマイホームですから、よい事業者を選び、満足のいくリフォームを成功させたいですね。

(しかまのりこ)

 

【参考】

住まいるダイアル – (財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター

リフォーム瑕疵保険 – 国土交通省

2016年10月27日 21:16

50万円以下は「工事してもらえない」?リフォームトラブルが起きる背景とは

住宅も新築から数年たってくると、壁紙やフローリングが汚れてきたり、給湯器や蛇口などの設備が壊れてきたり、あるいは部屋の間取りを変えたくなったりしますよね。

そんな時、お世話になるのがリフォーム会社です。

しかし近年は、いい加減なリフォーム工事にまつわるトラブルが激増しています。

どうしてこのようなトラブルが増えているのでしょうか?

今回は、リフォーム工事の現状やトラブルと、その回避法について、2回にわけてお話しいたします。

 

■リフォームの平均金額は戸建てが782万円、マンションが663万円

みなさん、リフォームには大体どのくらいの予算をかけて行いたいと思っていますか?

住宅関連商品を販売するLIXILが2015年に調査した結果によると、リフォーム工事を希望する人の約40%は、50万円以下の小規模リフォームを希望しているのにもかかわらず、その半分は、業者が請け負ってくれない等、工事のミスマッチが起きているようです。

 

では、実際に工事契約が成立したリフォーム金額はいくらなのでしょうか?

(社)住宅リフォーム推進協議会が2014年に実施した調査によると、リフォーム工事の平均金額は戸建て782万円(中央値 500万円)、マンションが663万円(中央値 526万円)と、かなり高額になっています。

 

■リフォーム相談件数は近年増加傾向にある。リフォームトラブルの第1位は?

このように、高額なリフォーム代金を支払って工事したにもかかわらず、工事後に不具合が起き、トラブルになるケースも増えています。

 

住宅トラブル相談を行う(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターが、2015年に発表した調査によると、財団に寄せられたリフォーム相談件数は近年増加傾向にあり、2014年度で9,305件。

そのうち、約半数にあたる4,544件(48.8%)が、リフォームにより住宅に不具合が生じているという結果に。

マンションの場合は、床や建具の変形やクロスのはがれ、給排水管からの漏水などが多く、比較的原因の特定しやすく修繕のしやすい内容。

しかし戸建ては、屋根・外壁などからの雨漏りが1位、次いで屋根・外壁のはがれやひび割れとなっており、マンションのリフォームトラブルに比べると、解決の難しい大きなトラブルが多いようです。

 

■リフォームトラブルの原因は「深刻な職人不足」?

このような住宅トラブルはリフォームに限らず、新築でも増えており、建設業界全体の大きな問題となっております。

では、なぜこのような事態になってきているのでしょうか?

背景には建設業界の構造的な様々な問題がありますが、中でも深刻なのが職人の不足です。

(社)住宅リフォーム推進協議会が建設事業者におこなったアンケートによると、63%の事業者が職人不足を感じています。

 

なかでも大工の減少が最も多く、建設現場のプロである大工の減少が工事の質に影響を与えている結果となっています。

腕の良い職人は高齢化を迎え、その技術を受け継ぐ若手の育成も進んでいません。

また多くの新建材なども開発され、職人に求められる技術は、より高度化しています。

今後は大学でも職人養成学科を創るなど、大規模な職人養成改革が必要なのかもしれません。

 

いかがでしたか?

私たちの生活の基盤である住宅は、安全で安心できるものでなくてはなりません。

その安心を脅かす住宅トラブルは、何としてでも回避しなくては、健康で幸せな日常生活は送れません。

次回は、リフォームトラブルを防ぐ具体的な方法についてお話ししたいと思います。

 

(しかまのりこ)

 

【参考】

リフォームコンタクト申し込みデータ – LIXIL

住宅リフォーム実例調査 – (社)住宅リフォーム推進協議会(PDF)

住宅相談統計年報2015 – 公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター(PDF)

2016年10月26日 21:07

わが家はどんな検査に合格しているの?「新築住宅の検査」詳しく知りたい!

一生に一度の念願のマイホーム……。

住宅は、新築・中古問わず“高額”なものですから、住む人が安心して住めるよう、安全でなくてはいけません。

その安全を守るため、住宅には様々な検査があります。

住宅にはどんな検査があって、わが家はどんな検査に合格しているの?気になるところですね。

今回は、新築住宅の検査について、お話したいと思います。

 

■違反した設計者、建築主は3年以下の懲役または300万円以下の罰金!建築基準法の検査とは

住宅の検査には、法律に基づいて必ず受けなければいけない検査と、それとは別に任意で受ける検査とに分かれます。

必ず受けなければいけない検査の1つが「建築基準法の検査」です。

この検査は、工事関係者とは関係のない第三者による検査で、新築建物の規模や工法・構造などにより「中間検査」と「完了検査」が行われます。

最終的に建築基準法に適合している合格証として「検査済証」というものが検査機関から発行されてから、はじめて入居ができます。

検査済証の交付を受けていない建築物は、入居はもちろん、使用することができません。

また「検査済証」のない建物は違法建築物になるので、通常は銀行などからのローンも受けられず、また売買の対象からも外されます。

この法律に違反した設計者、建築主は3年以下の懲役または300万円以下の罰金に処せられます。

 

■違反した事業者は1年以下の懲役か100万円以下の罰金!  平成21年よりスタートした「住宅かし担保履行法」による検査

必ず受けなければいけない検査の2つ目が、住宅かし担保履行法による検査です。

この住宅かし担保履行法とは、姉歯建築士による偽装事件をうけて、平成21年10月1日より始まった新しい法律です。

この法律は、新築住宅を供給する事業者に対して、保険加入を義務付けるものです。

この保険とは、消費者に引き渡した住宅に欠陥が見つかった場合、保険金が事業者に支払われることで、欠陥に対する補修等が確実に行われ、消費者が守られるように考えられたものです。

この保険の検査は、基本的には基礎工事と構造体工事の2回行われますが、規模や構造などによりさらに屋根工事などが追加されます。

検査に合格し、住宅の引き渡し日が決まったら、事業者に対して「保険証券」と「保険付保証明書」が発行されます。

「保険付保証明書」は住宅取得者に渡されるもので、「保険証券」は事業者が保管します。

この法律に違反した事業者は、1年以下の懲役か100万円以下の罰金、またはその両方に処せられます。

 

■住宅性能表示制度による検査(任意)

任意で受ける検査の1つに、「住宅性能表示制度による検査」があります。

住宅性能表示とは、住宅の構造や火災、耐久性や維持管理などの性能を、1から5までの等級で評価するものです。

この表示制度自体の利用も任意なので、検査も必然的に任意になります。

検査は一般的に基礎配筋時、躯体工事完了時、内装下地張り前、竣工時の原則4回行われます。

検査に合格すると「性能評価書」が発行されますが、不合格でも罰則などはなく「性能評価書」が発行されないだけです。

このほかにも任意に受ける検査としては、施工者や事業者による自主検査や、建築士やホームインスペクターに検査をお願いすることもできます。

 

いかがでしたか?

今回ご紹介した「検査済証」や「保険付保証明書」はとても大切なものなので、この機会に確認してみてくださいね。

2016年10月22日 20:59

頭のいい子どもって、どんな家に住んでいるの?【賢く育てたい!国立医学部生の住まい】

勤務医でも平均年収1,500万円を超え、就活の苦労もなく社会的なステータスもある医師は、昔も今も男女ともに人気の職業です。

その医師になるための最難関な大学が国立大学医学部ですが、皆さんは国立医学部生と聞くと、どんな学生をイメージしますか?

豪邸に住んでいて、小さいころから勉強や習い事をたくさんしていた優秀な学生……?

しかし、医学部生本人に聞いたアンケート結果からは、意外な事実と共通点がわかりました。

今回は、そのアンケート結果の一部、国立医学部生がどんな家に住んでいたかについてのお話です。

 

■「国立医学部生」の育った家は、一戸建て? それともマンション?

筆者は筑波大学医学部(偏差値72)に通う学生に対し「住まいに関するアンケート」を行い、その結果54人から有効回答を得ました。

回答の男女比は4:6で、現役合格者は6割、一浪以上は4割です。

回答者の出身県は地域枠推薦があることから、茨城県が25%と最も多く、次いで首都圏、全国と続きます。

アンケートではまず、どんな家で育ったかについて聞いてみました。

 

その結果、一戸建てが6割、ついでマンションが3割、団地・アパートが1割と続きます。

一戸建てが多いのは、首都圏以外の出身者が多いのも理由の1つでしょう。

意外なのは、団地・アパートに住んでいた学生も1割ほどいるということです。

勉強のできる子どもに育てるためには、必ずしも豪邸は必要ないということですね。

 

■おじいちゃんおばあちゃんとは、一緒に住んでいた?

次に、一緒に住んでいた家族構成について伺ってみました。

 

その結果、9割以上が親・兄弟姉妹のみの核家族であり、残り1割弱が祖父母とも同居の2世帯家族となっております。

この結果は、平成27年度調査の「国民生活基礎調査の概況」でも、核家族が増え2世帯家族が減っているという調査結果が出ており、アンケート結果と見事にマッチングしています。

このことから、国立医学部生の家族環境も特殊なものでなく、ごく一般的な家族構成ということがわかると思います。

 

■自分専用の子ども部屋は持っていたの?

次に、自分専用の子ども部屋を持っていたかについてアンケートしてみました。

その結果、66.7%の学生が自分専用の子ども部屋を持っていたのに対し、33.3%の学生は自分専用の子ども部屋を持っていなかったと答えています。

 

勉強のできる学生さんですから、自宅での勉強を行う子ども部屋は全員持っていると考えがちですが、この結果は意外ですね。

では、子ども部屋を持たなかった学生さんたちは自宅のどこで勉強していたのでしょうか? 気になるところですね。

 

お子さんのいるご家庭では、賢く子供を育てることは一つの夢であることが多いと思います。

次回は、賢く育った学生さんたちの住まい方について、アンケートをもとに、さらに具体的にお話ししていきたいと思います。

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2016年10月06日 20:49

家を相続した…もし「空き家」にしたらどのくらいのコストがかかる?

空き家の増加が止まりません。

総務省が平成25年に実施した調査によると、空き家数は全国で約820万戸にものぼり、住宅7戸に1戸が空き家になっています。

相続による空き家の取得など、意外に身近で、また多くの問題を抱える空き家。

前回は、空き家の定義と、その内訳や現状についてお話ししました。

今回は、空き家にかかるコストと、その解決策についてお話ししたいと思います。

 

■空き家にかかるコストはどんなものがあるの?

空き家は「不動産」ですので、使用していなくても様々なコストがかかります。

代表的なものが、土地と建物にかかる固定資産税・都市計画税です。

これは、基本的に両方合わせて資産評価額の年1.7%。

空き家のある市町村によって軽減措置があるものの、それでも毎年数万円から十数万円ほどかかります。

この他にも、マンションであれば毎月の管理費や修繕積立金がコストとしてかかってきます。

一戸建てであれば、最低でも敷地の安全や衛生面を守らないといけないため、危険な塀があれば補修し、衛生上問題のある植栽は伐採しないといけません。

また定期的に空き家を管理するために、民間の空き家巡回サービスを利用することもできますが、費用は毎月5,000円から1万円ほどかかります。

維持していくには想像以上にコストのかかる空き家、ではその解決策を考えていきましょう。

 

■補助金をうまく活用して、修繕して賃貸や売却に出すという方法も

国土交通省は、空き家の除却や活用に取り組む地方自治体を「空き家再生等推進事業」で支援しています。

この制度により空き家を解体したり、リフォームして再利用する場合、国や地方自治体の補助金・助成金を受けられることがあります。

空き家のある市町村に問い合わせしてみましょう。

もし補助金が受けられるのであれば、その補助金を使って空き家をリフォームし、賃貸や売却に出すという方法や、空き家を取り壊し更地にして売却するという方法もあります。

また売却に出す場合は、住まなくなった日から3年目の12月31日までに売却すれば、売却した利益が3,000万円までなら、その利益に対して所得税は課税されないという特例(居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例)もあります。

また2016年度税制改正で、相続した空き家を売却した場合も、特例(空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例)が受けられるようになりました。

相続した空き家を売却した場合も、利益が3,000万円以内であれば同じく所得税が課税されません。

 

■いまは賃貸で暮らし、いずれ実家に住むという方法も

手放すのが賢明と分かっていても、実家の売却をすぐに決断できる人は、そう多くありません。

親が介護施設に入居していても、いつか家に戻りたいと言い出すかもしれませんし、親が亡くなって実家を相続した場合も、思い出のつまった実家です。

そうした場合、実家に住むという方法も考えられます。

相続した実家に住むのなら、相続税が軽減される特例もあります。

30年近い住宅ローンを組み新たに住宅を購入するよりは、先に挙げた補助金を含め、耐震工事や断熱工事の補助金も有効に使い、古い実家を再生させ住み続けるというのも有効なのではないでしょうか。

 

いかがでしたか?

以前は多くの家族の生活を見守り、育ててきた空き家。

その空き家の今後について、私たちは責任を持った解決を持たなければいけません。

2016年09月24日 00:11

空き家の原因は「家の相続」!? 他人事じゃない!もし空き家になったらどうしたらいい?

日本全国で、空き家が年々増加しています。

「私には関係ないわ」と思っていませんか?

しかし空き家問題は、実家がある人には避けて通れない身近な問題なのです。

防犯・防災・衛生環境的にも多くの問題を持つ「空き家」。

今回は、その空き家問題について、2回に分けて考えてみたいと思います。

 

■全国で約820万戸、7戸に1戸が空き家。そもそも空き家の定義とは?

総務省が平成25年に実施した調査によると、空き家数は全国で約820万戸にものぼり、総住宅戸数の13.5%を占めています。

これはまさに、7戸に1戸が空き家ということ。

では「空き家」とは、どういった状態の家を指すのでしょうか?

2015年に施行された空き家等対策特別措置法によると

「空き家等とは、建築物又はこれに附属する工作物であって居住その他の使用がなされていないことが常態であるもの及びその敷地(立木その他の土地に定着するものを含む)をいう。」

と規定されています。

「居住その他の使用がなされていないことが常態である」とはどのような状態かというと、1年間使用されていないことが1つの目安となるそうです。

つまり、1年間使用されていない家や門や塀、植栽などは空き家と判断され、市町村から空き家対策特別措置法を適用され、空き家を適切に管理するように調査・勧告をされます。

 

■「特定空き家」に指定されると、強制的に取り壊されることも?

また空き家と判断され、その空き家が、特に倒壊のおそれや衛生上有害と判断されると「特定空き家」と指定されることがあります。

「特定空き家」と指定されると、空き家を安全な状態に修繕したり、または取り壊しなさいなどの命令が市町村から空き家の所有者に対し出され、標識が立てられます。

その命令に従わないと、市町村は空き家の所有者に代わって、強制的に空き家の取り壊しなどができます。

思い出のある実家が、このような末路をたどるのは悲しいですね。

 

■空き家になるきっかけ……じつは過半数が相続!!

空き家の定義がわかったところで、ではその内訳をみていきましょう。

空き家は大きく「売却用の空き家」「賃貸用の空き家」「別荘など二次的な空き家」「その他の空き家」の4種類に分かれます。

この中で、放置され問題を起こす可能性が高いものが、「その他の空き家」で、空き家全体の約4割を占めています。

 

この「その他の空き家」とは、賃貸にも売却に出す予定もなく使用予定のない家のことで、介護や入院で不在となった家実家を相続したなどのケースが含まれています。

実家を相続したけれど、相続する側がすでに家を持っているなどの理由から、相続した家が空き家となるというケースは、「その他の空き家」を取得した経緯の56.4%と過半数にも上ります。

 

また空き家率を都道府県別に見てみると、別荘等の二次的住宅を除いた空き家率は,山梨県の17.2%が最も高く,次いで四国4県となっています。

一方、空き家率が低いのは、東日本大震災の影響を受けた宮城県が1位となっており、ついで沖縄県の9.8%、山形県,埼玉県と続きます。

 

 

いかがでしたか?

意外に身近で、また多くの問題を抱える空き家問題。

次回は、空き家にかかるコストと、その解決策についてお話ししたいと思います。

 

【参考】

空き家の内訳 – 総務省統計局

住宅取得経緯 – 国土交通省

都道府県別空き家率 – 総務省統計局

2016年09月23日 00:08

40歳未満は「中古住宅×リノベ」がおトク!知らないと損する、補助金制度を総まとめ

30代は、初めてのマイホーム購入や子育て真最中でもある世代。

多くの出費がかさむ中でも特に負担が大きいものが、家賃や住宅ローンなどの住居費。

なんとか減らしたいですね。

今回は、中古住宅を購入するときのお得な補助金についてお話しします。

 

■中古住宅を壊して、新しい住宅に建て替えると「最大50万円」の補助金が!

国土交通省は8月「住宅ストック循環支援事業」を発表し、中古住宅を購入・リフォームした場合に、補助金を出す制度を秋の臨時国会に提出します。

補助金制度は大きく3つの制度で構成され、また40歳未満の若年層を対象にしたものと、年齢制限のないものとに分かれています。

年齢制限のない支援制度の1つが、「エコ住宅建替補助制度」です。

耐震化していない古い住宅を壊して、新しく省エネ住宅に建て替える場合、30万円の補助金が支給されます。

その住宅が行政庁の認定する長期優良住宅であれば、さらに20万円プラスされ、最大50万円の補助金が支給されます。

 

■年齢制限ナシ! エコリフォーム補助制度なら最大45万円の補助金!!

年齢制限のない支援制度の2つ目が、「エコリフォーム補助制度」です。

中古住宅を購入して、建物の省エネ・断熱リフォーム工事などをした場合は最大30万円の補助金が支給されます。

同時に地震に対する耐震リフォームも行えばさらに15万円プラスされ、最大45万円の補助金が支給されます。

 

■40歳未満なら最大65万円の補助金! インスペクション(調査)にも一律5万円の補助が

40歳未満の若年層を対象にした支援制度は、住宅診断や保険、耐震性の確保が必須条件になります。

具体的には、40歳未満の人が、自分が住むための中古住宅を購入してリフォームを行う場合は、まず住宅の劣化具合を専門家に調べてもらう「インスペクション(調査)」を実施しなければなりません。

インスペクションで指摘された不具合を修繕し、断熱性能の高い二重サッシを取り付けるなどのリフォームをして、安全でエコな住宅にします。

さらに住宅に不具合が出るなどの万が一の時、建物の修繕費用が保険でまかなえる既存住宅売買瑕疵(かし)保険に加入することで、50万円の補助金が支給されます。

耐震リフォームも同時に行えば、さらに15万円プラスされ、最大65万円の補助金が支給されます。

なお、インスペクション(調査)の費用も別途一律5万円支給されます。

住宅診断や保険、耐震性を確保した優良中古住宅の購入が、手厚い補助金により実現しやすい内容となっています。

 

■「住宅ストック循環支援事業」の予算は250億円、5万戸の利用が見込まれている

これらの補助金制度を盛り込んだ「住宅ストック循環支援事業」の予算は250億円、政府は5万戸の利用を見込んでいます。

9月中旬予定の臨時国会で内容を審議され、予算成立後、年内に実施される見通しです。

 

いかがでしたか?

新築志向が強く、欧米に比べまだまだ中古住宅の市場が低い日本。しかし、中古住宅に限った補助金制度も多くあります。

充実した補助金制度を有効に使って、質の良い中古住宅購入を実現してみませんか?

 

【参考】

住宅ストック循環支援事業 – 国土交通省

 

2016年09月14日 00:02

こんな家は買っちゃダメ!一級建築士がこっそり教える「NG中古物件」のポイント

人が住まなくなった中古住宅は、全国で増え続けています。

この問題を解決するため、政府は多くの補助金制度を作り、中古住宅の購入を消費者に呼びかけています。

しかし、いくら安いからといって、中古住宅にリスクはつきもの。

今回は、少しでも安心して中古住宅を購入するときの、「買ってはいけないNGポイント」をお話しいたします。

 

■空き家は全国で約820万戸。中には耐震基準を満たしていない建物も……

総務省が実施した調査によると、2013年時点の空き家数は約820万戸。

これは、全国の総住宅戸数の13.5%を占めています。

この空き家の中には、現在の耐震基準を満たしていない中古住宅(1981年6月以前に設計の建物、木造については改定がされた2000年6月以前)も多く含まれます。

先の熊本地震では、この耐震基準を満たしていない建物はほぼ全壊しました。

また耐震基準を満たしている建物でも、何棟か全壊しています。

この実情をふまえ、中古住宅を購入するときは、最低でも現在の耐震基準を満たしている中古住宅を選ぶようにしてください。

もし、気になる物件が耐震基準を満たしていない場合は、耐震工事を行い建物を補強するとよいでしょう。

耐震診断や耐震工事にかかった工事代金は、事前に申請することで補助金が受けられることがあります。

購入を検討している物件がある区役所などに確認してみてください。

また、壁量を2倍にしたり、壁をバランスよく配置しなおすことで、耐震基準よりもさらに地震に強くなります。

より安心した建物にしたい場合は、プラスαで設計・工事を追加するのも有効な方法です。

 

■部分的に軟弱な地盤がある場合は、工事費がかさみやすいので要注意!

私たち建築士は、建物が乗る地盤についても、その強さを調査して建物の基礎を設計しています。

地盤を調査した結果、軟弱な地盤の場合は地面に鋼管杭などを打って地盤改良をし、地盤を固めます。

問題になるのは部分的に軟弱な地盤が一部ある場合です。

地盤改良は工事費がかさむので、設計者によっては安全と判断し、地盤改良をしない場合があります。

これは明確な瑕疵(欠陥)にはあたりません。

しかし、巨大地震が来た時には、地盤は部分的に陥没し建物は傾きます。

軟弱地盤が存在するかどうかは、地盤調査報告書を専門家に見てもらえれば判断が付きます。

中古住宅を購入するときは、必ず地盤工事の確認もしましょう。

 

■既存住宅瑕疵保険(きぞんじゅうたくかしほけん)に加入することができない住宅

中古住宅で怖いのが、購入した後に欠陥が見つかることです。

そういった不安を解消するために登場したのが「既存住宅瑕疵保険」です。

この保険は、住宅に雨漏りや構造などの不具合が見つかった場合に2年から5年、500万円から1,000万円の補修金額が支払われます。

保険なので、どんな中古住宅でも入れる訳でなく、検査に合格した物件だけが加入できます。

既存住宅瑕疵保険に加入できない物件は、購入を避けたほうが無難です。

その他にも改修しないと住宅ローン減税を受けられない築20年(木造)築25年(木造以外)越えの物件、設計図などが紛失し、中身を知ることのできない物件、下記のような欠陥のある物件などは避けた方がよいでしょう。


 

インスペクション1

インスペクション2


いかがでしたか?

中古住宅は、その立地や値段からとても魅力的ですが、トラブルを抱えることも多いのが現状です。

今回ご紹介したバッドポイントを参考に、リスクの少ない中古住宅を探してみてくださいね。

 

【参考】

既存住宅インスペクションガイドライン – 国土交通省

2016年09月07日 23:51